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謝礼のない仕事

ありがたいことですが、取材やインタビューのご依頼をいただくことがある。

本当に、ありがたいことです。

一方で、インタビューにはたいてい謝礼は出ない。出たとしても極めて少ない金額。別に断ろうと思えば、断っていい仕事ともいえます。ではなぜ私はインタビューを受けるようにしているのか。理由が2つあります。


【1】問い→思考→理解

いまこのnoteを読むような知性ある大人のあなたであれば、「問いの重要性」というものは説明しなくても理解されていることでしょう。

人間は問いをされることで考えます。考えるから物事が理解できます。私にとってインタビューとはまさにこの「問い」をいただける貴重な機会です。いろんな角度から、いろんな問いをいただくことにより、自分自身の根源、ヴィジョン、展望、夢、みたいなものがクリアになったり、新たな発見もあったりします。「やっぱりそうだよな〜」とか「おお、そういうことか、こりゃ面白い!」みたいな。

私のように自分の名前で、自分をブランドとして活動をしている人間にとって、自分自身のことを理解することは自社製品のことを理解することと同義です。サボってはいけない。拘らないといけない。そう思っています。

だからインタビュアーさんの問いを、私はとてもありがたく受け取っています。いつも取材の現場は楽しく、そして幸せです。


【2】インタビュアーの問い=世の中の問い

インタビューはなぜ行われるか。メディア側にとってみれば、自分たちが発信する情報を得るためです。メディアの仕事は、世の中の関心ごとに対して情報を提示することだと考えます。テレビ。ラジオ。書籍。WEB。世の中の関心ごとに対して情報を提示するから、視聴率がよかったり面白いと評価されたりするものでしょう。

つまり、インタビュアーさんの問いは「世の中の問い」でもあるのです。いま世の中は深沢真太郎に何を聞きたいのか。何にどう関心を持ってくださっているのだろうか。そんなことがこれ以上ないほどはっきりわかる場。それが取材の現場です。

「世の中の問い」に敏感であることは大事です。

時代が空気を作ります。その空気感の中で、人は興味関心が変わっていきます。つまり問いも決まるのです。その問いは、まさに空気を教えてくれるのです。時代の空気を読み取れない経営者はきっと会社を潰します。同じように、時代の空気を読み取れない教育者もまた、人を不幸にするでしょう。だから取材は私にとって、とても大切なヒントがもらえる場なのです。


誰もがインタビューする(される)という発想を持つ

実は「問い」はする側にとってもメリットがあります。深く考えることができる。これに尽きます。例えばメディアのインタビューも、事前に深く考えていないと「いい質問」はできません。

あるいは私のような研修講師の仕事においても同じです。優れた研修講師は「問い」のデザインが上手です。

「学生時代に学んだ数学について、ビジネスパーソンであるあなたはどう思いますか?」
「ビジネスパーソンとしての視点で、数学を学生時代に学ぶのはなぜだと思いますか?」

似たような質問のように思えて、その質は天地ほど違います。前者は相手に何を感じて欲しいのか、どうなって欲しいのかがわかりません。「どう思うか?」と問われても困るだけです。意図の見えない質問と言えるでしょう。一方で後者は意図のある質問と言えます。「数学的なリテラシーとビジネススキルとの接点を自ら明らかにさせたい」という意図です。

問いをデザインするためには、深く考えなければならない。これが人の思考力を鍛えるのです。私も常に「問い」をデザインすることを意識して毎日を過ごしています。大袈裟ではなく、本当に。

このように「問い」は実に大切なものです。この「問い」をすることをインタビューと定義するなら、私たちは人生において誰かにインタビューする(される)時間が多い方が良いのではないでしょうか。

積極的に誰かにインタビューする。

積極的に誰かにインタビューしてもらう。

この機会が多いだけで、きっとあなたは人間としての質が高まることでしょう。私の主観も入りますが、この発想を持っている人が意外に少ないように思います。コミュニケーションが面倒だと思う人も増えているようです。「面倒だから避ける」は人間らしいですが、やはり(やはりやはりやはり)それは人の幸福を奪うことにつながるように思います。ちょっと考えれば誰でもわかることですが。


Y=aX という結論 〜数学的に生きる〜

そろそろまとめましょう。

インタビューの機会:X
人生の幸福度:Y
ある係数:a

こう定義したとき、このような数学的モデルが成り立ちます。

Y=a X

aはインタビューする(される)という経験をそのままにせず、その時間で経験したことを血肉にできる度合いです。どんなにXが大きくても、aがゼロやマイナスならダメということです。実にシンプルですね。

このように、世の中において大切なことはたいていシンプルであり、それは極めてシンプルなモデルで表現できる。私はそう思っています。そのモデルはあまりにシンプルで疑いようがない。だからそのモデルを信じて生きる。例えば今回の話であれば、私は人生の幸福度(Y)を高めたいので、インタビューの機会(X)を意識的に増やすようにしている、という生き方です。

これが私の考える「数学的に生きる」ということ。この話題についてはまた別の機会に(気が向けば)言葉を綴ろうと思います。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。




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深沢真太郎
ビジネス数学教育家。数学的なビジネスパーソンを育成する「ビジネス数学」を提唱し、述べ1万人以上を指導してきた教育の第一人者。世界中の学校と企業で「ビジネス数学」が学べる世の中にすることを使命としている。日本大学大学院総合基礎科学研究科修了。理学修士(数学)。予備校講師から外資系企業の管理職などを経てビジネス研修講師として独立。大手企業・プロ野球球団・トップアスリートなどの教育研修を手がけ、一部企業とはアドバイザリー契約を締結し人材開発のサポートを行っている。さらにSMBC・三菱UFJ・みずほ・早稲田大学・産業能率大学などと提携し講座を提供。2018年には「ビジネス数学インストラクター制度」を立ち上げ、指導者育成にも従事している。テレビ番組の監修やラジオ番組のニュースコメンテーターなどメディア出演も多数。著作は国内累計25万部超。実用書のほか作家として小説も発表しており、多くのビジネスパーソンに読まれている。
BMコンサルティング株式会社 代表取締役
一般社団法人日本ビジネス数学協会 代表理事
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