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ハム太郎のとっとこおしらべクラウドファンディング企業比較(後編)

ここまで読んでくれて感謝なのだ🌻
さぁ、クラファン業界の秘密を一緒に解き明かそう!なのだ。

Chapter.3 「これはお金を集めるサイトじゃない」

Makuakeの利益率が高くなったのは、戦略の転換にあると思うのだ。
もともとMakuakeは「募金サイト」という切り口で始まった会社だけど、
途中から「テストマーケティングサイト」の色合いが強くなったのだ👀

中山さんは複数の記事で「Knot」の社長、遠藤弘満さんからもらった言葉について触れているのだ。

「『Makuakeはお金を集めるサイトじゃないよ』って言われたんです。遠藤さんは『プロダクトを作っていく会社にとっては、在庫を作る前に顧客を捕まえられる、ありがたい仕組みなんだ』と。実際に買う人がいることが発売前に証明でき、その実績があるので流通展開もしやすくなるんですね」
https://careerhack.en-japan.com/report/detail/1301
お金が尽きかけて数カ月後、「ノット」という時計のベンチャー企業が、先行販売的にクラウドファンディングを実施しました。このプロジェクトで500万円分の予約ができて、社長さんはその実績を持って小売店に営業したところ、扱ってもらえるようになりました。その社長から「マクアケはお金を集めるだけのサイトじゃない。メーカーにとっては、つくる前に、顧客がいることを証明できることが何より後押しになる」と指摘されて、はじめてこの事業の可能性に気がつきました。それから他のメーカーさんにも話を聞きに行って、事業を募金サイトから予約購入モデルに再定義した。そこから順調に伸びて、3年後に黒字化しました。
https://president.jp/articles/-/29967?page=5

じゃあ、テストマーケティングをしたい法人のお客様をどう増やすのか。そこで考えたのが「地銀・信金と提携すること」。
2015年に城北信用金庫と提携して以降、どんどん提携先を拡大し、現在は100行以上の金融機関と提携しているのだ。

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Makuakeにとっては定期的な法人顧客の増加が狙えるし、
銀行にもMakuakeを利用したいニーズがあったのだ。

いま、金融庁が銀行に対して「事業性評価」に基づく融資判断を求めているのだ。でも、そんなノウハウはすぐ溜まらないし、そもそも銀行は低金利で収益性が悪化してるし…という中で、銀行は悩んでいたのだ。

そこで、銀行はクライアントにMakuakeを紹介することにより、
①プロジェクトが消費者の関心を引けば、資金が調達できる
②このときのデータを元に、銀行側は事業性評価を行うこともできる
→実際、クラウドファンディングの結果を見て、
 銀行が融資額を増額する場合も…
③地銀・信金にとっては地方活性化にも貢献できる

ということで、Makuakeとの提携は一石三鳥だったのだ。

そして黒字化を達成したMakuakeはついにマザーズに上場するのだ。

非常に難しいチャレンジだったと思うけど、
中山さんはこんな言葉を残しているのだ。

「先日、『1兆ドルコーチ』という本を読んで、AppleやGoogle、Facebookなどでもマネージメントの1on1を大切に、筋肉質な組織作りを強化していると知りました。マクアケは図らずも、1人で10倍の成果を上げるような実行力が、自然と身についたカルチャーがある。その骨組みとマネジメント体制ができたのは、大きな財産だと思っています」

「ドラマチックなHARD THINGSはなかったけれど、それはメンバーがピュアな想いでよく頑張ってくれたから。10人で100人分の成果を出すにはチームワークが本当に重要です。良いメンバーがいるから、良い人材が入ってくるプラスのサイクルも産まれる。それこそ創業メンバーに恵まれたことで、僕自身のHARD THINGSは半分にも、それ以下にもなったんです」
https://careerhack.en-japan.com/report/detail/1301

社員の謀反はおろか、離脱もほぼない組織を作ったのは、中山さんの謙虚で努力家、そして諦めない精神性があったからなんじゃないかな、と思ったのだ🌻

Chapter.4 実現したいことと収益性のバランス

一方、CAMPFIREはこれまでどんな戦略を取ったんだろう?

