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日記26 みなみのみなと街から

長らく日が空いてしまったので週ベースで思い出したことをつらつらと。

2023年5月第一週目
この1週間は祝日の月曜を除き、火曜から金曜まで午前中にクライアントとのオンラインミーティング。先週から用意していた先方に尋ねる質問一覧とフレームワークの確認作業などで午前中が丸丸潰れる。各ミーティングにチームから2人を選出し、CEOやCMO、他部署の担当者に用意した質問をぶつけていく。英語でのQ&Aは自分にとって難易度が高いので、アージャンにおんぶに抱っこで乗り切る。クライアントとのミーティングが終わると、午後は時間をたっぷり使って午前中のミーティングのフィードバックから自分達が立てた仮説と質問への回答をワークブックに打ち込んでいく。日を追うごとに先方からのリクエストがとても専門的になってくる傾向があり、全員がどこかで違和感を強く感じ始める。
「これはコンサルじゃなくて、エージェントのやる仕事だよな。。。?」
そしてミーティングの回数を重ねるごとに緊張感が薄れ、メンバーの粗相な行動がたまに目につくようにもなる。ソンヤが蕁麻疹発症。アレグラを所持していたので服用してもらう。俺も台湾に住み始めて数ヶ月で発症したことがある。慣れない環境とストレスが原因。それもあって手持ちの常備薬にしている。キキが
「私は自分のタスクはちゃんとこなすし、色々データ集めてきたわ。でね、ちょっと私おばさんだから終日部屋に篭っているのが辛いのよ」
と吐露。親の具合が悪くなったりもして精神が不安定気味な傾向もあったので帰って作業をしてもらうことに。メイは学費を現金で払おうとして、その現金を紛失する(!)というアクシデント。

「君たちにはSEOのコンバージョンを伸ばすために私たちの会社のストーリーを考えて、コンテンツを作って欲しいんだ。」
とCEOに言われた時にアージャンが苦笑いし「これは俺たちには不可能だ」と思いスワナに相談しにいく。
「それは私たちが提供するスコープじゃないから、当初に掲げられた成果物に沿って進めればいいわ。何か言われたら、私が言ってあげるから。」
それがコンサルプロジェクトのプレゼンが行われるドバイへ発つ前々日というタイミング。出発前日も学校に集まり急ピッチで提案項目を考え資料の素案を作り上げる。他のグループは既に資料が出来上がりプレゼンの練習をしているが、そこには到底達していないのが自分のグループ。その日もロナックとアージャンが遅刻をブッかまし、他のグループと比較し進捗の悪いことにプレッシャーを感じていたソンヤが涙してしまう場面も。なんとか素案を完成し解散。部屋に戻りワークブックの更新とパッキングで深夜2時に就寝。

2023年5月第二週目。ドバイにて
初日。3時間睡眠で学校集合。バスでヒースローへ向かう。しかし肝心の便が大ディレイをかまし、空港で5時間ほど立ち往生。睡魔がえぐい。機内では後ろで宴を行うクラスメイトやプレゼン資料を作るクラスメイトも。自分は少し寝ては翌日に行うクライアントとの対面ミーティングで何を話すかを考える。意外とそれなりの案が浮かんだりしてアドレナリンが出ているのを感じる。隣に座っていたシュバームから
「リーダートークしようぜ」
これまでのチームでの出来事やお互いがリーダーとして何を学んだかを語った。いい時間だった。結局、現地に着いたのは夜中の1時。ホテル着が3時、4時に就寝。

