98 感情が波打つとき
5月になり、生徒が自分の素の姿を出すようになります。
善きにせよ悪しきにせよ。
悪しき姿を見たとき、一喝で済ますやり方があります。でもそれは彼らと断絶を意味しており、先の悪しき姿の価値づけがない一喝は、感情面の別れと同じです。
もう彼らは私に心を寄せることはないのです。
感情が波打つとき、怒りに任せた波なら引くのを待ち、待ってなおまだ違和感があるなら、初めてそこは声をかけるべきときです。
愚弄するためではなく、その場の調子で出た言動なら諌めてやればいい。そこで居直ろうとするなら、対峙して、大人の知恵と声で糺してやればいい。
そういう場面で顔を歪めながら「何が起こるのかな」と、不安になっている生徒が必ずいます。
大丈夫、僕は大きな声でやりこめたりしないよ。
あとから「あのときのあれってさ…」とみんなに話せたら、ああ、先生もいろいろ考えてるんだなと思ってくれると信じています。で、それでいいと僕は思っています。