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【Bar Luida’s】 琴花酒と愉快な仲間たち


クリオネクリスマス 第五弾
今回は琴花酒さんを主役にして書いた物語
ご参加ありがとうございます!
フィクションです









オオ ユウシャコトハナヨ ヨクゾマイッタ ソナタニオリイッテハナシガアル
ニシノドウクツニドラゴンガデルトイウノジャ タイジシテキテクレヌカ?




→ ハイ
 イイエ


コトハナハ
1000G
ヲテニイレタ


1日目

お城を出て町の武器屋へ行き、武器を物色する

腕力には自信があったのでヒノキの棒という武器を購入

早速町の外に出てみた


すると、森の茂みから青いゼリー状のものが飛び出してきた!!

怯まず棒で青いゼリー状のものを、打つ!

時々体当たりを喰らうことがあるものの、ひたすら打って打って打ちまくる!

打ち疲れるほどに打つと青いゼリー状のものはそそくさ逃げていった

跡にはお金が落ちていて、少し強くなった気がした


そのあと何体かのゼリー状のものをしばきあげ、街に戻る

一人ではキツそうだ、そう感じ、宿で熱いシャワーを浴びてゆっくり休むことにしていたのだが、街に入って左手側にある店の看板が目についた

【ルイーダの酒場】

生来お酒に目のないので、酒場に入ることにした

武装した旅の者達で店内は活気付いていた

どいつもこいつも一筋縄ではいかないような猛者に見えた

こいつらからドラゴン退治のための仲間を選んでもいいな、そう考えながら、駆けつけビールを注文し、一気に飲み干した

戦士と僧侶を仲間にすることに成功したが、少し酒代がかさんだため、明日は戦闘を多くこなさなければならない


二日目

人数が増えたため、少し遠くまで出てみた

少し変わった敵も出てきたが、戦士がなんとかしてくれるのであまり戦った覚えがない

十分な金を稼ぐと、3人で酒場へ戻った

ビールを一気にあおり、カイピリーニャをチビチビやりながら新たな戦力を探す


新しい仲間を見つけた

盗賊らしい。鍵やなんかを開けてくれるし、戦闘中により多くの道具などを得ることができる。容姿がちょっと複雑な印象を与えているが、頼りになりそうだ。

4人で結成の祝いをあげることにし、ずいぶん遅くまで飲んだ


三日目

日中は敵を倒し、飲み代を得る

十分な資金が貯まると酒場へ繰り出し、駆けつけのビールを

みんなよく飲む

戦士は少し変わった男で、飲んでいるとちょっと難しい昔のアニメや特撮ものの話を始める。装備品に全部自分で名前をつけている

僧侶は比較的大人しい男性だが、正義感が強く、ちょっぴり切ない話を作って聞かせる能力がすごい。服の中に肌色のかわいいぬいぐるみがいる

盗賊はいつも髪型を気にしてみたり、自身の容姿を気にするあまり落ち着きがない。まだだれも性別を聞けずにいるが、まあよしとする。

この日は良い日本酒が入ったとのことなので、皆で散々飲んだ上、盗賊が宿は別部屋で、と言い出したため出費が多かった。

明日はこれらを考慮してより多くの戦闘をこなさなければならない。


四日目

隣町まで移動して、強力な敵との戦闘をこなす

初めて入る防具屋で戦士がメイドの服を買いたいと言い出したため、買い与える

盗賊も同じものを欲しがったが、本人の攻撃力に難があったため、いばらの鞭を武器屋で買い与えた

僧侶は薬草を大人買いしていた。回復呪文を使うと結構体力が減るらしい。

早速町の外で新しい装備のチェックを行う

お気に入りの装備品を身につけて、皆余計な動きが増えた気がするが、楽しい旅なのでそれもまた良しとする

十分な戦闘を終え、酒場へ戻る


五日目

一つ隣のエリアで強力な敵を倒し、多くの資金を手にしたので、酒場で1日を過ごす

少し物価は上がるが、明日から拠点を隣町に移すことを決めた

この町もしばらくお別れだ、そう思うと感慨深いが、機嫌が良くなった僧侶がボトルを入れて、それを飲みきることができなくキープすることにしたので明日も拠点はこの町で、ということになった


