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蚤の夫婦:ノミのふうふ #192 辞書の生き物

蚤の夫婦

 妻が夫より大柄な夫婦のことを表す慣用句です。
実際の蚤も一般的にメスの方がオスより体が大きいです。
ネコノミの場合、オスは1.2mm~1.8mm、メスは1.6mm~2.0mmの大きさのようです。

 日本人の場合、平均身長は戦後の栄養状態の改善などで伸び続け、高齢者を除けば、男性は170cmを越え、女性も160cm近くになってきました。
平均では男女の身長差が10cm以上ありますので、確率的には蚤の夫婦は多くはないでしょうか。

 ユーミンの「5cmの向こう岸」という曲では、女性の方が背が高く別れてしまったという失恋が歌われていますが、身長差が愛の垣根を生むこともあるのかもしれません。

鮟鱇のつるし切り

  メスの方が体が大きいのは、蚤に限らず、アリハチカマキリワシなどの猛禽類などでも見られますし、究極は魚の鮟鱇(アンコウ)でしょう。
 つるし切りで解体されるアンコウはメスです。
アンコウのオスはメスの体の10分の1ほどしかなく、メスを見つけるとその体にかみついて寄生する形になり、栄養をもらいながら最後はメスの体に吸収されてしまいます。吸収されて精子を渡すことで子孫を残します。
 深海でなかなか出会わないメスを逃すまいという涙ぐましい生存のための行動です。


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