千鳥足:ちどりあし #112 辞書の生き物
千鳥足
水辺で見かける千鳥は歩き方に特徴があります。足を左右で交互にクロスするように踏み違えてすばやく歩きますが、そのジグザグに歩く足つきのことを千鳥足と呼びます。特に、酒に酔ってふらふらと歩く様子を表す慣用句となっています。
フラフラと千鳥足で歩く状態は、酔っ払い度は酩酊期あたりでしょうか。血中のアルコールの濃さによって次のように酔いが進んでいくとされています。
爽快期:少し陽気になって顔が赤くなる人もいます
ほろ酔い期:さらにハイになってにぎやかになる人がでてきます
酩酊期:このあたりから千鳥足状態になります
泥酔期:いわゆるベロンベロンな状態でまっすぐ立っていられなくなります
昏睡期:反応が鈍くなり意識がなくなります。急性アルコール中毒が心配されます
泥酔では「泥」が使われますが、酔っ払いのぐにゃぐにゃした身体の様子が泥っぽいというわけではありません。
「泥(でい)」は、中国の「異物志」にでてくる海に住む空想上の虫のことで骨がなく、陸上では泥水のようにグニャグニャな状態です。この様子が酔っ払いに似ているとして、「泥酔」という言葉が生まれました。
「泥のように眠る」の「泥」も同じ虫に由来する慣用句です。
コロナ禍でリアル飲み会が減っていますが、ほろ酔い状態くらいでとどめる飲み方をしたいものです。百薬の長とも言われるお酒ですが、飲んでも飲まれるな、飲みすぎには気を付けましょう。