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プロレスのファンタジーは海外との繋がりがあってこそ

来週金曜日、2年8か月ぶりにアメリカへ渡る。

最後に海外へいったのが2019年12月14日のフィリピンなので、海外自体が約2年ぶり。

アメリカのプロレス団体はWWE、AEW、インパクト、ROHが上から順に4強団体という感じなのだが、その次くらいに位置するMLWという団体の世界ミドル級王座に挑戦してくる。

MLWという団体、数年前から定期的にオファーをくれていたのだが、その都度どうしても日程が合わなかった。

今回は王座挑戦以外にも、ちょいと全日本プロレスの海外におけるビジネス展開の可能性を探ってこれたら……なんていう希望もある。

やはりプロレスは海外との関わりがあってこそ。様々な個性のガイジンさんが海の向こうからやってきて、日本の若手は海を渡って修行に出て別人になって帰ってきて……オレの中でのイメージとして、海外という一枚のカーテンがあり、その向こうからは何がやって来るのか誰にもわからず、その向こうに若手が飛び込むとどうなってしまうのか予測がつかない。プロレスにファンタジーもたらす一枚のカーテン、それが海外。そんなイメージ。

プロレスは現実的なスポーツのようなものになってしまっては絶対に面白くないジャンル。個人的にはそんな感覚でプロレスと関わっている。そもそもファンタジーな要素がないエンタメなんて面白いはずがない。

プロレスをリアルスポーツの方向へ展開しようと試みた団体は過去にいくつか存在した。しかしあれとて実は『これは本当に真剣勝負なのだろうか?』あるいは『プロレスは本当は弱いのだろうか?』という真実は誰にもわからない疑念を根底とした、完全なるファンタジーである。

そう、プロレスはファンタジー。そしてファンタジーな味付けは、海外というフィルターを通過させることでより一層強烈となる。

そんな海外が、来週やっと帰ってくる。外国人と戦うこと自体も2年ぶり。きっと、忘れてしまっていると思うのだ。身体が。外国人のパワーや迫力というものを。それはもう、同じサイズでも日本人とはケタが違う。お話にならないくらいに違うもの。忘れてしまっていることは、それ以外にもきっとたくさんあるはずだ。

コロナ以前、多いときは月に3回も海外へ渡っていた。まだ世界は不安定だが、すでに覚悟を決めた国ではこれからどんどん海外から選手を招いてのプロレスがおこなわれていくはず。攻めるのも覚悟、守りに徹するのも覚悟。いま海外の人々はどのような覚悟を抱いて生きているのか?来週この目でしっかりと見届けてくる。そして、新たなるプロレス深夜特急に期待していてほしい。

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