法改正によるシステム調整はどうする?【インボイス&電子帳簿保存法】
事例紹介
X大学生協では、毎年3月に学内合同企業説明会を開催しています。
しかし、今回は2つの大きな法改正があり、窓口となるX大学生協では不備のないよう早めに準備を決意し、システム会社であるS社に相談しました。ここからは、実際の取り組みを紹介します。
■インボイス制度への対応
3月に行われる合同企業説明会に向け、各参加企業は、通例、X大学生協に、11月に参加費用を入金します。
しかし、2023年は10月にインボイス制度がスタートしたため、11月の入金開始前に、X大学生協では請求書をインボイス対応にする必要がありました。
そこで、依頼を受けたS社は、請求書のフォーマットをX大学生協の適格事業者登録番号記載のものに変更し、インボイス対応の請求書を実装しました。
■ 電子帳簿保存法への対応
電子帳簿保存法とは、2024年に義務化された「電子取引のデータ保存の紙保存を原則認めない」法律です。
X大学生協では、合同企業説明会の参加費を各企業に請求するため、電子帳簿の保存・保管をスムーズに行う必要がありました。
そこで、システム会社のS社に相談し、以下のシステム変更を行いました。
変更前のシステムでは、一括ダウンロードができなかったため、ひとつひとつダウンロードしていたところ、一括で「管理しやすい」請求書がダウンロード可能となりました。
■ 担当者の実務・精神的負担を同時に減らす
X大学生協では、合同企業説明会の担当が実質1人だったので、担当者の負担がそもそも大きい状態でした。加えて、今回は2つの大きな法改正があったため、担当者の気苦労や不安も昨年よりも大きい状態です。
そこで、S社が「一括ダウンロード」や「管理しやすい請求書タイトル生成」をシステムに組み込むことで、担当者の負担は解消され、本来の仕事である合同企業説明会にコミットできるようになりました。
■ 事例のポイント
今回の事例のポイントは、以下の3つです。
今回は、インボイス制度と電子帳簿保存法の改正によって、請求書の仕様変更がありました。請求書発行・保管方法が変更となることで、従来と同じ方法では業務ができなくなることもあります。使い慣れたシステムの仕様が変わることで「これからどうなるんだろう?」という現場の不安の原因にもなります。このような時、事前に「システム導入後」のイメージを共有することで、担当者の不安を解消し、精神的な負担を減らせます。
一方で、請求書の管理で予想される名称の管理やダウンロードの問題は、先回りして見つけていくことで、担当者にとって「すぐ使える」システムにもなり業務負担が減ります。実際にシステムを使う方の立場に立った開発が、今後とも重要だと感じた事例でした。
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