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ひとりメーカーの生い立ち。

バタフライボードの福島です。

昨日、私の副業時代の話がヤフーニュースに掲載されたこともあり、本記事では伝えきらなかった、ひとりメーカーである私自身の生い立ちから副業までのより深い経験を紹介させて頂きます。

▼ヤフーニュースの副業記事はこちら

学生時代

三重県で生まれた私は父が大工であったことから、幼少期から父の現場が私の遊び場だったので、モノを作る事が生活の一部となっていました。そのため自然に地元の鈴鹿高専という5年制且つ全寮制の理系の学校に進学しました。今思えば人生の中で一番勉強をしたのがこの中学3年生だったような気がします。。。。

高専という学校はマイナーな学校ではありますが、モノづくりの「理論」「現場力」の両方を叩き込まれ、さらには全寮制であるがゆえに、上下関係が厳しく「人間力」が鍛えられる、まさにビジネスの基本が学べたように思います。

余談ですが、娘がちょうど中3で高校受験の真っ最中ということもあり、理科と数学の過去問を解いたのですが、えらく難易度が上がってる気がして、理科離れする学生が増えるんではないかと少し心配になりました。。。

ビクター時代

高専を20歳で卒業し、就職は東京に出たい思いと音楽が好きだったという理由で、モノづくりx音楽x東京に合致する会社を探し、いきついたのはオーディオメーカー。そして老舗メーカーである「日本ビクター」へ就職しました。で、その中で何をやりたいかを自問しながら研修を受けていたのですが、高専では機械工学を専攻していたので、企業側はメカ設計や外装設計に誘導してくるのが分かりました。

しかし、どうしても父から受け継いだ木工技術を生かしたいのと、感性が鍛えられる仕事がしたいという思いから、音を造るという「スピーカー開発」を志望しましたが、5年に1度しか人を取らないという超難関、しかもスピーカーの知識はほとんどなかったので、熱い思いを語る事と強気の交渉で運よく希望職種につく事ができました。

こういう場面を思い出すと、バタフライボードを作ってくれる工場を探すために熱い思いと強気の交渉をしていた事が思い出されます。。

という事でビクターで5年間スピーカーの開発を続け、日本流のスピーカー開発のイロハを学びました。しかし、いい音を追い求めていくうちに、BOSEのスピーカーに出会い、何でこんなに小さいボディーですごい低音を出すんだと不思議に思い、分解してデータ計測しても原理が分からない。。。

そしてボーズを超えたい思いで開発をしていても一向に超えられない。ここはもうボーズの中の人になるしかないという考えが芽生えました。

ボーズ時代

そうこうしてるうちに、運よくボーズが日本で開発をスタートするという情報を知りました。(いまだに記念として残している1996年の求人情報誌TECH-B-ing)

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しかし、採用条件として、大卒、英検1級以上・・・持ち合わせていない。。。唯一レアな職種のスピーカー設計経験者で25歳という若さはある。どうしてもボーズに入社したい。。。。

ダメ元で履歴書を送り運よく書類選考は通過。そして筆記試験、2次面接、社長面接と進み、無事合格。うれしかった。。。でも最後に、英語だけは死ぬ気でやっておけはいまだに心に響いています。。

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という事で、1997年にボーズへ入社し2008年までの11年間、何でこんな低音出るの?という疑問を解決するためにスピーカー開発を続け、この謎が中の人になってようやく理解する事ができ、「BOSE Micro Music Monitor M3」というスピーカーが開発できました。しかし、2007年のリーマンショックで日本の開発部門の閉鎖が通達され、本作品で私のエンジニア人生の幕を閉じました。


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そして、会社都合で部門消滅を経験したこともあり、会社に依存しない生き方をしなければこの先生きていけないと思うようになり、モノをつくるというエンジニアを辞め、同じボーズで「伝える」という職種であるマーケティング部門で、まったく無名だったボーズというブランドを築き上げたやり方を先輩たちからたくさん学びました。

ルンバ時代

その後、よりビジネスを学ぶべく、全く別業界であるルンバを販売する会社で新規事業やプロマネといった職種をい経験しながら、まったく市場がなかったロボット掃除機市場で、市場をつくるということと事業を立ち上げるという貴重な経験させて頂きました。ほんとこの時代は辛かったですが、この経験がすごく今に生きていると実感します。

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最後に

こうやって文章にして過去を振り返ってみると、バタフライボードの開発方法や伝え方のやり方はすべて過去の経験に基づきながら、現代の潮流に合わせてチューニングしながら行っていたのだという事に気づきました。そして、たくさんの人や運にも恵まれていたんだなと。。。

ただ唯一大きな会社では難しかった、ユーザーさんを巻き込んでプロダクトを進化させるというやり方は、現在の組織を持たないバタフライボードの最大の強みといということで、さらに磨きをかけていきたいと思っています。


▼こちらは副業から起業までのストーリーです。


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