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コーネリアス『CM2』『PM』解説

『CM』『FM』をやったからこっちもアップしておこう。

CM2 2003-06-25(Warner Music Japan, WPCR-11588, CD)

『Fantasma』と『Point』のあいだに手がけたリミックス仕事が多数収録されており、本来は数年前に出ているはずだったが、Stingの収録で揉めて延期。2003年にようやく出た『POINT』以降も含めたリミックス・アルバム。この約1ヶ月後に『PM』とDVD『FIVE POINT ONE』が控えており、ちょっとしたリリース・ラッシュだった。作業開始年月を記載した(発売月ではない)。

(1) Tender [Blur]
1999年3月。オリジナルはゴスペル風のソウル・バラードだったが、「Tsunami」で試したアルペジオのバラ録りと、トライアングルでリズムを刻む、まったく別のドラムンベース・トラックに生まれ変わっている。リズム隊はコーネリアス「Lazy」の応用と思われる。Damonもこのリミックスを非常に気に入っていたといい、この後も「Out of Time」のリミックスを依頼された。が、暗すぎるリミックスにしたためあえなくボツに。そちらは「中目黒ラジオ」でオンエアされただけの幻の音源となってしまった。

(2) Curiosity [k.d. lang]
2000年2月。わりとふつうのポップスだった原曲が完全にコーネリアス・スタイルに。初出時には入っていなかったピチョンというシンセの音を新たに足している。CR-78を使ったリズムはのち「Tone Twilight Zone」に再利用された。

(3) Family [Crue-L Grand Orchestra Feat.Ellie]
1999年6月。瀧見憲司のプロジェクト。小山田がプロデュースした嶺川貴子『fun9』収録の「Plash」の、もたつくような静と動のリズムを応用。

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2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定の定額マガジン(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。あとnoteの有料記事はここに登録すれば単体で買わなくても全部読めます(※登録月以降のことです!登録前のは読めない)。『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』も全部ある。

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