SCP理論について
こんにちは、事業計画研究所です。
本日は、「SCP理論」について記載したいと思います。
現在の経営戦略のフレームワークの土台になったともいえる理論ですので、ぜひ最後までご覧ください!
SCP理論とは
SCP理論の歴史は古く1930年代から産業組織論として、提唱されています。
”Structure-Conduct-Performance”(構造-遂行-業績)のそれぞれの頭文字をとって”SCP"とされています。
業界の構造(Structure)が企業の行動(Conduct)を決定づけ、その行動(Conduct)が企業の業績(Performance)を決定づけるという主張です。
すなわち「業界構造」が「企業が儲かる・儲からない」を決めるということです。
これらの業界構造的な「儲かりにくい:完全競争)と「儲かりやすい:完全独占」の違いを説明するための理論です。
完全競争とは・・・
条件1:市場に無数の小さな企業がいて、どの企業も市場価格に影響を与えられない。
条件2:その市場に他企業が新しく参入する際の障壁(コスト)がない。その市場から撤退する障壁もない。
条件3:企業の提供する製品・サービスが、同業他社と同質である。すなわち、差別化がされていない。
すなわち、「どの企業も価格を変えることができず、無数の企業があり差別化できない」状態の市場をいいます。
ほかにも詳細には2つ条件がありますが、今回は割愛します。
完全独占とは・・・
完全競争の条件の反対であることを言います。
条件1:市場に1社しか存在せず、市場価格をコントロールすることができる。
条件2:その市場に他企業が新しく参入する際の障壁(コスト)が高く、撤退の障壁も高い。
条件3:条件1の反例から、市場に1社しか存在しないため、そもそも差別化が必要ない。
実際には完全独占の条件を満たす企業はなく、完全競争との狭間で、完全独占に限りなく近くなるように戦略や経営を組み立ています。
マイケルポーターによって提唱された経営戦略
マイケルポーター教授により、これまで経済政策などで活用されていたSCP理論を経営戦略の分野に持ち込んで活路を見出します。
それが、「企業の業績」から「業界の構造を変化させる」という逆説的な発想による戦略です。
それらが有名な「5フォース分析」や「ジェネリック戦略」といったものになります。
企業の業績はそれぞれのパフォーマンスや生産性なども含まれており、それらが類似した企業は同じ戦略グループを取るという考え方です。
例えば、「ニトリ」と「大塚家具」のような違いです。
「ニトリ」はお値段以上という価値を顧客に提供しており、「安くて良品質」という戦略をとっています。
「大塚家具」は高級志向向けとして、「値段は高いが、最高品質」といういわゆるブランド価値に重きを置いて高所得者層をターゲットとして事業展開しています。
これらは当然ですが、違う戦略グループを形成しておりそれらが違いに代替が効かない「移動障壁」になることが独占につながると言うことです。
これらが「規模の経済」「バリューチェーン」と言われる他社との差別化を図り収益性を向上させる源泉となります。
そして、そのような事業戦略の違いが
ポーター教授によって3つの基本戦略(ジェネリック戦略)として提唱されました。
・コスト・リーダーシップ戦略
・差別化戦略
・集中戦略(コスト集中・差別化集中)
本日はここまで!!
SCP理論は古典的な経済学の考え方であり、現代では理論の限界を迎えている節もたくさんあるといわれています。
しかし、思考の基礎的な考え方としてSCP理論を有しておくことは重要です
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