【実録】29歳OL、扁桃腺摘出体験記。前編【激痛?】
焼豚女は激怒した。必ず、かの邪知暴虐の扁桃腺を除かなければならぬと決意した・・・
経緯
元々、風邪は喉から拗らせるタイプではありました。2019年ごろから扁桃腺を年3,4回腫らすようになり、一度めちゃくちゃに悪化させて10日ほど会社を休んだり大学病院まで点滴を受けにいくなどしたりました。そのときに絶対扁桃腺取ってやるとの意思を固めていたのですが、2020年コロナ禍に突入しすべてがうやむやに。
在宅勤務が増え無駄に体力をすり減らすこともなくなったからか穏やかに1年間過ごしたものの、2021年春、部署異動のごたごたもあって扁桃炎を2月4月5月6月6月と連続して拗らせ、上期途中にして有休が瀕死。回を重ねるごとに抗生剤の効きも悪くなり高熱も出るし長引くように・・・異動したてなのに休みまくるヤバ新人と化し、もう耐えられんと思い、かかりつけ医に泣きついて紹介状を書いてもらいました。
手術の予約~入院まで
6月末に紹介状を握りしめて大学病院に行き、そこで手術の予約を行い、7月には事前検査のため2回病院に行きました。平日だったので、それぞれ午前休をとりました。
手術の正式名称は「両側口蓋扁桃摘出術」というらしいです。全身麻酔の手術なので、健康診断をフルコースやるような感じでいろいろ検査されました。血も抜かれたし検尿もしました。また、入院中の過ごし方について専門の窓口から説明を受けたりもしました。
麻酔科の検査もあり、そこで「焼豚女さんは7-8割の確率で術後ゲロります」との予言を受けました。(乗り物酔いしやすいひとは全身麻酔明けの感覚に慣れなくてゲロるらしい)・・・なんやかんや経て手術のGOサインがやっと下りました。
※ こんなご時世の中、手術してくれた病院には感謝しかないです
入院1日目 快適・最高
入院当日は差額ベッド代で窓口のお姉さんと揉め、肺のCTとPCRを受けてコロナじゃないことを確認して、やっと入院することができました。
1日目はなんやかんやで4人部屋。11:30頃入室。
↑リストバンド着けて「フェスみた~い!」とか言っているバカ
すんごくきれいな病棟でした。手術前のわたしはシンプルな健康体なので、ごはんもフルで出るし、シャワーも浴びれるし、ただただ快適。
昼ごはん、うまい。うまいが、味がとて~も薄かったので、この後売店にゆかりを買いに行きました。
病室には有線LANしかないのでノートPCを持ち込んでモバイルホットスポットでスマヒョとiPadとSwitch生活を満喫しようと思っていたのですが、回線のセキュリティ的にモバイルホットスポットの設定がうまくできず・・・それだけが難点でした。でもシュタゲを見たりお昼寝をしたり何度も売店に行ったりして過ごし、これだけで1日が終わりました。
最後の晩餐にはゆかりをかけておいしくいただきました。ゆかりは偉大!
・・・21:00消灯ですが、18:00の夕食以降絶食のため空腹がやばくて眠れず、23:00頃までTwitterで遊んでいました。
入院2日目 手術当日 全身麻酔でゲロ
病院の朝は早い。6:00に大雪少年自然の家みたいな音楽で叩き起こされます。ですがその後二度寝タイムを満喫し、実際に起きたのは8:00頃。朝ごはん抜きなので、同室患者が朝食をうまそうに食べる音をただただ聞きました(つらい)。9:00頃、手術に向けて点滴を繋がれてしまい、自由に動けなくなったので午前中はシュタゲを見て過ごしました。相変わらず空腹がやばい。
11:00頃手術室に呼ばれると言われていましたが、前の手術が伸びまくったのか実際に呼ばれたのは13:30頃。血栓防止の着圧ストッキングのようなハイソックスをはいて、手術室までは付き添いの看護師さんと歩いて行きました。
手術室エリアに到着すると担当のスタッフさんたちがわらわら集まって名前とか生年月日を確認されました。スタッフがみんなポップでかわいい手術着(?)を着ていたのが印象的でした。手術室エリアの前の扉にもポップでかわいいシールがたくさん貼ってあったのですが、その中でも「bon voyage!」って書かれたシールが目に入ってちょっと笑いました。全身麻酔でどんなトリップができるんだろうなあ!?
