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辞書の生き物 #295 虫垂:ちゅうすい

虫垂

大腸の盲腸の先にある細い袋状の突起部のことで、小指のような形状です。芋虫がぶら下がっているようにも見えることから「虫」が「垂れる」袋というイメージで「虫垂」と命名されたようです。

虫垂ヒト類人猿にはありますが、サルは持っていません。
草食動物では植物の消化で大事な役割を持っていましたが、ヒトではその機能は限定的なものとなり、大きさも激減したとされています。

虫垂は英語で「appendix」で、その意味は「おまけ、付録」になります。
盲腸の先におまけのようにぶらさがっているだけの組織だと思われたための悲しい命名ですね。

それでも役割がなくなったわけではなく、免疫機能を持っていると言われています。

ここが炎症をおこすと、いわゆる「盲腸炎」もしくは簡単に「盲腸」と呼ばれる病名になりますが、正しくは「虫垂炎」です。

昭和世代は、右わき腹が痛いというと「盲腸だ」というくらいで、手術も多かったイメージですが、最近は周りで「盲腸」だというひとを聞かなくなりました。
免疫機能を持っているとされたため、現在では手術で切除するのではなく、薬での温存療法が進んでいるようです。




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