異世界ブームにみる現実とは何かの疑問
異世界の物語が最近人気だ
以前は現実逃避という意味で
捉えられていたような
ジャンルだが最近は違う
というのも舞台が異世界なだけで
中身は現実のドラマとそう変わらない
ただ一つヒーローがとんでもない
能力つまりチートという点だけが
現実のドラマには余りお目にかからない
設定ではある
その理由は明らかだ
チートすぎると面白くないから
たいていは現実物語の場合
主人公は追い込まれる方が
いいに決まっている
しかし異世界はそもそも
そんなわけのわからない世界に
いったからこそ
その時点で追い込まれてしまっている
さらに追い込まれたら
ある意味リアルすぎるので
その後の展開もしずらい
だから異世界のチート能力は
許されるのである
チート能力については
またの機会に譲るとするが
異世界ということが
もてはやされる原因については
ある種現実とは本当は何なのか
世界とは何なのかということへの
既存の価値観がどうも
しっくりこないという
認識の違和感からきているのかと
そんな風に感じたので
そのことについて考えてみたい
現実とはそもそも何か
そもそも現実とは何なのか
現実の反対が理想というのは
ある種一つの考え方で
現実の反対は非現実もしくは空想である
理想というのは西洋哲学的にいうなら
それはイデアというすでにあることを
哲学の多くの分野では想定された
その世界であって
望んでできるというような
遠いものではないという概念を
英語や西洋文化では含む
だから現実は現実
理想は理想
いい加減理想ばかり追わないで
現実をみろよ
というような言葉は
西洋では悲観的な見方と
余り歓迎されない
特にアメリカは
誰でもアメリカンドリームを
手に入れられるというほど
誰でも可能性はあると
そういう考えが根強いため
上のような考えにはしかめっ面を
されかねない
日本で最近はやっている
量子力学的な見方というのが
あるだろうが
それは現実というものの
見方を人間の考え方で
変わるものという風に
捉える見方である
なぜそれが物理学の量子論という
ものを使っているかは別に話に
譲るがいわゆる人が非常に繊細な
ものを考えるときに
主観というその意思作用によって
結果や見える世界が違ってしまう
ということを及ぼすから
それを量子の観測を物理学的に
するとその観測するためのエネルギー
ゆえに量子の状態が変わってしまうから
本当の姿を観測者である我々は見れない
そんな物理理論から推測された
世界というもの現実というものの
見方について考えである
今までは現実は確固としたものとして
存在していたが今や物理学という
厳密でしかも科学の中心的な理論によって
その確かさがないといえてしまうように
なってしまったのである
だから現実は多くの人それぞれに
違うものとしてあるとそう考える
方が確からしいとそうなったのだ
現実への違和感から異世界という発想が生まれる
量子論やそもそも古代からある
ギリシャ哲学などによって
人が主観という自分の考えによって
世界をみているということは
昔からわかっていたことではある
量子論にしてももはや100年は
立つ古臭い理論でもある
今までは学者や専門家だけが
意識していた事柄でしかなかった
量子論が多くの人々の認識の
違和感の根拠として
きっとあげられるようになったのだろう
そこで考えるべきなのは
世界とは何が作っているのか
地政学的な世界というだけなら
それは地球という物体の形や地理だけの
意味となる
また文化や歴史というなら
それは人が作ってきた文明や積み上げられた
歴史だけをもとにした世界となる
それらを中心にして考えてきた人類が
なぜかこれだけが世界ではないのではないか
そんなことを考えるようになった
その一つの発想として
異世界やら多次元宇宙論
そんなものがでてきたのだろう
今までの現実がこれだという認識の
仕方の違和感が現代生じ始めていると
いっていい
もっというとドラマやメディアの中が
真実の世界だとそう思う人すらいるぐらいである
ネットで世界が平準化され世界のイメージが激変している現実
例えば世界という単語には
民主世界や共産世界などもある
つまり世界というのはある価値観によって
構成された何かということである
また日本でも江戸時代と現代では
まるで世界がこれだと思うイメージが
違うだろう
ガリレオ以前と以後でも世界は
ある意味何度もコペルニクス的な
展開をして変動してきているのである
現代において
歴史や文化などという
ある特定の国や民族にまつわることが
SNSなどのネット世界が拡張して
平準化されることによって
そこにおける世界らしさが無意味と
なって本当の世界とはどういうものなのか
そのことを人は認識したくなって
きているのではないかと
私はこの異世界ブームに
その一端をみるのであるが
さてそれはどうだろうか
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