見出し画像

【書籍要約】リーダーのための!ファシリテーションスキル

昨日は、谷益美著「リーダーのための!コーチングスキル」を紹介しましたが、本日は同じ先生の「リーダーのための!ファシリテーションスキル」という著書を紹介します。

以下で書籍を読んで理解した内容を紹介します。

1 ファシリテーションとは

ファシリテーションとは、一言で言いますと促進することです。そして、ファシリテーションスキルの目的は、何かやろうとするけど停滞してしまうという状況にならないように、チームを率いて成果を生み出すことです。あらゆるスキルに言えることかもしれませんがスキルは手段であってもスキルが目的にならないようにちゅういしなければなりません。
そして、ファシリテーションは、以下の2つの要素から成り立ちます。

(1)引き出す

ファシリテーターが相手に働きかけて隠れているものを表に出すこと。このとき注意しなければならないのが、ポジティブな点だけ引き出そうとするのではなく、中立的に対応しようとすることです。

(2)まとめる

引き出したバラバラのものを一塊にすることです。引き出したものについて、筋道立てて整理し、互いの意思を一致させることでチームとしての成果に近づいていきます。

以上、ファシリテーションの概要を述べましたので以下では、ファシリテーションを円滑に行うためのポイントを扱います。

2 ファシリテーションのマインド

(1)メンバーに合わせた対応をする

ファシリテーションをする上で重要な心構えは、それぞれのメンバーに合わせた対応をすることを意識することです。人はそれぞれ違いますのでまずそのメンバーのことを知ることが大切です。
メンバーを知るためのポイントとして、著者は「目配り」「対話」「タイミング」を挙げています。特に、対話においてファシリテーターは、相手を理解しようと努めるべきであり自身が感情的にならないようにすることが肝要になります。

切り口のTIPとして相手のソーシャルスタイルを知るという手もあります。こちらは下記で紹介する谷先生の「タイプが分かればうまくいく!コミュニケーションスキル」で詳述されていますが、リンク先のリクナビの記事でも概要は確認できます。

(2)話しやすい空気を作る

特に引き出す観点から話しやすい雰囲気を作ろうとすることも重要です。
そのためには、まず、聞いている態度をきちんと示しましょう。適宜アイコンタクトをとったり、うなずき・相槌等できちんと反応をし、かつ「それで」「もっと聞かせて」等言葉でも相手の話を促すようにして興味を持って聞いていることをきちんと相手に認識してもらいましょう。話しやすくするレスポンスの3種の神器が、うなずき・相槌・オウム返しです。どんどん使いましょう。
また、その場だけでなく日々から関係性を構築しておくことも有用です。些細なことでよいので、小さな声掛けを日々行いましょう。特に話す安心感をもたらすのが褒めることや労うことです。日本の方は苦手な方が多いので、日々褒めるボキャブラリーを増やすようにしておくとよいでしょう。

2 ファシリテーションのスキル

ファシリテーションは、「引き出す」と「まとめる」の2つの要素から成りますのでそれぞれについてスキルのポイントを簡潔に述べます。

(1)「引き出す」スキル

「引き出す」スキルで求められるのがリーダーの質問力になります。そこで、質問を使いこなすにあたってポイントは3つあります。一つは、ポジティブな言葉を使うことです、なぜこんなこともできないのかでは聞かれる方が萎縮したり言い訳を探す回答になってしまいます。そこを、どうすればできるか、に変えると改善方法に目が向くようになります。
次に相手のレベルに合わせることです。質問のパターンは大きく、Yes/No型、選択型(which)、情報限定型(when, where, who)、自由回答型(why, how)の4つに分けられます。ビギナーであればYes/Noや選択型がよく、自由回答型は相手のレベルが高くないと期待した効果が得られない反面、思いがけない回答が返ってきて思った以上に引き出せる可能性があります。
3つ目は、質問をシンプルにすることです。プレゼンの1スライド1メッセージと同様に一つの質問において聞きたい内容を限定して、シンプルかつ明確な質問をすることが有用です。

(2)「まとめる」スキル

「まとめる」ために、まず重要なポイントは何のために何をまとめようとしているのか、という出したいアウトプットがなんであるのかを明確にすることです。そして、企画やMTGの目的を全員で共有しておかなければなりません。例えば広告制作のMTGにおいて、ファシリテーターはバナー広告のラフ制作だと思っていたが、参加者のAさんがチラシ広告のレイアウトだと思っていたらまとまるわけがありませんよね。
また、人が集まる前にそこで議論するために必要なデータは事前に十分に揃えておくことです。検討する素材がなければそこでスタックせざるを得ないので、検討のファシリテーションはテクニックでどうこうできるものでなくなります。
上記の点がきちんと整いましたら、実際の会議の場において、引き出された内容を可視化して共有しておくことが肝要です。人の記憶は案外いい加減なのでまとめようとしたら、それまで一致している感じだったのが、そういう意図ではなかったとかそんな話しましたっけなんてことは往々に起きるものです。著者はこの手段としてホワイトボードの活用を奨めています。
※私もホワイトボード派でして、コロナで電話会議中心になりこれが使えないのが悩みどころです。

(3)会議のファシリテーション

会議におけるファシリテーションは上記に加え、下記のような点も有用なTIPSとなります。
まず、会議の目的を明確にすることです。会議の目的のパターンとして、選択集中型、発散集約型、発散共有型、情報周知型といった4つに分けられ、これから開こうとする会議がどのパターンかを押さえそれに応じた会議設計をするとよいでしょう。
次に会議のまとめ方として、決め方を決めておくことも大切です。最終的に出てきた意見を基にリーダーが決めるのか、多数決で決めるのか、評価基準を設計しその基準に基づき評価していくのかのいずれかによって進行の仕方も変わるでしょう。

3 マインドマップ

以上のように書籍の内容をまとめました。これらをマインドマップで1枚にしたものが以下になります。


ファシリテーションスキルマインドマップ

4 より深く学びたい方へ

より深く学びたいという方は、谷先生の書籍自体をお読みなることをお薦めします。コンパクトにまとまっておりすぐ読めますし、TIPSも充実していましたのでお薦めです。

谷先生のコミュニケーションに関する以下の2冊も読んでおり面白かったので紹介します。なおコーチングにつきましてはNoteに記事もありますので興味のある方はお目通しいただけると嬉しいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?