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ばるぼらさんの全記事アーカイヴ

2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定です(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。テキストを発掘次第追加します。あとnoteの有料記事もここに… もっと読む
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2021年1月の記事一覧

評判を共有するのが評論か。(2008年9月ブログ)

「評論」について思いだせる範囲で書くと、1981年1月に出た音楽ミニコミ『ミュニオン』掲載の「触発/ロック評論の腐敗」というインタビューで、高沢正樹氏がこう話していた。 ──評論の腐敗みたいなことに関して言えば、“こう感じた”ことに対する論理的解明をさほど望んではいないでむしろ“こう感じた”というフィーリングを信頼するファンとその上にノッかっちゃってる評論家の間の相関々係についてはどうお考えですか? 全くもって許しがたいですね。つまり音楽評論家というよりも音楽

メモ:風景論1.0

風景論とは。 (1)映画『略称・連続射殺魔』のスタッフの一人である映画評論家・松田政男が『朝日ジャーナル』1969年12月28日号に書いたエッセイ「風景としての性」、および『現代の眼』1970年4月号に書いた「風景としての都市」を起点とした、「風景」に意識を向けた映画論/対権力論の潮流のこと。まずそれらを読むしかない。 火がついたのは、1970年5月頃に行われた座談会「大島シンポジウム」にて、大島渚『少年』(1969年)に関して、映画評論家・佐藤忠男が「風景というのは非常

日本の合法?脱法?違法?ドラッグ年表(2013年)

これは2013年の『サイゾー』の脱法ドラッグ特集用に作った年表です。が、量が多くて全然載せられなくて、ウェブ用にしたんだったかな? ちょっと作った細かい経緯を忘れてしまいました。2013年2月までです。その後も色々あるんですよね~。またまとめる日が来るのかどうか……。 1987年8月 厚生労働省、薬物乱用防止を推進する「ダメ。ゼッタイ。」キャンペーン開始。 1990年アメリカの国立がん研究所で、食品によるがん予防を研究する「デザイナーフーズ計画("designer foo

テクノディスクレビュー(2012年・未刊行)

この原稿は2011~2012年に『90年代日本のテクノ・ディスク・ガイド』用に書いたものです。90年代日本のテクノだけに絞ったディスクガイドが出る、というのはみんなかなり期待したと思いますが、残念ながら未だに出てないですね。編集者と一緒に軽く企画書作って、そこに叩き台でワタシが100枚くらい?ディスクを選んで、他の執筆者が一気にその何倍もあれもこれもと挙げて選盤した記憶があります。この時は『デジタルビスケッツ』の野口さんにワタシがインタビューしたような……いや、同席しただけか

雑談・はっぴいえんど史観について私が知っている二、三の事柄

note定期購読者向けにちょっと書いておこう。ささっと、ほんとちょっとのエッセンスだけ。 「はっぴいえんど史観」という言葉は何を意味するのか初出探し(1)2003年11月

雑談:日本におけるA&Mの資料でロジャー・ニコルズの名前を探す

A&Mというレコードレーベルがあります。1962年8月のアメリカで、ハーブ・アルパート(Herb Alpert)とジェリー・モス(Jerry Moss)によって設立されました。A&Mは日本では順にキング・レコード、アルファ・レコード、ポニーキャニオン、ポリドール、ユニバーサルと契約し、国内流通されてきました。そのうちのアルファ・レコード(1978年契約)とポニーキャニオン(1987年契約)の二つの資料を入手したので紹介します。 なぜ資料を探していたのかというと、執筆中の渋谷

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COVID-19関連:新型コロナウイルスに感染した政治家

ニュースを見ていたら石原伸晃が9人目だというので、それまでは一体誰が感染したんだと調べてみた。まったくこのnoteの方向性と合ってない情報ですまない。 2020-2021 09/11 1人目:高鳥修一(自民党・60歳) 11/13 2人目:桜井充参(無所属・64歳) 11/17 3人目:小川淳也(立憲民主党・49歳) 12/04 4人目:渡嘉敷奈緒美(自民党・58歳) 12/24 5人目:竹本直一(自民党・80歳) 12/27 6人目:羽田雄一郎(立憲民主党・53歳没)

