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禅にとらわれるな

禅にとらわれるくらいなら、禅はしない方が良いです。
臨済宗とか曹洞宗とか、はたまた人間禅とか、区別しないで坐ることが大切です。
こだわらなければ、その人の「気性」だけが残ります。なんとなく臨済宗が合う、曹洞宗が、人間禅が、といった風に。そうなった時にはじめて、自分はこだわりを捨て、かつ他からはこだわりを持っているように思われるでしょう。それが理想です。
臨済宗には臨済宗の、曹洞宗には曹洞宗の良さがあります。どちらに軸足を置くか決めかねるかもしれません。ならば欲張って両方やるか、何もしないかです。やれ看話禅だ、黙照禅だと罵り合う必要はありません。
いろいろな家風に触れることのメリットは、多角的に禅をとらえることが出来るということです。一方、最終的には一宗一派に身を置く必要も出てきます。その時選ばれるのは、どちらかと言えば消去法で選ばれた自分のご縁になってくるでしょう。
修行が一段落して振り返った時に、結局どの縁が一番太かったのかわかります。その自分のご縁に、胸を張って修行を続けていきたいものです。


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