「B」か「C」か問題
ビジネス系の講師をしていると、
同じような方と対話するときにこんな話題になることがある。
「B」か「C」か。
ブラジャーのことではありません。
ビジネスの話。
いわゆる「BtoB」か「BtoC」か、という話です。
法人をお客様として活動する講師はBtoBとなるだろうか。
企業の研修を提供したり、コンサルティング会社やシンクタンクが主催する講座の講師として仕事をするような方々のことを指します。
お客様は、法人ということになります。
一方、個人の方を対象として活動している講師はBtoCとなるだろうか。
これから起業を目指す起業家予備軍のためのセミナー、婚活セミナー、コーチングスキルを学ぶためのセミナー・・・・
一般的な個人に向けたコンテンツを提供する講師のことを指す。
お客様は、個人ということになります。
どちらが良い・悪いということはありません。
優劣もありません。
だから講師をしたい人は、やりたいようにやればいい。
「B」の講師でもいいし、「C」の講師でもいいし、「兼務」でもいいわけです。
ところが、講師という活動をしていると、
いろんな「先生」と呼ばれる方々がこのような話をしているのを耳にします。
「いまBtoCの講師やっているんだけど、これからは企業研修もやりたいんだよね」
いいと思います。
やりたいのなら、やればいいと思うのです。
本当に、心からそう思います。
しかし・・・
その理由を聞いて私はとても萎えてしまった。
「やっぱ企業研修の方がフィー(報酬)が高いからね」
「なんかそっちの方がちゃんとした先生っぽい箔が付くからさ」
・・・・・・・・・・
念のため申し上げておくと、私はほぼ「BtoB」の講師です。
なぜかというと、私のコンテンツが「教育」だからです。
ごく普通のビジネスパーソンが「自分を教育したい」なんて思いません。
教育したい、つまり教育サービスを購入したいと思うのは、子供の成長を願う親です。
つまり、多くの従業員(子供)を抱える企業・あるいは経営者(親)なのです。
だから、私は「BtoB」の講師なんです。
研修のフィーが高いから「BtoB」の講師を選んでいるわけではありません。
箔を付けたくて(?)「BtoB」の講師を選んでいるわけではありません。
なぜ先ほどのような理由で「BtoB」の講師をやりたいという思想を聞くと萎えてしまうかというと、
きっとその人たちは私のことを、
フィーの高さや箔付けが理由でやっていると思っているのだろうなと考えるからです。
企業研修をするということは、その企業の問題を解決するコンテンツを持っていることが前提です。
例えばBtoCで活躍しているスピリチュアルの先生がいたとします。
その人物はBtoBで仕事がしたいと思っている。
でもそこでよく考えて欲しいのは、そのコンテンツは企業活動のいったいどんな問題を解決することができるのかということ。
「やっぱ企業研修の方がフィー(報酬)が高いからね」
「なんかそっちの方がちゃんとした先生っぽい箔が付くからさ」
なんて言っている先生方は、たいていこの視点が抜けているように思えてならない。
その専門性は、そのコンテンツは、誰のどんな課題を解決できるものなのか。
「B」だの「C」だのの話は、もうこの1行でおしまいなのです、本当は。
スピリチュアルの先生を否定しているのではありません。
あくまで例に過ぎない。
私はBtoBの舞台に立つための最低限の視点の有無の話をしています。
しつこいようですが、講師なんて仕事は「B」だろうと「C」だろうとどっちでもいい。
どちらも尊いし、優劣もありません。
ただ一つだけわかっていないといけないのは、両者はまったく違うということ。
「BtoB」はその分野の難しさがあり、プロの仕事があります。
「BtoC」はその分野の難しさがあり、プロの仕事があります。
私は「BtoC」の分野で活躍している講師の方を心から尊敬しています。
私には想像もできない難しさがきっとあるでしょう。
だからこそ、安易に、くだらない理由で、
「俺もちょっとやってみよ♪」なんて死んでも言えません。
「おいおい、BtoCのビジネスをナメんなよ」
そう思われるに違いありませんから。
だから、私も同じように思うわけです。
「おいおい、BtoBのビジネスをナメんなよ」
どうしてもBtoBの講師をしたいと思うのなら、
最低限、企業活動のどんな課題をどう解決するのか、それは本当に可能なのか、
エビデンスくらいは用意しないと話になりません。
誰を救えるのかよりも、自分のフィーや箔付けを気にする講師に、
「私はBtoBの仕事もできる」なんて1ミリも思って欲しくない。
そう思っているのは、きっと私だけではないと思いますよ。
くだらないこと考えるのはやめて、
明日もプロフェッショナルとして人の前に立ち、誰かを救う活動をしましょうよ。
「B」も「C」も、そこだけは同じです。
私は「B」と「C」はまったく違うと言いました。
でも訂正します。
「B」も「C」も、そこだけは同じです。
----------------------------------------------------------------
最後までお読みいただきありがとうございました。
国内でただひとり、ビジネス数学教育家。
ビジネスパーソンのための数学教育を提唱し、企業人の育成に貢献しております。
研修。講演。授業。面談。ゼミ。講師育成。
まあ、いろいろやっています。
活動にご興味ある方はこちらへ。
いただいたサポートは、書籍の執筆業務や教育現場での活動を拡大し皆様にシェアする情報をさらに届けるために使わせていただきます! noteの「スキ」やamazonの書評も大きなサポートになりますので、よろしくお願いします。