嫌なことノート 10_拝啓「コインランドリーのマシン」様
昨今の第3次AIブームの影響によるものかどうかは定かではありませんが、「行動解析」や「行動情報解析」という分野が発展してきているようです。
例えば、カメラを設置して、人の行動をトラッキングし、そこから得られた情報を解析することで、より良い商品やサービスに結びつけたり、例えば、いわゆるIoTと言われるような、人の行動をセンシングデータとして収集し、そこから得られた情報を解析することで、より良い商品やサービスに結びつけたり、といった動きが極当たり前のことになってきているようです。
大量のデータを解析し、「どうもこういうことみたいですけど、お気づきになってました?」ということを教えてくれるのが、ビッグデータからのAIの真骨頂。
人間が目で見て、感じて、考えて、そして「こうしよう!」と改良する。という昔ながらのやり方が難しく、もはや頭打ちで、AIの力を借りてでもしないと、もう何も改善点は出てこない。
そういう時代なのでしょうね。
いやいやいやいや。ちょっと待ってください。
それ本当ですか?そこまで行き着いてます?そんなことまでしないと、もう改善は無理?
テクノロジーの力を借りて、もっともっと良くなればいいのに、というのには私も大賛成です。しかし、その前に、もう本当に限界なのか?当たり前のことを当たり前に考えるという愚直な取り組みを放棄しようとしてるだけではないのか?ということを、今一度考えたほうが良くないですか?だって、ちょっとした気づきがあるだけで、「あれ?これはあかんな・・・」ということがどんどん見つかるんだもん。
今回もそんなお話しです。
『これいいね! 19_全自動靴洗い機の実力は?』でもお話ししたコインランドリー。
そうです。この機械ですね。
「靴の丸洗い機ってないの?」と思い、ネットを調べてみると、どうやらコインランドリーにあるらしいということで、実際に試しに行ったというあのお話しです。
記事では、それこそ「3分クッキング」のように「・・・するとこうなります。」という書き方ができるのですが、実際は、洗浄に20分。乾燥に20分、合計40分かかっています。
その間、スマホでnoteをチェックしたりTwitterをチェックしたりしましたが、やはり時間が余る。「こんなことならパソコンでもを持ってくるんだったな。」と後悔しながらも、「折角来てるんだから、やっぱり観察でしょ。」ということで、設置されているその他のマシンを見て回ります。
靴洗い機のすぐ横に設置されていたのが10kgまでの洗濯機。これは洗濯機能のみですね。
料金は?400円ですか。なるほど。
そして、洗濯乾燥機。これは、洗濯だけ、乾燥だけ、洗濯も乾燥も、という3つの中からコースを選べるようです。
料金は、洗濯だけなら700円。乾燥だけなら10分で100円。容量が10kgくらいならまぁ20分から30分ってとこですかね。だから乾燥だけなら200円から300円くらい。洗濯と乾燥両方なら900円です。
そして、ガス乾燥機。これは乾燥専用で、容量も25kgまでと大容量になっています。
こちらは7分で100円となっています。
中に入ってる洗濯物の容量や種類によって変わってくるでしょうから何とも言えませんが、まぁ500円から600円というところでしょうか。場合によっては700円から800円になるかもしれませんね。
っと。ここで引っかかってしまいました。嫌なことノート。
それは、お金の入れ方。
最初に紹介した洗濯機は400円。100円硬貨を4枚入れる感じ。しかしこの場合、私なら500円硬貨を挿入して、返却口から100円を受け取りたいところ。
しかし、挿入できるのは100円硬貨のみ。その手数4回。
まぁ、これは耐えよう。
しかし、次の、洗濯乾燥機はどうよ。洗濯と乾燥で900円。これも、私なら1000円紙幣を挿入して、返却口から100円受け取りたい。
このマシンは500円硬貨も受け付けてくれるけど。だとしてもその手数5回。
