「すべては導かれている」〜田坂広志さん
今を生きる。
今日という一日を生き切る。
とても絶望していた時期があった。
やたらと情報が集まってきて、
その情報がわたしを苦しめていた。
だったらもう生きていても仕方がないのではないか?
いつ死んでもいいよという氣分になっていくような。
言い方として大袈裟だろうけれど、絶望していた。
その状態に長くいて、もうしょうがないと思った。
今を生きるしかない。
今日1日を生き切るしかない、と。
絶望の良いところは、
できることが1つか2つしかないと思えるところだ。
それをやってみるしかないと、思えるところだ。
氣の散りどころが減り、焦点が定まる。
そんな時に、こちらのお話をYouTubeでたまたま聞いた。
わたしが出した答えに、
「そうだ。その道を行け」と言われているかのような氣分になった。
田坂広志さん。
東京大学を出て日本の技術者、経営学者さんであるらしい。
でもその経歴は、今、この記事を書くためにネットで調べた。
YouTubeを聞いた時はだから、
田坂さんがどういう方なのか何も知らずにただ聞いた。
聞いてみて、言霊がすごいと思った。
声に力がある。
言葉に人生が乗っている。
そういう人の話は説得力があり、
氣がつけばじっと耳を澄ましたまま、
最後まで聞きいってしまう。
実際この動画も1時間10分程ある。
何氣なく聞き始めるには長すぎる。
それでも最後まで一氣に聞いてしまった。
とても哲学的であり
同時にとても日本古来の
死生観や人生観に基づいているお話だと思った。
そういうお話は不思議と
ビジネスの成功法則みたいな分野でも出会うことが多い。
単純に何億稼ぎましょうとか、
月収7桁稼ぐには?とか
そのための引き寄せは?とか
そういう類の話ではなくて
もっとその奥。
本当に自分の内側から湧き出す才能に繋がって
全体の流れや導きに従って生きる、
その生き方の結果としてのビジネス、みたいな分野。
きっと本来、
成功とは、そういうものを言うのであろう。
ビジネスというよりも「道」に近い。
田坂さんは話す。
医者から余命宣告を受けて、藁にもすがる思いで行った禅寺で
禅師に言われた言葉。
命はあるんだよ。
生きている限り命はある。
今を生きろ。
今日という日を生ききれ。
その言葉を聞いて、余命宣告されて以来
すでに心が死んでいたことに氣がついた。
過去を悔やみ、未来を憂い、
全く今を、生きていなかった。
命があるのに生きていなかった。
それから34年。
田坂さんは生きている。
今を生き切ることに集中したら、
不思議と自分の中の才能が開花したり、
奇跡が起こったりしながら今日まで生きてきた。
すべては導かれている。
人生に起こることにはすべて、意味がある。
そう信じる。
そのような信念を持つ。
田坂さんのお話を聞いてから
わたしの心は命の脈動を取り戻した。
そして時折、
このお話に立ち返るために聞きに行く。
心のふるさと帰りのように。