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女の子が男の子に変えられる子供の悲劇 / ジェイソン・モーガン&我那覇真子『LGBTの語られざるリアル』より【前編】

ご覧いただきありがとうございます。
この記事では11月16日発売のジェイソン・モーガン氏と我那覇真子氏による書籍『LGBTの語られざるリアル』より、第1章の一部分を前編と後編に分けて公開いたします。


洗脳によりトランスジェンダーにさせられる子供たち


我那覇 さてまずはじめに、LGBT「先進国」アメリカの現状を知っていただくため、私がインタビューした方のお話を紹介したいと思います。

モーガン お願いします。

我那覇 LGBT問題は、カリフォルニア州が一番過激な路線を走っています。だからカリフォルニア州は、子供を守るための親たちの活動が盛んなところでもあります。なかでも活発な団体の一つ「Our Duty(私たちの責務)」の代表の一人であるエリン・フライデーさんに伺ったことです。
彼女の娘さんはコロナ禍前、11歳のときに学校で1時間、性教育の授業を受けたそうです。そこでLGBTにまつわるイデオロギー的な用語などを、先生たちから教えられたのです。
その後、コロナ禍によって通学できなくなり、オンラインで授業を受ける時間がかなり増えます。さらにネットで知り合った人たちにかなり洗脳され、自分を男だと思うようになってしまったのです。
お母さんがそのことに気づいたのは、学校からのメールを見たときです。娘なのに名前が男名になっていた。代名詞も「she」ではなく「he」になっている。そこで娘の身に起きていることに気づくのです。

モーガン 女の子なのに男の子扱いされているのですね。

我那覇 エリンさんによると思春期の子供はいろいろな悩みを抱えるので、自我を確立するまで不安定になることもある。それが子供が自分の性別を倒錯する、根本の問題だそうです。そこで学校のカウンセリングを受けさせるのですが、母親が娘を「息子」と認めないのは虐待だと言われてしまう。さらには、家に警察と児童相談所の担当者までが来ることになるのです。
幸いに、エリンさんは弁護士でもあり、こういうときの反撃法がわかっていたので、何とか娘を守ることができました。しかし、同様のことが起きた別の家庭では娘さんが自殺してしまったケースもあるといいます。
エリンさんは現在、トランスジェンダーから元の性に戻るために再手術した人たちのケアなどもしています。彼女によると、20年前はトランスジェンダーの子供なんて聞いたことがなかった。それがこの20年で症例が5000%も増えていると。あたかも感染症みたいに、どんどん広がっているそうです。

モーガン 症例が、加速度的に増えている。精神的な感染症もあるのですね。

我那覇 これは学校の影響が大きいです。たとえば自分の性に違和感を持ったり、女の子用の服が好きな男の子を「女の子が好むものを好きな男の子」という形で扱うのではなく、「あなたは、じつは女の子じゃないの?」という方向に誘導するのです。
そして親に黙ってLGBTの団体に連れていき、「あなたの居場所はここよ。私たちはあなたと同じ気持ちを持っています。みんなでグループカウンセリングをしながら、本当の自分になりましょう」「認めない親はあなたの敵です。あなたの本当の家族はここにいます。私たちは新しい家族になりましょう」などと言って、どんどん洗脳していくのです。

モーガン 親が知らないうちに洗脳が進んでいくのですか、怖ろしい。

我那覇 そこには医者もいて「手術をすれば、すべての悩みは消えます」と言って、まずは思春期ブロッカーという二次性徴を抑制する薬を投与します。本来は思春期になって二次性徴が起こると生殖器系が発達し、女の子なら子供を産むための丸みを帯びた体になっていき、男の子なら筋肉質になったり骨格が頑丈になるなど、たくましい体になっていきます。それを薬によって止めてしまうのです。
この処方は不可逆的なもので、長期的影響の研究は十分になされてはおらず、また骨密度や脳の発達に悪影響を及ぼすことが指摘されています。思春期ブロッカーは正式名称を「GnRHアゴニスト」と言いますが、実はアメリカのFDA=食品医薬品局では性別違和への投与は承認をされておらず、つまり“実験的”なのです。ところが「やめたければ投与をストップするだけで、元どおりになるから大丈夫」と噓をついて投与するのです。
医者はまず思春期ブロッカーを投与し、それから男の子なら女性ホルモン、女の子なら男性ホルモンを投与します。挙げ句の果てに、男性器や乳房の切除手術を行ったりもするのです。
 
