どのくらい換気すればいい?(必要換気量)

住宅内の空気をきれいに保つためには換気が必要です。
ではどのくらいの換気を行えばいいのでしょうか。

住宅の場合、換気量は換気回数で判断します。
換気回数とは1時間で住宅の容積の何回分入れ換えるかを表す数値です。
たとえば1時間で住宅内のすべての空気を入れ換える場合は換気回数は1回/h、半分の空気を入れ換える場合は0.5回/hとなります。

一般的な住宅の必要換気量は換気回数で0.5回/hです。
1時間で住宅の半分の空気を入れ換えれば、空気がきれいな状態を保てるということになります。
なお、調理をする、たばこを吸う、開放型ストーブを付けるなど、空気を汚す物質が多くなる場合は、換気扇を回す、窓を開けるなどして0.5回/hよりも換気量を大きくしなければなりません。

住宅の必要換気量は換気回数0.5回/hとしていますが、通常換気が正しく行われているかを判断するためには二酸化炭素濃度を使用します。
一般的には二酸化炭素濃度が1000ppm以上にならないように換気量を調整します。
なお、これは二酸化炭素濃度が1000ppmを越えると二酸化炭素自体が害になるという意味ではなく、人は二酸化炭素をはき続けるのと、ものが燃焼すると二酸化炭素を発生するため、換気の指標になると考えられているためです。
二酸化炭素濃度が高くなっているということは、換気量が不足していて他の有害物質の濃度も高くなっている可能性があるという考え方です。

室内の二酸化炭素濃度を1000ppmとし、外気の二酸化炭素濃度400ppmとして、一人当たりの二酸化炭素発生量を20L/hとしますと、必要換気量は以下の計算で求められます。
0.020 / (0.001000 - 0.000400) = 約33m3/h
つまり二酸化炭素濃度を基準とした場合の一人当たり必要な換気量は33m3/hです。
そうしますと4人家族の必要換気量は33×4=132m3/hです。

住宅の延床面積が120m2で天井高さが2.4mだとすると、住宅の容積は120×2.4=288m3です。
4人家族の必要換気量は132m3/hですから、換気回数に換算すると132÷288=0.46回/hです。
そのため、住宅に必要換気量は約0.5回/hとなります。

これが住宅の必要換気量が0.5回/hの根拠なっているようです。
本来住宅内の人数や住宅の容積などによって換気回数は変わりますが、最低限の必要換気量を0.5回/hとし、後は必要に応じて換気量を増やすということになります。


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