住宅にはどの換気システムがいい?

前回換気システムの種類について書きました。

ではどの換気システムを選べばいいのでしょうか。
換気システムは種類により一長一短があります。

換気システムが義務化された当初は、設置が簡単なことからノンダクトでプロペラファンの換気システムを各部屋に設置するところが多かったように思います。
このシステムは設置は楽なのですが、換気の目的(空気をきれいな状態に保つ)を考えた場合、風による影響で換気量が安定せず、空気のよどみもできやすいという欠点があります。

ダクト式の第1種換気、第3種換気は換気量が安定し、空気のよどみもできづらいのですが、正しく換気するためには換気システムの設計が必要です。

換気システムの設計

換気システムの設計とは、ダクトの径・長さ、曲がり、分岐などから、どのダクトにどのくらいの風量が流れるかを計算し、ダクトやファンを選択することを言います。
ダクトの抵抗が大きいと、いくらファンを回しても少しの空気しか流れません。
そうすると換気量が不足します。

ダクトを設置するためにはスペースが必要ですが、日本の住宅は天井などのスペースに余裕がなく細いダクトを使用することが多いのですが、そうしますと抵抗が大きくなります。
また、フレキシブルダクトを使用すると曲がりが多くなるので抵抗が大きくなります。
分岐も抵抗が大きくなります。
このように様々な要因が換気量の抵抗になりますので、事前に設計で計画通りの換気量が確保できるかを確認することは重要です。
そのため、第1種換気、第3種換気システムを選択する場合は、換気システムの設計をすることが前提になります。

お勧めの換気システムは?

ダクト式の第3種換気は、給気はダクトを使用せず、排気のみダクトを使用してシロッコファンに接続します。
そのため第1種換気よりもダクトの設置は楽になります。
また、フィルタの掃除なども第1種換気ほど頻繁に行う必要はありません。
このようなことから、個人的な意見ではありますが、多くの住宅にはダクト式の第3種換気がいいのではないかと思います。
ただし、第3種換気の場合は、高気密住宅でないと換気の効率が悪くなるということは覚えておきましょう。
気密性が低いと風の影響を受けやすくなり、すき間からすき間に抜ける漏気も増えますので、せっかく第3種換気を設置しても換気量は安定しません。


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