モーガン そこまで来たら本当に取り返しがつきません。残酷すぎます。
 
我那覇 エリンさんによると娘さんはコロナ禍で通学しなくなったとき、オンラインでアニメを見る機会が増えたそうです。海外に行くと、よく「アニメは大丈夫か?」とアニメを敵視する声を聞きます。このことを私は不思議に思っていましたが、じつはアニメは、この闇に深く関わっているのです。
アニメは絵ですから、ものすごくウエストの細い女の子など、現実にあり得ない体をいくらでも描けます。思春期で体が女性的になったり男性的になったりするときに、現実とかけ離れたアニメの絵を見て自分の体型にコンプレックスを抱く。自分の体だけでなく、自分自身まで嫌いになるといったケースもあるのです。
そうして自分を否定するようになった子供に、LGBT活動家が「あなたは本当は男性なのよ」「本当は女性なのよ」などと言って近づく。変態的なアニメを送ってくることもあるそうです。

モーガン 誰が送るのですか。
 
我那覇 友達やLGBTの活動家です。「お母さんは敵。わかってくれないけれど、私たちは同じ気持ちだから」などと言う人が、性的に卑猥なアニメを送ってくるのだそうです。

「私の娘はジェンダーイデオロギーによって殺された」


我那覇 もう一つ子供たちに悪影響を与える存在として、インフルエンサーと呼ばれる人たちがいます。カーダシアン家の一員で、オリンピックの金メダリストでもあるケイトリン・ジェンナーもその一人です。

モーガン “お騒がせセレブ”で知られる一族ですね。

我那覇 彼は突然「自分は女性だ」と言いだし、女性の格好をしだしました。彼の発言はマスコミで取り上げられることも少なくありません。発言内容は保守的なところもありますが、トランスジェンダーとして振る舞う姿は子供たちにとって害悪です。

モーガン 彼は資本主義の権化で、ドナルド・トランプ前大統領のことを支持しています。でも彼の発言は明らかに矛盾していて「私の役割は過剰なトランスジェンダーを批判することです」などと言いつつ、長い髪のかつらを被って女装している。

我那覇 このようなインフルエンサーが「勇気を持って本当の性になった自分」といったキャラクターを演じる。インパクトがあることは確かで、彼はカリフォルニア州知事選挙にも出馬宣言していました。

モーガン でも結局、諦めたみたいですね。よく考えると、そういう目立ちたい人は、女装したり、選挙に出馬したり、常にカメラの前に居たりしたいようです。トランジェンダーというのは、一種の「注目されたい」タイプでしょうか。

我那覇 はい。そうした人たちの影響を受けて、エリンさんの娘さんは、学校では名前や代名詞を変えられ、挙げ句の果てに、警察や児童相談所の担当者が親に通告に来たのです。その後エリンさんは、娘からスマホを取り上げ、ネット環境から隔離して旅に出たそうです。
仕事も辞めて、1年以上自然を見に行ったりするなどして、現実離れしてしまった娘を、現実の世界に戻そうとした。それでどうにか助かったのです。

モーガン そこまでやって、ようやく娘さんを助けることができた。本当によかったですね。

我那覇 さて、もう一人ご紹介したいのが、アビゲイル・マルティネスさんというお母さんです。娘さんがトランスジェンダーとなり、最後は電車に飛び込んで自殺するまでに追い込まれてしまいました。
エリンさん同様彼女は『ジェンダー・トランスフォーメーション:性別移行の語られざる現実』というドキュメンタリー番組(大紀元製作)にも登場しています。子供がどのように勧誘され、どのような大変な目にあったか。それによって母親がいかに苦しんだかを描いたものです。
カリフォルニア州上院司法委員会の公聴会でも2分にわたって証言をしているのですが、その翻訳を紹介します。

娘のジェイリを亡くして3年と164日が経ちました。毎日娘を恋しく思っています。
どのようにして娘がこの世を去ったのか、お話しします。
私の娘はジェンダーイデオロギーによって殺されました。
16歳のときに児童保護サービス(児童相談所)に連れて行かれました。これはスクールカウンセラーとLGBTQ団体、そして別のトランスジェンダーの女の子の共謀によるものです。

