うちの古民家図書館に、色々な本はなくていい。
「図書館なら、色々な本があったほうがいいでしょう。」と仰った方がいた。
「そうですかー」と返したものの、本当の本当は「そうかな?ここに色々な本っているのかな?置きたいと思わない本でも?」とその言葉がトゲのように引っかかっていた。
それが古民家図書館をオープンさせて1ヶ月が過ぎる頃には、確信を持って「うちに色々な本はいらない」と思うに至った。
サービスやコンテンツのターゲットだって、散々ターゲットを絞れと言うように、古民家図書館だって尖って絞っていいんじゃないかと。
個人の古民家図書館が、公的な図書館らしくなろうとしても、人手もコストもスペースも足りない。
無理して色々なジャンルや作家の本を置いても「これなら市の図書館がいいや」と、古民家図書館をあえて選ぶ理由は無さそう。
それに、古民家図書館は古民家図書館でいいのだ。
古民家図書館らしい色々な本はあってよいと思う。
しかし古民家図書館らしくない本まで色々置いてしまうと、らしさが見えにくくなってしまう。
数を増やして公的な図書館らしくなるより、数はまだ少なくても少数精鋭で今は十分。
「ぶぜんノートさん、どんな本を読んでいるんですか?」
「カメラを始めたいんだけど、どの本がおすすめ?」
古民家図書館に来てくれた人は、ほぼほぼ知り合いまたは知り合いの知り合いで、館主個人の趣味や仕事について関心を持つ人ばかり。
自ら読んで血肉となった蔵書は、よく手にとってもらえている気がする。
サービスとはまずは小さく始めるが吉。
自分の書庫をシェアするような気持ちでやっていくことにした。
そんな感じで自分の蔵書をSNSで発信していくと、「樹木希林さんの本、私も持ってますよ。」と言って、持っている本を寄贈してくださる方が現れた。
私や古民家図書館のことを知っている人が、本と共に集まってきてくれる。
おお、この方向はうちの古民家図書館にはよいのかもと仄かに手応えを感じつつ、二ヶ月目の営業を続けていくつもりだ。
感覚を大切に、古民家図書館らしさを強めていく。
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