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なぜやんばる急行バスは良質なサービスを提供できるのか?


やんばる急行バスとは? 

伊芸SAに休憩中のやんばる急行バス

やんばる急行バスは那覇空港からおもろまち駅、高速道路を経由して美ら海水族館や運天港まで行く唯一の高速バスです。他にも本部半島を巡り古宇利島まで行くバスも運行中です。
車体に書かれた「YKB」の文字が目印

やんばる急行バスの概要

運行会社 合同会社やんばる急行バス
     (前身 沖縄中央観光)
設立2001年(沖縄中央観光)
代表者 宮城勇

2013年よりやんばる急行バスの運行開始
2016年に法人化し合同会社やんばる急行バスを設立

運行路線
888やんばる急行バス空港線
T4四島線
ヒルトン沖縄瀬底リゾート直行バス
(2024,2/29現在)

他のバスと何が違う?

那覇空港から美ら海水族館に行くバスはやんばる急行バスの他に沖縄、琉球、那覇バスの3社が運行する117番高速バスや北部観光バスが運行する沖縄エアポートシャトル、カリー観光の美ら海ライナー、沖縄バスが運行する空港リムジンバスの計4路線があります。
やんばる急行バスが他と違う点はズバリ運賃と所要時間です。

各社運賃と所要時間比較表

比較してみると沖縄エアポートシャトルの特急便が所要時間で勝っていますが便数が少ないため利用しやすいのはやんばる急行バスと考えて良いでしょう。また、他の117や空港リムジンバスなどは運賃が500円以上違うことがわかります。
やんばる急行バスは他のバスにはない高速道路のサービスエリアで休憩があります。トイレやお土産を買いに行くのも便利です。

*カリー観光は記事を書いている時点で運休しており確認できませんでした。
*沖縄エアポートシャトルは特急便の所要時間を表示しています。
*空港リムジンバスは西海岸リゾートエリアを経由している為他のバスより所要時間が長くなっています。


徹底的な顧客目線

やんばる急行バスはSuicaやクレジットカード、QRコード決済に対応しています。沖縄県内の大手4社はOKICA以外の決済手段には対応していません。そのため観光客や県外客からするとSuicaが使えないことを不満に感じる方が多いです。その声を聞いてやんばる急行バスでは今年からSuicaが利用可能になりました。観光客からも好評で多数の方がSuicaで決済していました。顧客の声を聞きいち早く実行できる点が多くのお客さんから大変好評でコロナ前は利用客が右肩上がりで伸びていました。ちなみにやんばる急行バスは開業当初から沖縄県民に大量に普及している楽天Edyに対応しています。徹底的に市場を調査してどのサービスをお客が欲してるのか見極める力は既存4社には真似できない点です。

安さの秘訣は自分で作る

この運賃表示器何か違和感ありませんか??
よくパソコンで右クリックしたら出てくるヤツが表示されてますね。普通のバスの運賃表示器ならこんなの出ません笑。実はやんばる急行バスの運賃表示器はパソコンのパワーポイントを利用して作成しています。普通なら一台数十万する運賃表示器でも安価なPCとモニターなら数万円で済みます。また車内放送機器もパワーポイントに音声ファイルを載せてるので実質無料みたいなものです。声優さんは社員?がやってるのでしょうか。いかにも自作しました感のある放送となっています笑。


運転席

運転席も他社と一味違います。まずマウスと電気のスイッチ?があります。マウスはパワポの操作で使います。電気のスイッチ?はおそらく以前使用していた車内放送の再生ボタン?の役割を担っていたものだと思います。今はパワポに音声ファイルを載せてますが昔はオーディオを改造して電気のスイッチをオンにすると車内放送が流れるようになっていたと思います。日本中探してもマウスと電気スイッチが運転席に装備されてるバスはここだけではないのでしょうか笑。
 ちなみにキャッシュレス端末も普通なら一台数百万円するものですが琉銀の店舗用端末で代用しているので数万円に抑えてると思います。


バスロケも自分で作る

バスロケ用スマホ

ところで運転席にスマホがあることに気づきましたか。これはやんばる急行バスの位置情報がわかるシステムになっています。通常は数百万円する専用の機器を取り付けないといけませんがやんばる急行バスはそれをスマホで代用しました笑。もちろんGPSの精度も問題なし。

HPから見れるバスロケ

ちなみにこのバスロケーションシステムは沖縄職業能力開発大学校と連携して作りました。ただスマホで安く代用しただけでなく現在位置と一緒にバスの混雑状況まで見れるようになりました。コロナ禍から各社バスの混雑状況を表示することが増えましたがやんばる急行バスは5年程前から混雑状況を見れるようになってました。まさに時代を先取りしている。
混雑状況は余裕、普通、残小、満席の4段階で表示されます。

Google mapsに運行状況を掲載

県外客がバスロケを使う上で問題なのが各社システムのUIが違う言わば操作の仕方が違うのです。なのでいちいち何種類ものバスロケの操作を覚える必要がありました。難儀ですね。そんなお客さんの声を聞いたやんばる急行バスは他社に先駆けてGoogle mapへ運行状況を掲載しました。これならみんなが使ったことのあるアプリで手軽にバスの現在地を確認することができます。

まとめ

いかがでしたか。開業当初から顧客に受けるサービスを展開し観光や通勤需要を生み出してきたやんばる急行バス。顧客目線から他社ができないようなコスト削減で安い運賃と良質なサービスを展開しています。今後もこのサービス精神をいかして沖縄の交通発展に貢献してほしいです。

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