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キャリア概要5/5(2017年〜現在)

短編テーマとしてキャリア史『5部作』を書き連ねています。

キャリア概要1/5(〜2008年)
キャリア概要2/5(2008〜2011年)
キャリア概要3/5(2011〜2015年)
キャリア概要4/5(2015〜2017年)
キャリア概要5/5(2017年〜現在)◀︎イマココ

今回が最終回かつ、現職のお話になります。

初の外資系企業

人生初の外資系企業です。といっても元々は取引先であり、技術的なスキルもまだ残っている中での転職なので全く新しいスタートを切ったつもりはありません。また同僚も上司も日本語でのコミュニケーションなので不安もありません。むしろチームに対して私のスキルを存分に寄与できる自信もあり、いろいろ挑戦していこうと考えていました。

担当する仕事は特定の戦略顧客向けに拡張サポートを提供するもので、私はサービスプロバイダ系の会社を担当していました。日々の課題管理やたまに発生するトラブルに対して米国本社との調整を行う大変な仕事です。私が担当している間でも大きなトラブルが数件ありました。一番大変な時はトラブルと米国出張が重なってしまい、時差ボケのひどい中日本時間に合わせて対応しないといけないこともありました(やっと寝れたのに電話で起こされることも・・・)。ただそのトラブルに対してもリーダーシップを発揮し、各方面の調整を行い顧客のハレーションを抑えることもできて、最終的にはお客様からもこれまで以上に関係はより強固になったと評価をいただきました。トラブルは乗り越えることができるからこそ発生するもので、乗り越えてこそ必ずそれまで以上の信頼を獲得することができます

私にはもう一つの役割がありました。担当する顧客が他のメンバーよりも少ない代わりに、サービスのプリセールスを担当するというものです。さらにその一貫で、自社で開発したカスタマーサクセスツールという診断ツールの日本でのGo To Marketもリーダーシップを取ることになりました。もともとコンサルティング会社からこの会社に転職したのもこの診断ツールの拡販が目的ですので、相当な時間をこの仕事に割くようになったものの、なかなかうまく成果が上がりません。原因はその診断ツールを必要とする大口顧客を見つけられなかった、という単純なものです。あえてスモールスタートを狙って成功事例を作っていこうと考えていたのですが、今となってはもっと多くの営業チームとコミュニケーションをとって、広くスピーディーに展開する方法にシフトすべきだったと思います。

サービスセールスへの異動

次第に私は他のサービスのプリセールスにも手を広げていました。ここでは前職のコンサルタントとしてのスキルも大いに役立ちました。外資系のIT企業とお付き合いのある方は感じていると思いますが、資料の作りがうまい人は限られていて、たいていは海外で作られた説明資料をそのまま和訳して使っているので、日本人の感性とはかなりずれてしまっています。私もコンサルティング会社で培った説明するスキルを遺憾なく発揮して、大口契約締結までの一端を担いました。

そういった活動もあって私の上司Emiさんとサービスチームの本部長Peterさんが、より私の能力を発揮できるポジションを提案してくれました。それがサービスセールスです。自分自身では特定の契約を持たずに、会社のもつサービス全般を販売する役割となります。私はサービスセールスマネージャとのペアとなり、より技術的・戦略的な提案を行う役割として「サービスセールスコンサルタント」というポジションにつくこととなりました。

異動にあたり私が目標としていたものがあります。異動前のチームおよび他のサービスを提供しているチームのプレゼンスを上げ、他のチームが羨ましいと思うチームにすることです。そのためには
・社内での周知活動
・市場へのマーケティング活動
・タレントの育成

が必要と考え、サービスチームの全員を集め今後のGo To Market Planについて議論をしました。

そんなことをしている最中、サービスチームの本部長をやっていたPeterさんから一つの提案を受けました。私の前からサービスセールスをやっている営業をやめされたいというのです。理由はいくつかありましたが最近少し決定的な問題があったとのことで…抜けた穴はすぐに求人の募集にかかるし、サービスチームでもカバーするので、と私には同意を求められました。まだチームに異動した直後で不安もありました。しかし遅かれ早かれこのようなことが起こるだろうと思っていたフシもあったので、私も腹をくくりOKを出しました。

地獄のはじまり

抜けたことによるマイナス影響は出さないようにすると会社全体に約束しましたので、私はできる限り前任者と同じように仕事をこなし、かつ私の考えるサービス提案の品質を追求していきました。Customer Surround Model(カスタマーサクセスとも言えます)という考えのもと、顧客体験を360°見通した上で顧客の要求と自分たちで提供すべきサービスの最大公約数を最適解として求めて、提案を行いました。

予算達成まで売上が大幅に不足していたこともあって、兎にも角にも全力でやるしかありません。しかし新しい営業は一向に採用されず、それどころか候補者すら現れません。そうしていくうちにどんどん私は病んで行きます。一番苦しかったのは各案件にオーナーシップを取れるほど時間を避けないことで、提案の品質も悪くその責任を私が取らなければならないのではないかという心配が大きくありました。毎月20件もの新規案件をこなしながら、重要案件もこなさなければならないため一つ一つの案件にかける時間がわずかしかないのです。

ただいま急成長中(数字だけは)

年度が終わり、もともと二人で達成するはずの売上目標を一人で達成し、また日本のTop Dealの表彰も受けました。会社は評価はしてくれたものの、2人分にしては物足りないことに感じます。

忙しいながらも効率化を図り、提案書のデータベースを作ったり、見積もりのテンプレ化を図ったりしながら、なんとか一人で回していく日々が続いています。今年度の数字は3人で達成する数字を半年ほどで達成し、最終的な着地は目標の150%以上になることが予想されます。しかし私の方では個人的な目標が何で、何が嬉しいのかどうかもわからない状態になっています。

キャリア概要3/5(2011〜2015年)のときの事業部長と年末に飲んでいたときに「お前楽しくねぇだろ」と言われ、ぐうの音も出ませんでした。本当にそのとおり、何も楽しくないのです。「キャリアなんて上り詰めても一旦落ちる経験をするもので、それは覚悟しておいたほうがいい」・・・確かにこれまで私は順調に上り詰めて来ましたが、これ以上の高みは想像もできない状況にいます。ザッポスのトニーシェイも、過去の成功で得た自己資金の底をつくような状況を経験し、過去の何十倍もの成功を収めています。もし新しいチャレンジを踏み出すのであれば、それは一旦は落ちるキャリアなんだとくれぐれも自覚しました。

今のところまだ新しいチャレンジについて検討もできない状況です。そういう状況を打破するためにと始めたのがこのnote活動でもあります。仕事で黙殺された中で失っていた自分本位のことを積極的に探すようになり、まだ始めたばかりですが少しずつ世界が広いことを再認識できるようになってきました。そして虎視眈々とゲームチェンジを狙って戦略を考えているところです。

あとがき

これが現在の私のキャリアを形成しているバックグラウンドの概要となります。何か皆さんのお役に立てるようなアイデアはありましたでしょうか。今もまだ大変な最中ですが、決して挫折しているというわけでもなく、押し並べて考えなくても一定の成功を積み重ねてこれたと思っています。

思った以上に大作になってしまったので、全体的なサマリーや、キャリアに対する私の考え方についてnoteにまとめたいと思います。

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