わざわざ、「ご注意:お釣りは出ません」と書いてくれているくらいだし。
たまたま運良く500円硬貨を持っていれば良いけれど、持ってなければ手数は9回。だって、両替機に1000紙幣を入れても、出てくるのは100円硬貨が10枚だから。
こうなると、ちょっと辛くなってきますよね。
そしてガス乾燥機。
「場合によっては700円から800円になるかもしれません」と言いました。
なのに、このマシン、100円硬貨しか受け付けてくれない。その手数なんと・・・。もうええわ。どうもありがとうございました~。です。
恐らく、硬貨を入れた直後から乾燥を開始し、硬貨を入れた分だけ乾燥するという仕様なんでしょうけど、「お金を入れる」と「乾燥を開始する」を分ければいいじゃないですか。という感じ。もっと言えば、「お金を入れる」と「乾燥時間を指定する」と「乾燥を開始する」に分けてくれれば嬉しいし、余った分は返却口からお釣りとして出してくれるともっと嬉しい。
このお金の入れ方ともう一つ、操作がわかりにくいということについても気がついてしまった。
ガス乾燥機のほうは、手順①として「洗濯物を入れる」とは書いているものの、その前に、「最初に・・・ドラムリフレッシュ」と書いてくれているし、そのボタンを押せば良いということがすぐにわかるので、非常に良いです。
しかし、洗濯乾燥機のほうは、同じように手順①として「洗濯物を入れる」と書いてありますが、そのとおりやっても機械は動きません。
なぜなら、とてもそれが手順であるとはわからないような、左下に、「最初に・・・ドラム洗浄2分間」と書いているところのボタンを押して、先に洗浄する必要があるから。
これはわからんで。
実際、洗濯物を入れたのに、「まじ!?洗浄?」ってことで、また取り出して、洗浄してから洗濯物を再度入れる、ということをやってた人を目撃しましたもん。
「大量の洗濯物を抱えてお店にやってくる」というところから、もう既に始まってるんですよね。
「両手が塞がっている状態でお店に入ろうとする。」に対しては、「扉は自動ドアにする。」が相応しいでしょうし、
「お店に入った直後、抱えた洗濯物を一旦置こうとする。」に対しては、「洗濯物を置くためのテーブルを設置する。」が相応しいでしょうし、
「小銭をを用意しようとする。」に対しては、「両替機を設置する。」が相応しいでしょうし、
いやいや、そうでなくて、「小銭を用意しなくても良いよいにする。」のほうが良いかもしれませんので、それに対しては、「1000円札も入るようにする。」が相応しいでしょうし、
いやいや、そうでなくて、「そもそも現金を用意しなくても良いようにする。」のほうが良いかもしれませんので、それに対しては、「ICカードでも支払えるようにする。」が相応しいでしょうし、
「洗濯中の待ち時間の暇を潰そうとする。」に対しては・・・
「洗濯が完了したことを知ろうとする。」に対しては・・・
というふうに、まずは、「お客様がどのように動くのか?」を徹底的に観察する必要がある。
そして、「その都度、どのような要求が発生しそうか?」を徹底的に追求し、「要求を満たすためにどのようなソリューションが提供できそうか?」を徹底的に検討し、実行して、改善して、ということを続けることが重要になりますね。
『これいいね! 09_調剤薬局でもらったシール』や『嫌なことノート 03_拝啓「ちくわメーカー」様』のように、「その後のことを考える」もそうですし、『嫌なことノート 09_拝啓「ニトリ」様』のように、「どの範囲を対象にして考えるのか?」もそうですが、フォーカスする範囲の違いがあるだけで、言ってることは同じ。
「まずはお客様の動きを徹底的に観察する」ことからずべては始まるんだろうと思います。
しかし、まだ世の中に存在しない商品やサービスに対してこの方法を採ることはできませんので、それはそれで、また別途、方策を考える必要がありますが。
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