手術室に入ったら手術台に座ってパンイチにさせられました。布切れをかけられて横たえられるとあれこれ装置をつけられて、心電図の音がピコピコ鳴り始め、呑気にもドラマみたいだなあと思いました。手術台は案外ふかふかで寝心地が良く、快適でした。
いよいよ酸素マスクを口に当てられると「ハイ深呼吸して〜」と言われ、何度かスーハースーハー。「それじゃ今からお薬入れるね〜少しチクチクするかも」と言われて、本当に喉の奥のほうがジワッとなって視界がボヤッとしたと思ったら一瞬で落ちました。当たり前だが全身麻酔には抗えなかった・・・
↑全身麻酔の落ち方のグラフ
経験者からは、全身麻酔の間の時間がゼロになる感じだと聞いていましたが、わたしの感覚では10分くらい居眠りして濃厚な夢をみていた感覚に近かったですね。直前に読んでいたBL本がとても良かったので、それにまつわる夢を見ていた気がします。
「焼豚さ~ん」と起こされ、まず思ったのが、「あー本当にやっちまったよ」「これから痛いんだろうなあ」という若干の後悔と「喉の奥に、何もない!」ということ。喉の奥に何もないのは本当に起きた瞬間に察しました。激烈な痛みはありませんが、口の周り全体が鈍痛に覆われていて、気分は最悪でした。チラッと時計を見たら17:00くらいでした。3時間くらい眠ってたのかな。最悪な気分の中でどさくさに紛れて口に刺さっていた呼吸の管を抜かれるのがわかりました。
その後病棟に移動するためベッドに乗せられてゴロゴロ運ばれていると、めちゃくちゃに気分が悪くなり、挙手して「吐きそうです!」と宣言してベッドの上でゲーゲー吐きました。乗り物酔いが急激に来た感じでしょうか。前日から絶食しているので特に吐くものもないのですが、しばらくゲロゲロし続けました。血の色の液体だったと思うけどあんまり見てないです。多分手術室から抜けて、普通の廊下での出来事・・・みんなして介抱してくれたけど、輸送中に申し訳ないことをしました。
何とか病室まで運ばれて、そこで酸素マスクをつけさせられました。ちなみに差額ベッド代をゴネたので、術後から無課金の6人部屋です。血はあんまり飲み込まないほうが良いとのことで、ティッシュに唾を吐き続けることになるのですが、酸素マスクもあったのでなかなかに不便でした。3時間くらいは酸素マスクつけさせられて、うとうとしたり唾をペッペしたり生還ツイートをしたりして過ごしました。
酸素マスクが外れると看護師さんに付き添われて立ち上がることが許可され、ちびちび歩いてトイレに行きました。点滴しかしてないのにドバドバ尿が出てスゲーってなりました。しかも点滴の液体と同じ色だったのでウケました。
トイレから戻るとしょっぱな晩ごはん(流動食)が出てきて目ん玉ひん剥きましたが、カルピスを一口飲むとあまりに美味しくて涙が出そうになりました。
ただ、液体をうまく飲めなくて、空気を飲んでしまったり、飲みたくないのに飲み込んでしまったりする。喉の奥のつっかえが無いことに慣れるまでには時間がかかりそうだと思いました。ちなみに口の中が腫れまくっているせいか全然普通には喋れなくてフゴフゴした感じです。
熱を測ったら37.5度くらいあって、手術の炎症のアレなのかな~と思いました。喉の痛みは、扁桃炎MAX時の7割くらいの痛みです。扁桃炎MAX時は喉の激痛に加えて40度近い高熱もあるので、それと比べたら全然マシですね。
夜通し唾を吐き続けましたが、途中で諦めてうとうとしました。点滴が刺されっぱなしだったので尿意もなかなかにあり、何度かトイレに起きましたが、夜中の3時くらいにはまっすぐ歩けるようになりました。さっきまでゲーゲー吐いてたのに案外平気なもんだなあ~と思いました。
入院3日目 術後1日目 案外余裕
相変わらず6:00にさわやかな音楽でたたき起こされます。傷口は案外痛くない(扁桃炎MAX時の6-7割くらい)のですが、口の中や舌が腫れている感じがすごく、違和感があります。特に喉ちんこが腫れていて邪魔。やたらと痰が絡み、すやすや寝ていても突然喉が詰まって「ンッッ」となります。また、手術中に口を開ける器具で押し付けられていたせいか、ずっと舌先が痺れていました。
