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アップサイクルで見えた新しい価値。サステナブルEXPOで実現したい新しい着物の世界

バイセルは3月23日(火)〜3月25日(木)に東京ビッグサイトで行われる「第1回 国際 サステナブル ファッションEXPO(以下、サステナブルEXPO)」に出展することになりました。今回の出展を提案した商品1部の敷根夏生さんに、今回の出展に懸ける思いを聞いてきました。

「去年、展示会に行った時にこの帽子を作っている人と出会いました。まだ商談中ですが、当社の着物もこういう形で再活用できないかと考えています」
当社の全ての商品が運ばれるロジスティックスセンターの片隅に置かれた着物柄のフラットキャップを手に、敷根は着物への可能性を語り始めた。

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敷根の所属する商品1部営業課は状態やサイズ等でお客様に直接販売の難しい着物を卸売やリサイクル着物の販売店などに直接販売する業務を担っている。去年、新型コロナウィルス感染症で様々な着物市場が開催を見送る中、50もの業者と直接取引を行うことで利益貢献を果たし、当社のアワード(社内表彰式)でノミネートに名を連ねた勢いあるチームである。
「何十年と伝統のある着物市場だと場の雰囲気に圧されて自分の欲しかった着物が手に入らない、といった声を業者から聞いたんです。そういう方にアプローチをかけて、欲しい着物を提供しています。圧倒的な商品量を持つ当社だからできる営業活動ですね」

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敷根 夏生:2019年、新卒で当社に入社後、商品戦略本部 商品1部に所属し、着物の法人販売先の開拓に従事。その中でアップサイクル事業の担当を任され、今回のサステナブルEXPO出展を提案。老舗着物業者とも対等に渡り合う、着物のスペシャリスト。

モンゴルへの輸出ストップで強化したアップサイクル

ひどい汚れやあまりに丈の短い着物の活用を行うため、2019年からモンゴルでのリメイク事業が始まり、リユース100%を実現した。

しかし、去年コロナの影響でモンゴルへの流通がストップしたのだ。一方で、断捨離需要により、着物の物量はより増加した。多くの着物が滞留する中で、当初は第二段階としていたアップサイクル事業を加速することになる。敷根は担当として、着物の新たな可能性を探ってきた。
当社では現在、アップサイクル系の業者4社と取引している。それぞれオーダーに沿う着物を用意するだけでなく、先方の商品を見ながら提案をすることで、アップサイクルに合う着物の感覚を掴んでいった。現在は先方に商品選定を任されるだけでなく、感覚をロジックにしてマニュアル化できたことから、アルバイトの方と協力してアップサイクルに合う着物の量を増やしてきた。

※アップサイクル(Upcycle):リサイクルやリユースとは異なり、もともとの形状や特徴などを活かしつつ、古くなったもの不要だと思うものを捨てずに新しいアイディアを加えることで別のモノに生まれ変わらせる、所謂”ゴミを宝物に換える”サステナブルな考え方です。

EXPOに足を運んで感じた出展での可能性

そんな中で、去年、取引業者からサステナブルEXPOの母体イベントにお誘いをいただいた。興味本位で見学しにいくと、自分たちの想像している以上の様々なリメイク品と出会うことができ、3社と名刺交換を行うことができた。「自分で想像し得ない着物の様々な使い方はとても刺激的で、夢中になって情報交換をしていました。今回名刺交換をした3社のうち1社は取引を開始していますが、もしその場に着物があれば他の2社とも既に取引が開始できたのではないか、と悔しい気持ちになりました。そして自分たちの着物を持って出展すればもっと多くの業者と取引できるんじゃないか、とも思ったんです」
気持ちが冷めないうちに、資料を作って上司に提案した。プレゼンの末、今回の出展にごぎつけた。
「成功できる自信はあるけど、不安もあるので、こうして記事を書いてもらいました(笑)やれることは全部やりたいんです。改めて、これまでやってきた経験を試すいい機会になっているので、ぜひ多くの方とお話してみたい。そのために、少しでも取り組みを知っていただけたら嬉しいです」

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▲取引先であるUZ fabric(ウズファブリック)のワンピース。着物としてひとつの役目を終えた生地を現在の解釈で再構築し、次の世代に渡すという概念で様々なアップサイクルを当社と実施

着物の活用は無限大。サステナブルな消費の実現へ

着物は高い、というイメージが先行しているが、今回出展する商品のほとんどは再着用の難しい着物で当社の着物でも安いラインナップである。しかし生地は100%正絹で、質も担保できる。一昔前の着物は柄も独特だったり、職人の手が込んだモノが多く希少性も高く、提案できるものには自信がある。

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「フラットキャップも、前回のファッションEXPOで見つけたんですよ。こういうクリエイターさんと出会って若者にも開かれた新たな和文化を作ってみたいです。例えばスケートボードの裏面に貼り付けてもクールだと思うし、様々な可能性をディスカッションしたい。中古着物は柄や刺繍、部分的に見ても生かせることは多いし、付加価値の出る活動に繋がったら嬉しいです。
一方で、リユース100%を持続したいので、大口のお客様との繋がりも楽しみにしています。サステナブルEXPOですし、持続可能な着物のアップサイクルという枠組みができたら最高ですね。大きな取引の可能性もあると思っています。」
今回の取り組みはSDGsにも大きく寄与すると考えている。リユースという事業そのものがSDGsに則った事業であるが、アップサイクル事業を推進することは平等な機会の提供、持続可能な産業化の推進、つくる責任 使う責任、パートナーシップでの目標達成など、様々な目標の達成に寄与してくる。
「何より、こういう取り組みをしていることを買取のお客様にも知っていただけたら、安心して着物を手放してくださるんじゃないでしょうか。その中で多くの着物と出会えると、可能性は更に広がっていく。持続可能な、サステナブルな消費の実現も目指したいです」

サステナブルEXPOは、こちらから来場お申し込みが可能です。ぜひご来場いただき、お話できることを心待ちにしております。

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