①手数料の低減
もともとCAMPFIREは2011~2016年までMakuakeと同じ20%の手数料を取っていたのだ。
そこから石田さん→家入さんに社長交代したタイミングで、手数料をなんと5%に下げたのだ👀
家入さんはその理由について、こんな風に話しているのだ。

大きな案件が話題になることも多いクラウドファンディングですが、僕はもっと小さな個人の活動を支援したい、そして一円でも多くそういった方々に渡したい、そう思い、手数料5%へと舵を切ることにしました。

クラウドファンディングという仕組みに惚れ込んでCAMPFIREを立ち上げてから5年が経ちますが、正直このままだとCAMPFIRE自体も、そしてクラウドファンディングという仕組みも浸透しないまま、縮小していくのではないかと個人的に危惧しています。
https://thebridge.jp/2016/02/crowd-funding-campfire-go-back-to-their-roots

どうしてこう考えるようになったのか?
そのきっかけは都知事選にあるのだ。
家入さんは東京都知事選挙に出馬し、その選挙活動の中である課題を見つけたのだ。

「日本で生きづらさを抱えている、声があげられない人がいる。それをネットサービスを通じて支援していくのは自分らしいなと思ったんです。ビジネス開発というかネットサービスを民間として自分の手でやりたい。それでCAMPFIRE一本に絞っていこうと決めたんです」
https://techwave.jp/archives/kazuma-ieiri-stand-on-campfire.html

CAMPFIREが日本一大きなクラウドファンディングサイトになっているのもこれがキッカケだと思うし「5000万円のプロジェクトが入ってくるのはうれしいしありがたいけど、それよりも5万円のプロジェクトを1000個つくろう」という家入さんの考えも素敵だなぁと感じているのだ。

ただ、この手数料は徐々に引き上げられ、現在は12%(+決済手数料5%)となっているのだ。

家入さんとしては手数料を下げたいし、小さな支援も引き続き行いたいけど、収益とバランスを取るのはなかなか難しいのだ…

②サービス数の多さ
もうひとつ、CAMPFIREはどんどんサービスを増やしているのだ👀

購入型クラウドファンディング
・CAMPFIRE
・FAAVO→地域特化型 ※CAMPFIREにシステム統合
・BOOSTER→パルコと共同運営
・machi-ya→メディアジーンと共同運営
・GoodMorning→社会問題向け ※現在は分社化

月額課金オンラインサロン
・CAMPFIREファンクラブ

個人間決済
・polca ※サービス終了

インベストメント領域
・CAMPFIRE Bank ※サービス終了
・CAMPFIRE Owners

コミュニティウォレット
・Gojo ※サービス終了

ただ、上記のようにサービス終了したり、業務統合したりするサービスが多くなっているのだ👀
理由については以下のようにリリースされているのだ。

今後は20年3月2日で新たな企画の作成を停止し、10月に全てのサービスを終了する。キャンプファイヤーは資金提供の見返りに金額に応じた商品やサービスを提供する「購入型」や、事業資金の借り手と貸し手を仲介する「仲介型」といった主力のクラウドファンディング事業に注力する。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54934550Y0A120C2XY0000/

サービスの提供を終了することについて株式会社CAMPFIREは、「昨今のクラウドファンディング利用者の急増等に伴い、他サービスとの差別化をはじめ役割の再検討や、今後の収益性など様々な観点から検討した結果、今回の決断に至りました。」と説明。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e7d6dfd8a05e1c46007aa179d97129e53117c520

厳格には違うサービスであるものの、僕達消費者から見るとどれも同じような内容に見えて、サービスの差別化が難しかったのだ👀

CAMPFIREとしては、新しいお金の流れを創りたい!という想いがあるからいろんなことにチャレンジしたいけど、チャレンジし続ける中でどんどん赤字になって、収益性を担保しようとすると一回たたまなきゃな…っていう状況なんじゃないかなと思うのだ。

でも、僕は家入さんの考えってとても素敵だと思うし、実際にロコちゃんのお友達もCAMPFIREのお世話になっているのだ🌻
継続してサービスをし続けられるようにするためにも、収益性改善を頑張ってほしいなって思うのだ!

Chapter.5 似ているようでぜんぜん違う

それぞれのサービスをまとめてみたけど、
最初は似ているように感じた2社のやっていることがぜんぜん違うんだなって分かったのだ👀

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まだクラファン業界は始まったばかり。
今後の2社の成長に期待なのだ🌻へけっ

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