六日目

戦士が小さなメダル状のものを見つけた

それを集めるといいものと交換してくれるのだと僧侶はいう

戦闘は順調で、皆着実に力を伸ばしている

ダーマという街へたどり着いた

転職サポートの会社があり、冒険の相談をした

戦士がありもしない【ニュータイプ】という職業について聞いていた

相談員は困っていたが、さらに盗賊が性別の変更は可能かどうかを聞き出してますます場が混乱した

僧侶はこうやっていろんな町を歩きながら暮らす生活に憧れていたようで、今に満足しているようだ

わたしはまだ昨日の酒が抜けていないため、戦闘には参加しなかった

もうすぐドラゴンと戦うのだ

それに打ち勝てばこの旅は終わる

みんなまた違う道へ旅に出る

少し感傷的になったか


夜の酒の席で戦士が言い出す

明日は家で料理を作ることになっているので冒険はここまでである、と

僧侶も、執筆が滞っているのでこれで失礼します、とのことだった

盗賊の姿が見えないが、どうせまた化粧直しにでも行ったのだろう

別れは思いの外早くきた

よく考えたら、飲みの席で出会ったのだ

何もかもを期待するのが野暮というものだ

宿に帰り、装備を整えて所持金を確認する

明日からは盗賊と二人になるかもしれない

そう思いながらずいぶんと軽い巾着袋を手に取る

多くのお金が消えていた



七日目


一人での戦闘に慣れるため、何度かの戦闘を繰り返して立ち回りの確認をする

手応えを掴んだので町へ帰る


【ルイーダの酒場】の看板が外され、【スナック・クリオネ】というお店になっていた

店内には盗賊の姿があった

きっとお店を買収したのであろう



八日目


洞窟近くの町へ着く

最初の町にはドラゴンを退治するまでは戻らないことにした

断酒である

装備を整える

学ランと学生帽、下駄を購入し、ドスをサラシにしまう

勇者としてドラゴンと差し違える覚悟だ


九日目

西の洞窟へ入る

洞窟といっても道が枝分かれしているわけではなく、薄暗い道を真っ直ぐに進むだけであった

だんだんと洞窟内の温度が高くなってくるのを感じる

昨夜は酒を飲まなかったからかひどく体調が良い

洞窟の最深部の手前で布製のマスクをかぶった男が待っていた

「なんじ、名を名乗られよ」

洞窟内に人間がいることは意外であったが、今更そんなことはどうでも良い

「我が名は琴花酒!倉敷の暴走列車とはワシのことじゃぁ!」

そう言い放ち渾身のストレートを叩き込んだはずだったが、覆面の男はそれをさらりと宙に舞い、かわした。

「よくぞ参られた、琴花酒殿。ついて参れ!!」


覆面の男の後についてしばらく歩くと、ドラゴンの待つ洞窟の最深部へとたどり着いた

マグマが流れ、所々に浮島状の足場が点々としている

「ピキーーーーーーッ」

覆面の男が右手で何かの動物をつかみ、マグマの中へと解き放つ

「な、なにを!」

「ピーーーーーーーーーー」

何かの動物は一瞬で骨となってしまった

「こ、これは!!濃硫酸!!」

「左様!敗北は死を意味する!」

汗がしたたる

これは相当な覚悟を持って挑まねば、次は自分がこうなるのだ

そう考えているうちに対岸に一人の男が現れた

右手に巨大な青龍刀を持っている

やつの名こそがドラゴンらしい

ドスを構え、男に近づく

凄まじい青龍刀サバキで襲ってかかってきたが、寸前でなんとかかわした

一進一退の攻防が続く

ふと足場で足を踏み外しそうになり、バランスを崩す

そこを見逃さずドラゴンが襲いかかってくる

濃硫酸に落ちそうになる

絶体絶命だが、最後の力を振り絞ってドラゴンにしがみつく

「みさらせ!これが倉敷の暴走列車、琴花酒の生き様じゃぁぁぁぁ!!」

「ピキーーーーーーッ!!」






ドラゴンとともに濃硫酸に落下したところでゲームは終わった

「お疲れ様です。完璧なクリアとは言えませんが、世界を救いましたので、景品です」

体験型のバーチャルゲームに参加していたのだ

リアルでとても楽しかったし、何よりゲームの中で実際の人生のように好きなように行動できる不思議な経験だった

「はい、では景品のビックリマンチョコ一箱です。キラキラシールの応募もできますので、興味があればぜひどうぞ」



好きな格好でインタビューを受けて、審査を通ればビックリマンチョコのキラキラシールにしてくれるという企画だ。

ビルに入る。綺麗なビルだ。

花や観葉植物がセンスよく配置されている。

せっかくだからゲーム内と同じ学ランと下駄という格好できたものの、少し失敗したなとも思う。

まあいいのだ。せっかくもらった景品だし、楽しんで帰ろう

そう思いながら通路を歩いていくと、まえから少し風変わりな格好をした男が歩いてきた。

すれ違いざま、ふと思う、あれ、戦士に似てるな

ゲームの中の話だ、おかしな事を考えた、そう独り言ちり、面接室の扉を開けた




【完】



本日も【スナック・クリオネ】にお越しいただいき、ありがとうございます。 席料、乾き物、氷、水道水、全て有料でございます(うふふッ) またのご来店、お待ちしております。