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うさぎ小屋 #147 辞書の生き物

うさぎ小屋

 前回の「ネコの額」は庭などの狭さを言う表現ですが、うさぎ小屋とは、日本人の狭い住居を表す言葉で、日本人が自嘲的に使うことが多い表現でした。

 1970年代に当時のヨーロッパ共同体が出した日本に関する報告書の中で、日本人の住居が「うさぎ小屋:rabbit hutch」と表現されたことに由来します。
 この表現を日本では「狭い家」だと揶揄されたように解釈し、そのイメージが広まってしましました。

 高度成長の掛け声とともに、都市部では団地の建設が進み、1960年代には埼玉には「アジア1でかい団地」がありましたし、東京では「多摩ニュータウン」が1971年にオープンし、都市型集合住宅として注目を集め、多摩市の人口も急増しました。

 これらの団地に住む日本の住宅事情について、ヨーロッパ共同体はウサギ小屋と書きましたが、これはフランスのウサギ小屋という表現を使ったもので、「狭くて画一的な都市型集合住宅」を意味する言葉でした。

 狭いということには変わりはありませんが、集合住宅に住んでいるという点ではフランス人と変わらないというイメージだったようです。

 ただこの報告書で追加されていた日本人についての記載では、「Workaholic仕事中毒)の国だ」と指摘していた点で、フランス人の生活ぶりとは異なります。
 「24時間戦えますか」という歌が流行っていたころもありました。

 

 


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