有名ジャケのフォントを探して再現してみよう!(2011年「drillspin」)

※この記事は「driispin」というサイト用に書いたものですが、2021年1月現在読めなくなっているので、ここに再掲します。 デザインとは文字から始まる! 使われてる書体を解明すればデザインはいくらでも真似られる! という仮説を検証すべく、有名なアルバムジャケットのタイポグラフィ/デザインを解剖してみた。ということで早速、試していきましょう。 世界一有名なバンドと世界一有名な書体 The Beatles『The Beatles』(1968-11-22) まずは初級か

労音・音協・民音

「昔の岡林信康とかの話で労音っていうのが出てくるんですけど、これってなんなんですか?」と聞かれた。たしかに知らないとイメージがわかない言葉で、ワタシも昔ピンとこなかった。なのでnoteの定期購読者向けに軽く書いておく。

WILD STYLE ZINE(2015年上映イベント配布)

2015年4月15日、渋谷UPLINKでイベント「『ワイルド・スタイル』上映スマッシュヒット記念!映画上映&HIPHOP講座「Back to 1983 in TOKYO-あの年、東京で何が起きたのか‐」」がありました。ヒップホップを日本に紹介した映画『WILD STYLE』を上映後、その映画を当時買い付けた葛井さんらをゲストにお呼びして、舞台の裏側を教えてもらうというトークイベントでした。何が話されたかはウェブに採録記事がありますので詳細はそちらを参照してください。DVDのラ

渋谷系デザイン(2015年4月『アイデア』369号)

渋谷系デザインとはすなわち、音楽のジャケットデザイン、リヴァイヴァル映画のパンフレットやフライヤー、雑誌や単行本のデザイン、デパートのポスター、ショップに置かれたフリーペーパーなど、1990年代に浮上しあらゆる媒体で見られた一つの傾向である。そしてそれは、ピチカート・ファイヴ、フリッパーズ・ギター、オリジナル・ラヴ、コーネリアス、トラットリア・レーベルなど、渋谷系と呼ばれた音楽家たちの作品パッケージや宣伝美術を手がけていた、信藤三雄とコンテムポラリー・プロダクション(CTPP

Design x Doujinshi:デザインで見る同人誌100冊(2009年『アイデア』334号)

これは『アイデア』334号の特集「漫画・アニメ・ライトノベル文化のデザイン〈前編〉」に掲載された同人誌の小特集です。メイン記事はプロのデザインがバンバン載るけど、アマチュアのデザインも載ってるといいのではと思って提案したような記憶があります。画像が出てこなかったのが結構あるのですみませんが飛ばしながら読んでください……。 <!--以下本文-->

誰も続けてやってくれない文章の上達法

文章がうまくなりたいんです、と言う人に、もしやってないならやったほうがいいよと薦めるのだけど、絶対続けてやってくれない上達法があります。おそらく継続が難しいやり方なのでしょう。最近は薦めません。言ってもやってもらえないから。だからここではボトルに手紙を詰めて海に投げるようなイメージで書きました。もしあなたがたまたま読んで、たまたまやってみようと思って、たまたま続いたりしたら、きっとうまくなると思いますよ。 それが、どんなやり方かというと、模写です。これが!?キツイ!?らしい

ネットレーベルから登場した突然変異imoutoid(仮)(2008年2月『Quick Japan』vol.76)

例えば「鯖缶レコード」「16次元レコード」「-N」「ON-LI」「Bump Foot」「Maltine Records」「deathdoll」「Mizukage」「逆襲レコード」「Eightynine Production」などの名前から音を逐一想像できる人がいないのはまだ仕方ない。ウェブ上でMP3配信で活動するこれらゼロ年代以降に登場したネットレーベルが、これまで各種メディアでまともに紹介されたことがあるのかは知らないが、CDの販促としてのネット進出ではなく、自覚的にMP3