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渋谷系デザイン(2015年4月『アイデア』369号)

渋谷系デザインとはすなわち、音楽のジャケットデザイン、リヴァイヴァル映画のパンフレットやフライヤー、雑誌や単行本のデザイン、デパートのポスター、ショップに置かれたフリーペーパーなど、1990年代に浮上しあらゆる媒体で見られた一つの傾向である。そしてそれは、ピチカート・ファイヴ、フリッパーズ・ギター、オリジナル・ラヴ、コーネリアス、トラットリア・レーベルなど、渋谷系と呼ばれた音楽家たちの作品パッケージや宣伝美術を手がけていた、信藤三雄とコンテムポラリー・プロダクション(CTPP。信藤が主宰のデザイン事務所で、2011年より信藤三雄事務所)が1980年代後半から広めたセンスの一つだと言っていい。信藤三雄は音楽作品、とくにCDというパッケージ商品において頭角を現したアート・ディレクターで、31.43cm四方のLPレコード・ジャケットとは違う、12cm四方のCDジャケットならではのデザインとは何かを東京で一番最初に考え形にした人物である。

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2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定の定額マガジン(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。あとnoteの有料記事はここに登録すれば単体で買わなくても全部読めます(※登録月以降のことです!登録前のは読めない)。『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』も全部ある。

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