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106.たった一度の出来事で全てを決めるのは愚かだと思う

勉強が楽しくて仕方なかった。
毎日pubで宿題と予習をしていた。

こちらのpubは、日本でいうファミレス。
そりゃ、フットボールやテニスの試合がある日は、スポーツバーになってみんなで酒を片手にものすごい勢いで盛り上がるし、
金曜日の夜は毎週パーティーで、お酒を飲む場所。


なんだけど、昼間やビジネスマンが仕事終わる時間までは結構、親子でママ友たちがお茶してたり、おじいちゃんたちがボードゲームをしてたり、
ワークショップのイベントを開いてたりして、自由だ。

1人で本を読んだりしてる人もいれば、
新聞のクロスワードをしてたり、
ぼーっと1人でお酒を飲みながら遠くを見てる人(おじいちゃん)がいたりする。

私も、大きなテーブルで教科書とノートを広げていつも宿題をしてた。

そしたらある日、ド派手な格好をしたおじいさんに、声をかけられた。

結構酔ってるっぽい。

「英語の勉強してるのか?俺が教えてやるよ」

と近寄ってきて、プリントの穴埋め問題を見ていた。

「ここはRでここはPだ。」

"勝手に解かないでー!笑" と心の声を叫びつつ

「ありがとうございます、けど自分でやりたいです。」

と言っても引かない。

突然「外国語を勉強するには〜」と説明が始まった。

それを見かねた、別のおじいさん2( おじいさんまみれで笑えますよね)が来て

「外国語を勉強するのは大変だよね。なんかわからないところある?僕は昔、語学学校の先生だったんだよ。」

と、教えたがりのおじいさんが増えた!笑


ただ、おじいさん2は、派手おじいさんの気に触れないように、私と派手おじいさんの仲介に入ってくれたようだった。


派手おじいさんは
「俺が教えるから、お前はそっちに座ってな」

という。。

「私、そろそろ帰りますので〜」

と状況を見て逃げようとして、荷物をまとめてその場を出た。

すると、、

派手おじいさんがついてくるーーーー!

「一緒にイタリアンレストランに行こう。もっと英語教えてあげるよ。外国語は喋れば喋るほど、伸びるから、一緒にレストランに行こう。おごるから」

と付いてきてしまう。


"あぁ、どうしよう。。"

と困っていたら、、、

pubから超イケメンの背高いバーテンダーさんが、走ってきて

「are you Alrightr??」

と聞いて、私を止めてくれた。

全然OKじゃない、でもなんで言って良いかわからず、、

"help〜!"の眼差しを送るアンジーさん。

バーテンダーさんは派手おじいさんに、入店禁止とこれ以上私に近づいたら警察呼ぶ。

と伝えて追い払ってくれた。

まだ近くにいたら危ないからもう一度pubに行こう。
と引き戻してくれ、

「怖かったね。もう大丈夫だよ。安心してね。」
と言って、紅茶を淹れてくれた。あとお菓子もくれた。


なんて素敵な人!

「こういうことがあったら、警察呼んでいいんだよ。
警察のナンバー知ってる??」

「知らないです」

「おお、そうだったのか。999だから。覚えておいてね」

「ありがとうございます」

「本当はもっとここに居るつもりだったでしょ?
ここにいていいよ。また勉強してな。」

と言って、神対応だった。

元居た席に戻ると、おじいさん2が心配そうに
「Are you Alright?」

と聞いてくれた。
「大丈夫です。」と伝えると、そのあと本当に
きちんと宿題を見てくれた。

お金出してもいいかも?ってくらい、丁寧に私がちゃんと理解するまで教えてくれた。

いろんな人がいるもんだなぁ。と感動したのだった。

日本でも、ロンドンでも世界中そうだけど、
一人の人間だけでその土地を判断しちゃいけない。

もったいない。

もし私がうんと視野の狭い世界しかもってなかったら
「ロンドンは怖いところ」「危険なところ」と簡単にSNSなどで発信してしまうだろう。

だけど、それこそが危険。
守ってくれる人もいるし、なんならイケメンで神対応する場合もあるし、無料で真剣に英語を教えてくれる人もいる。

今までにも、「アクセサリーが可愛いね!」と褒めてくれたり、突然ノリノリでダンスを見せてくれたり、「友達の家のパーティーに持ってくつもりだったけど、これあげるよ!!あなたが素敵だから!」と言って花束をもらったりしたこともある。

本当に色んな人がいてとても楽しい。
そして素敵な街だなぁ、と思えた日だった。


プロポーズまであと415日

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