朝は具なしの味噌汁とかのザ・流動食だったけど、この後いきなり錠剤の痛み止め飲まされて泣きま・・・いや案外平気でした。痛みは耐えられるけど、ただ、前述のとおり、液体をうまく飲めなくて、空気を飲んでしまったり、飲みたくないのに飲み込んでしまったりするので、錠剤をグビッと飲み込むのに苦労しました。あと、この日からうがい薬が出されて、毎食後と寝る前うがいしろと言われました。素直に従いました。
午前中には診察があって、経過良好と言われました。喉ちんこが腫れているのが不快で痰が絡むと言ったら吸入をさせてもらえることになりました。何に効くのかよくわからないけど、気休めに良いです。
昼ごはんからはお米の少ないお粥と、やわらかい固形のおかずが出てきました。
朝飲んだ痛み止めが効いていて余裕だったし、固形物嬉しすぎて7-8割食べました。液体飲むの下手だからむしろ固形のほうが良いかもしれない。さつまいもの甘煮がうれしすぎでした。
この日もかなり長い時間点滴がつながれていて(しかも右腕に)動きづらかったので、結局シュタゲを見て過ごしました。あとは前日寝不足だったので昼寝もたくさんしました。
夜ごはんも似た感じ。空也蒸しという知らない料理が出てきてググりながら食べました。(豆腐の入った茶碗蒸しにあんをかけた料理のことらしい)
夜も吸入をしながらシュタゲを見続け、アニメ版はこの日完走しました。オカリン・・・
入院4日目 術後2日目 前日より痛い
この日は良く眠れて、6:00にスッキリお目覚めでした。舌先は相変わらず痺れていますが味覚には問題ありません。ただ、朝は痛み止めが切れているので喉イテテテテテテで朝ごはんはあまり食べられませんでした。(扁桃炎MAX時の8割くらいの痛み)
牛乳はしみないのでとても良いですね。扁桃炎のときもよく乳製品を飲んでいました。大好きな桃缶が出たのでこれだけをちびちび食べて、おかゆは重湯部分のみ飲みました。重湯、米の味がしてうまい。
診察では前日より喉ちんこ近辺が腫れていると言われました。それなのに食事はより固形にグレードアップしていくものだから、痛み止めのロキソニンを追加でもらいました。手術後1回もシャワーできていなくて頭がベタベタなので家から持ってきたドライシャンプーをしました。
さらさらになって多少気分マシになったので、シャワーを浴びられない環境に行くときは持っておくと便利です!・・・まあわたしは風呂嫌いなので普段使いしていますが。
この日も点滴につながれている時間が長かったので、昼寝するかKindleでBL本を読むかでした。PCを使った作業みたいなことは、点滴につながれたままではやりづらかったな・・・
昼ごはんからおかゆの中のお米比率が上がりました。品数も増えておかずもグレードアップしました。こういうちょっとしたことに回復を感じますね。お昼時は朝飲んだ痛み止めがよく効いているので、たくさんごはんも食べられます。
主治医の診察があったので「手術どうでしたか」って聞いたら、「扁桃炎繰り返しすぎて扁桃腺の癒着がひどかったよ~剝がしにくいシールを無理やり剥がしてる感じだった」とのことでした。ううう、ちゃんと手術するくらい悪化していてよかった(?)というか、「病状大したことないのにこのご時世にわざわざ手術受けにきた迷惑人」じゃなくてよかった・・・
午後には、点滴が外れた隙を見計らって、てくてく歩いて売店にも行きました。電話OKの共用スペースにも行ってみたら、若い男の子がいて新鮮な気分でした。(同室はオバハンばっかりなので)
朝の痛み止めが切れてくる頃なので、16:00頃に追いロキソニンをしました。
晩ごはんの頃にはロキソニンも効いてきて、おいしく食べられました。オレンジジュースしみそうだなあと思いつつ恐る恐る飲んだけど、意外といけました。基本的にすべて薄味なので、こういう刺激的な味がたまにあるとうれしいです。おかゆは重湯部分を飲んで、お米の部分にゆかりをかけて食べました。ゆかり、とてもうまい~
相変わらず喋りはフゴフゴしてるし、喉ちんこはでかくてのどに詰まるし、舌先は痺れているし、口の中で液体をうまく制御できないけど、結構元気です。
後編に続く!
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