雑談:こういう仕事をしたい
「資料を探して調べること」と「原稿を書くこと」の2つを比べた場合、圧倒的に前者のほうが好きなため、誰かライターと契約して「ネタは渡すから原稿は任せる」という仕事をしたいなと常々思っている。ギャラは折半。リサーチャーというのかな。そういうマッチングアプリないですか?
たとえば過去の出来事について。世の中には、調べるよりも本人に聞くのが一番正しいと思っている人もいると思うけど、本人に聞くと「現在の本人」が喋ることになるため、「当時の本人」との齟齬が出る。昔なら隠さなかったあれこれを隠したり、覚えていたことを忘れてしまってたり、というのはよくある。かといって「当時の本人」が全部明らかにしているケースも少ない。結局は両方必要になる。「当時の本人」の発言を拾い集めて「現在の本人」にアタックしないと、本当のことには近づけないのだ。相手が喋るきっかけを与えるスイッチをたくさん用意すべきである。
そもそも、昔の資料を読んでいかない「何も知らない人」が聞くことなんて結局大したことがない。インタビューされる側は、前に喋ったことをそのまんまなぞって喋り直す「お仕事モード」の対応で終わる。「何も知らない読者が読むのだから、何も知らない人がインタビューに行くのは正しい」という謎理論が世の中では大手を振っているけども、Wikipediaに書いてあることを復唱してもらうようなインタビューに価値はあるだろうか?
「先にわかってないと聞けない質問」というのがたくさんあって、その答えを表に引っ張り出すのがインタビュアーの役割の一つだ。「絶対影響を受けてるはずなのに名前を出さないな」という触れたくない固有名詞についても聞かなくてはいけない。「何も知らない読者」のために、インタビュイーの本質にたどり着けるよう道筋を立てる。そういうことは先に相手のことを知っていないとできない。そこをサポートするための、資料を渡す役目。
めちゃくちゃ原稿のクオリティがあがることは保証する。ライターも読者もみんなwin-winじゃないですか? まあライターのギャラなんて安いんだから、折半なんかしたら食っていけないよ!ってのは、あるよね……。
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2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定です(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。テキストを発掘次第追…
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