二日目。3時間後には起床し、ビュッフェを食い散らかす。俺は知っている。睡眠時間が少なくても飯をたらふく食らえば、それなりの時間はなんとかなることを。朝のセッションはクラスの90%が欠席するという異常事態だが、こればっかしは仕方ない。各グループにお付きの運転手が着いてくれて、早速クライアントのオフィスに移動する。「先週にCEOからリクエストされたことの大部分は本プロジェクトのスコープ外ということもあり、全ては応えられない」ということを伝え理解してもらうことがリーダーとしてこのミーティングの大事な役目だった。若干苦い顔をされるも、これまで自分達なりに見つけた問題点を説明すると興味深くも聞いてくれたので少しホッとする。CMOから帰りがけに
「いつもありがとうね」
と声をかけてもらう。こんな学生身分の自分達にミーテイングの時間を週の半分も費やしてもらったことの方が大事で、こちらが感謝してもし尽くせない。夕方にはこの行程をアレンジしてくれたエージェントの好意で世界最大のビルのブルジュハリファの展望台とレバノン料理のおもてなしだったが、極度の睡魔と二日後のプレゼンに向けて頭がいっぱいで全く楽しめず。

三日目。午前中は現地企業訪問という退屈な時間。各社の説明は全く頭に入って来ない。「何を提案し、誰がどこのパートを担当するか」というシュミレーションで頭がいっぱい。昼過ぎにやっと解放され、自分の部屋で各メンバーを集めて資料作成の作業。しかしキキが作った資料が膨大で、内容も提案事項の一部分に過ぎないことから、どのように資料を結合をするかで頭を悩ませる。アージャンなどは
「これは使えないだろ。。」
と言うが、彼女の作業を把握できていなかった自分にも非がある。「資料は使うが参考資料として使う」という妥協点で話してみるも、彼女にも彼女のこれまでの努力とプライドがあり一切引く様子がない。議論は進まず、それに業を煮やしたソンヤとキキが結構な口論に発展する事態に。1時間の休憩を取り、なんとか妥協点を見つけてキキを説得しプレゼンのリハーサル。スワナにスライドや発表方法に関してのフィードバックを貰い解散。時すでに夜の1時を回っていたが、そのままスライドの編集を続け4時に就寝。

四日目。6時半に起床。ビュッフェの会場に一番乗り。テラス席に通されるも景色を楽しむこともなく持ってきた朝食をムシャムシャ食い散らかす。8時には会場の設備の点検を行い、9時からは各メンバーがいることを確認し、各々プレゼンの練習を行う。10時半にはCEOとCMOがホテルに到着し、先日のミーテイングで共有した問題点をいかに改善していくかというプレゼンを30分で行った。色々あったが、各メンバーが緊張しながらも頑張っていた様子に感動。そんな俺は冒頭の挨拶と締めの担当だったが噛み倒す。終了後はケータリングサービスが提供されている会場の外でCEOとCMOらと談笑し、エントラスまで見送りをし、遂にコンサルプロジェクトのプレゼンが終了した。他のグループのプレゼンも終了し、全員がケータリングで胸を撫で下ろしていた。アージャンが
「他のグループのプレゼン見てたけど、俺たちのが一番具体的で良いぞ!」
と本音なのか建前なのかわからないが、笑顔で話してくれた。自分はケータリングでの食事もそこそこに部屋に戻り、湯船に浸かり、夜まで泥のように眠っていた。夜はクルーズを貸切りドバイの街を遊覧しながらの船上パーティ。とにかくあらゆる種類の肉を食った。部屋に戻り日付が変わったところで自分の歳が更新された。この旅程のルームメイトだったアダーシュに
「ハッピーバースディ!俺が1人目だな!」
と声をかけてもらう。一年の締めくくり、そして新しい一年の始まり。ものすごい濃ゆいものになった。

最終日。朝の便でイギリスに戻るため、朝4時ロビー集合の鬼畜なスケジュール。何人かは昨夜のパーティ後に街へ繰り出し、そのまま寝ずに夜を明かしたみたいだ。ブックからはタイ式アロハシャツ(?)みたいなのを頂き、デープ、マユリ、アビチー、アリフあたりが眠そうながらも「ハッピーバースデー」と言ってくれたことを妙に鮮明に覚えている。機内では9割が寝ている。学校までのバスを空港で待っている時に、マイとトゥイが機内サービスのワインを手に持ち「はい、プレゼント」と渡してくれる。そんな気持ちだけでありがたい。車内では隣になったソンヤとお互いにこれまでの過程を振り返る。まだこのプロジェクトのレポート提出は残っているものの、とりあえずひと段落ということで。。。

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