娘の性自認を認めなかったことをもって、カリフォルニア州は私が児童虐待をしていると主張し、娘は自分の愛する家から引き離されたのです。名前と代名詞を変えられ、私は娘を失いました。しかし私が彼女を男性の名で呼ぶことを約束しても、それだけでは十分ではありませんでした。
私の娘は、けっして女の体に縛られた男の子ではありません。彼女は精神的な問題を抱えていたのです。私の意思に反して、娘はセラピーの代わりにテストステロンを投与されました。LGBTQ団体は彼女を資金集めに利用したのです。彼らはこう言いました。

『見てください、このかわいそうなトランスの男の子を』

なぜ児童擁護施設には、トランスジェンダーがたくさんいるのでしょうか。それは政府が家族から子供たちを取り上げるからです。子供たちに家出をそそのかし、子供をさらっていくのです。親に与えられる選択肢はただ一つ、薬剤治療を認めて健康的な子供の体の該当部分を切断すること。そうしなければ子供を失うのです。
私に対する児童虐待の主張は最終的に取り下げられましたが、時すでに遅しでした。ダメージはすでに施されてしまっていました。娘はひどい精神状態に陥り、肉体的にも痛みで苦しんでいました。娘は電車の前で跪きました。ジェンダーイデオロギーに殺されたのです。

お願いです。ジェンダーイデオロギーを押しつけるのはやめてください。他の親が私が毎日感じていることを感じてほしくないのです。ジェンダー倒錯の肯定は、どんな子供にとっても健康、社会福祉によくありません

子どもの政治人を認めない親は親権が剝奪される


我那覇 この証言は、カリフォルニア州で実際に通過しようとしている法律に反対する立場からなされたものです。その法律とは家族法の親の義務に関するもので、親に対して子供の性自認を認めることを義務化しようとしているのです。

モーガン 息子が「自分は女だ」と言ったとき、親は必ず認めなければならないということですね。認めなければ連れ去られてしまう。カリフォルニア州知事のギャヴィン・ニューサムが、その法律の制定を拒否して、土壇場で法律が成立しなかったので助かりましたが、それは多分、ニューサムが大統領になりたいからもう少し中立に見えるような振る舞いがしたかったこともあるでしょう。しかし、カリフォルニア州の極左の政治家がこれで諦めず、より一層激しい取り組みに変わるに違いないので、今危機一髪で危険を免られましたが、今度はもっとひどい法案が出て、それが実際に法律になるでしょう。
アメリカ合衆国司法省のトップである、メリック・ガーランドアメリカ合衆国司法長官は、バージニア州で教育委員会などが推している極左の「教育」に反対する両親を「国内テロリスト」として指名するように指示しました。このことを考えると、アメリカの自称エリートが全面的に両親・子供の絆を壊そうとしていることがわかります。その勢いは和らぐことがなく、これからますますエスカレートするだけです。

我那覇 具体的に考えられるケースとして、たとえば両親の離婚に際し、親権争いが生じたときです。子供が「自分はトランスジェンダーである」と言った場合、一方がその性自認を認めると言えば親権を取れるのです。逆に認めないと言えば、親の義務を果たしていないとして親権を奪われてしまう。マルティネスさんたちはこれをストップさせようとしているのです。

モーガン やはり、ニューサムの政治パフォーマンスはカリフォルニア州のジェンダーの行き過ぎにブレーキをかけられないですね。実際カリフォルニア州におけるLGBT問題は、どんどん過激化しています。

我那覇 カリフォルニア州には“トランスジェンダー難民法”と呼ばれる怖ろしい法律もあります。アメリカの州には子供の性自認による医療介入を認めていないところもあります。そういう州の子供や家族がやってきた場合、「子供の性自認を認め、保護します」というわけです。カリフォルニア州はトランスジェンダーのサンクチュアリ(聖域)になるというわけで、要は家出を唆しているのです。あるいは精神的におかしな親で自分の子供を積極的にトランスにしようとする親を匿い援助するということも意味します。
立案したスコット・ウィナーカリフォルニア州上院議員自身はゲイで子供はいません。ですから法案に反対した親たちからは、人の親になったこともない人間に親権に関わる重要な事柄を一方的に決める資格はないと非難されています。法案の共同提案者には前述の中絶ビジネスで有名な全米家族計画連盟も加わっています。公式サイトにはトランスジェンダーホルモンセラピーサービスとして思春期ブロッカー、エストロゲン、テストステロンホルモン治療も提供していると書かれています。LGBT問題の裏にある巨大な産業の存在を公にしていかなければなりません。

