教科書販売時の混雑、どうやって改善した?
事例紹介
■ 教科書販売時の混雑とその影響
X大学生協では、新学期の時期になると大学内に教科書販売会場が特設され、毎年大勢の学生が来店していました。多いときは1日数百人ほどが来店し混雑する中で教科書の受け渡しをおこなっていました。
大学生協は、学生の授業が始まるまでの短期間で、すべての学生へ教科書受け渡ししなければなりません。学生スタッフのアルバイトも配置し、大量の教科書を短期間で渡していました。
毎年、学生は受け取りに時間がかかり、生協スタッフは業務負担が大きくなっていました。コロナ禍で混雑緩和が必要になったことがきっかけとなり、業務改善も含めた教科書販売サービスの改修に乗り出しました。
■ Web受付と店舗設計の最適化
<混雑の緩和>
大学生協は新たな取り組みとして「教科書販売サービス」を導入し、Web上で教科書注文を受け付けられるようになりました。このサービスを使うことで、来店人数が把握でき、混雑を防げるようになりました。
学生も自分の都合の良い時間に来店予約ができ、スムーズに教科書を受け取ることができるようになりました。オンラインでの決済機能により、学生は現地で教科書を受け取るだけでよくなりました。
<成功の要因>
もともと利用していた教科書販売サービスの改修する際に、店舗での動きも再設計しました。
教科書を事前にピッキングしておくのか、受け渡しの際に欠品があった場合はどうするか、支払いは来店時にもできるようにするのか、など。受け取りを効率化するための店舗設計にも取り組みました。
実際の店舗設計の工夫としては
事前準備として翌日来店予定の教科書を受け取り番号順に並べる
当日は受付場所を明確にする
支払い済み(受取のみ)と来店時に支払いをする学生の並ぶレーンを分ける
などの工夫もしました。教科書販売サービス側では、運用で柔軟に工夫できるよう、必要な部分は汎用的につくることも大切にしました。スムーズに受け渡しができるような店舗設計と人員配置があってこそ、システムも効果を発揮するのです。
■ 教科書受け渡しの効率化と混雑の緩和
このような取り組みの結果、教科書の受け渡し効率は大幅に向上しました。
具体的には、10分間での受け渡し人数が従来の1.5倍に増加しました。
大学生協は学生のためにすばやく大量の教科書を渡すことができるようになり、学生へのサービス向上にもつながりました。
■ 事例のポイント
この事例から学べるポイントは、以下の3つです。
事前の来店予約とオンライン決済の導入により、教科書の受け渡しがスムーズになったこと。
Webでの注文と受け取り日時の指定により、混雑が緩和されたこと。
店舗の導線設計とシステムの活用により、全体の効率が向上したこと。
これらの取り組みを通じて、大学生協は学生の利便性を向上させただけでなく、自らの業務効率も大幅に向上できました。
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