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なぜシステム障害ごときでネタができたと喜ぶのか

10連休、改元とシステムにとってはミスが発生しやすい環境だ。まあ、何か起こるだろうと想像がつく中で、連休明けに銀行や航空会社でシステムの障害が発生した。楽天銀行では送金ができないなどの障害が発生し、全ての処理が完了したのは翌日となった。この影響で送金期限のある証券取引やフリマアプリの決済ができないなどの障害が生じた模様だ。

一方で、日本航空では搭乗手続きが行えず、欠航となるフライトがあったようだ。せめてもの救いは、連休終わりの帰宅ラッシュでフライトが欠航になrなかったことだろうか。

これらの障害により、多くののユーザーに影響が出たわけで、新聞やテレビなどは「何万人に影響が出た」など、その影響度が大きければ大きいほど嬉しいかのごとくニュースの見出しを煽ってくる。さらには、「原因はxxだ」と、原因を書くことで新聞の読者やテレビニュースの視聴者が喜ぶだとろうと、ことさら具体的な数値を書けばいいと考えているようだ。

たしかに、見出しがより具体的であるほど、また、そこに何か悪いものが潜んでいて、ちょっと覗くとすごいものが見えるのではないかと思えるような多少なりとも反応してしまうことは、私自身否定はできない。

しかし、そこに読んで何が得られるものがあるのだろうか。記者は誰に何を伝えたいのだろうか。私たちは何を知りたいのだろうか。

冒頭の繰り返しとなるが、大きなイベント時には障害は発生しやすい。システムだからといって、作っているのは人間だ。当然ミスや考慮不足もある。システム化の大きな目的は効率化だ。ミスをしないことは、正常稼働するようになったシステムが一定の同じようなくくりの作業をミスなくスムーズに完了させることだろう。

だから、「そもそも切り替わりのタイミングでは幾らかの確率で障害が発生し、それが発生したらすみやかに直すものだ」と考えておいたほうがいい。障害が起きたらいけないのではない。

障害が起こるだろうから、障害があってもいいように消費者が考えて動くべきなのだ。連休明けは銀行に障害が起きるかもしれない。それなら、手元に現金を多めにおろしておく。連休明けに決済が発生しないようにする。航空券のトラブルが起きるかもしれないから、その時期には旅行や出張の予定を入れない。

新聞やテレビのニュースで障害が起きたことが悪いように強調する。もちろん、サービスを提供する企業としては責任と十分な管理を行うべきことは否定しない。しかし、大きなイベント時には何が起きるかわからないから、事前の対策を消費者自ら行おうと主張するメディアがないことに私は違和感を覚える。

昔の人は用心や準備が当たり前だった。自分の生活は自分で準備して自分で守る。よほどの天変地異がないかぎり、今日明日の生活に変化はない。あっても自分で考えればいい。私はコンビニが24時間営業をやめたぐらいで世の中が騒ぐ理由がわからない。準備をすればいいじゃないか。しまっていたら開くのを待てばいいじゃないか。

世の中、サービスは高品質は当たり前、それが日本のいいところと言われていい気になっていないだろうか。言い換えるならば、守ってもらって当たり前の風潮ができてしまった。守られるべきで、守ってもらえるのが当たり前と思っていないだろうか。私たち。

その風潮を煽るメディア、甘んじる我々。もっと考えるべきだろう。

まわりがどうであれ、いたってマイペースな猫が立派に見えてくる。

#COMEMO #NIKKEI

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