機械換気が付いていれば安心?

現在住宅に換気システムの設置が義務化されています。
機械換気システムを設置すれば、24時間必要換気量が確保され、住宅内の空気はきれいな状態が保たれます。
ただし、これは正しく設計され、設置後のチェックが行われ、定期的なメンテナンスが行われているということが前提です。

正しい設計

住宅に必要な換気量は、基本的には換気回数で0.5回/hです。
これは1時間に住宅の半分の空気を入れ換えるということです。
そのため、まず換気回数にあったファンを選択します。
たとえば住宅の容積が300m3で換気回数が0.5回/hですと、1時間に必要な換気量は150m3/hとなります。
ただ150m3/hのファンを設置するだけでは換気量は不足します。
換気量はファンの能力だけでは決まらず、いろいろな抵抗を受け換気量は減ります。
たとえば、ダクトを接続するとダクトが抵抗になりますし、ダクトは細いほど抵抗が大きくなります。
また、曲がりや分岐があると抵抗が大きくなります。
そのため、換気システムを設置するためにはシステムの圧力損失(換気システムの抵抗)を計算し、必要な換気量が流れるかを確認しなければなりません。
これが換気システムの設計です。

換気システムを設置する場合は、ファンの能力だけでは換気量は決まらないため、必ず設計が必要になります。
特に日本では設置スペースの関係で細いダクトを使用したり、フレキシブルダクトを使用したりしますが、これらは圧力損失が多くなりますので注意が必要です。

設置後のチェック(風量測定)

前述の通り換気システムを設置する前には設計が必要です。
ただ、設計をしたら設計通りに風量が流れるかというとそういう訳ではありません。
施工時のずれやフレキシブルダクトの曲がりなど、様々なことが換気量に影響します。
また、排気口の排気量のバランスにより、一つの排気口では多くの換気量があるのに、もう一つの排気口からはほとんど換気が行われないということもよくあります。
そのため、換気システムを設置したら、各排気口から設計通りの換気量が流れているか確認する必要があります。
通常換気量の確認には風量測定器というものを使用します。
風量測定器を各排気口に宛て、それぞれの換気量が設計通りに流れているか確認します。
そして、換気量の合計が住宅の計画換気量になっているかを確認します。
設計通りに風量が出ていない場合は、各排気口の風量を調整しバランスを取る必要があります。

定期的なメンテナンス

換気システムは定期的なメンテナンスが必要です。
換気システムにはフィルタが付いていますが、フィルタが目詰まりするとそれが抵抗になり換気量が少なくなります。
そのため、定期的に掃除が必要です
また、ファン自体にもほこりがつきますが、ほこりが付くと重くなり、それも換気量が減る原因になります。
特に第1種換気は給気側のフィルタが目詰まりしやすいので注意が必要です。
特に細かなフィルタを使用している場合は頻繁な掃除が必要です。

第3種換気の場合は排気のみファンを使用するため、通常目の細かいフィルタは使用しないため、第1種換気よりもメンテナンスは簡単になります。
ただ、給気口のフィルタの掃除は必要ですし、ファンにはほこりが付きますので、定期的なメンテナンスが必要なことに変わりはありません。
定期的な掃除を行わないと換気システムに負荷がかかり、換気不足、故障の原因になりますので定期的に掃除することを忘れないでください。

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