モーガン それを州という公的機関がやるのだから、とんでもないことです。

我那覇 ではやって来た子供たちがどうなるかというと、自活できる経済力がないのでホームレスになる可能性が高い。挙げ句、性産業に引っ張られ、小児性愛者たちに買われることになるのです。これはすでに起きていることです。

モーガン 確かに人身売買はアメリカで盛んになっています。とくにメキシコやハイチ、中央アメリカ、ベネズエラなどから、いろいろな組織が入ってきています。
現地でレイプされて逃げてきた女性もいて、やっとの思いでアメリカに辿り着くと、今度はマフィアやギャングに捕まって売春婦にさせられる。あるいはギャングのリーダーの持ち物になる。人身売買されることもあり、もう地獄です。そこに今度は、子供たちまで巻き込まれようとしているのです。

あと、もう一つの人身売買制度としては、LGBTイデオロギーがあります。それは、ギャングがやっていることと同じく、子供を親から奪うことです。まずは「私たちはあなたの本当の家族です」などと甘いことを言って、子供を親から奪い取る。それは、「自殺防止」など子供のためだと綺麗事は言うけど、結局全てがイデオロギー、つまりカルトのためです。家族、親戚のようなケアを一切しないのです。
奪われて完全に孤立化した彼女、彼らがホームレスになっても、LGBT活動家たちは探しに行ったりしません。その子がどんな目にあっても関与しない。これがカリフォルニア州で起きていることで、カリフォルニア州の政治家がそれを促しているというのは、ひどいという以上に、怖ろしいです。明らかに子供を性産業のターゲットにしています。

我那覇 医者も手術を終えたあとの経過観察をしません。ふつうなら患者が術後何年目にどうなっているかを調査しますが、それをやらないのです。手術はけっこうなお金になるので、悪徳な医者の金儲けの手段になっている面もあると、先ほどのエリンさんは言っていました。
あるときエリンさんは試しに「私は15歳ですけど、ホルモン治療がしたいです」と、某クリニックに問い合わせをしたことがあるそうです。すると「18歳以上しかホルモン投与はできません」という返事が来た。
ところが後日「いいニュースがあります」と製薬会社からメールが来て、「ニューヨーク州では15歳でもホルモン治療ができます」と。

モーガン 完全にビジネスになっていますね。世も末です。

\ 後編に続く /

著者


ジェイソン・モーガン
1977年、アメリカ合衆国ルイジアナ州生まれ。テネシー大学チャタヌーガ校で歴史学を専攻後、名古屋外国語大学、名古屋大学大学院、中国昆明市の雲南大学に留学。その後、ハワイ大学の大学院で、東アジア学、特に中国史を専門に研究。2014~2015年、フルブライト研究者として早稲田大学法務研究科で研究。2016年、ウィスコンシン大学で博士号を取得。一般社団法人日本戦略研究フォーラム上席研究員を経て、2020年4月より麗澤大学国際学部准教授。著書に『リベラルに支配されたアメリカの末路』(ワニブックス)、『アメリカン・バカデミズム』(育鵬社)、『バチカンの狂気』(ビジネス社)、『日本が好きだから言わせてもらいます』(モラロジー道徳教育財団)などがある。

我那覇真子(がなは・まさこ)
1989年沖縄県生まれ。早稲田大学卒、フリージャーナリスト、予備自衛官。「琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会」代表運営委員、参政党外部アドバイザー。著書に『日本を守る沖縄の戦い―日本のジャンヌダルクかく語りき』(アイバス出版)、翻訳書に『ブラックアウト―アメリカ黒人による、“民主党の新たな奴隷農場"からの独立宣言』Candace Owens著(方丈社)がある。
YouTube「我那覇真子チャンネル」はチャンネル登録者数26万人。

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