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迷える羊:まよえるヒツジ #134 辞書の生き物

迷える羊
 人間をヒツジにたとえたもので、人はみな、弱くて罪深い存在であるという意味の言葉です。「迷える子羊」という表現でも使われます。
 新約聖書に由来する言葉で、キリスト教では、信者のことを「羊」、「子羊」と表現することがあります。

 イエスはたとえ話で「飼っていた100匹の羊のうち1匹がいなくなったら、残りの羊を置いてでも、いなくなった羊を探しに行き、見つかったら喜ぶはずだ。同様に、罪深い一人が悔い改めたら、他の正しい人たちにも勝る喜びが神にはあるだろう」という神の慈悲深さを説いたとされています。

 我々人間は、弱く迷いが多い存在です。
夏目漱石の「三四郎」の主人公も、思いを寄せる美女から迷子の英訳としてストレイシープ(stray sheep:迷える羊)を教わりますが、明治の新時代を迎え、自分の進むべき道や恋愛などで迷っていた三四郎の気持ちを言い当てた言葉だったかもしれません。
 若いうちは大いに迷い悩んでよいでしょう。40歳で不惑の年を迎えるまではでしょうか。

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