どうして劇団が企業様の社員研修を?
ブルアは社会に寄り添う劇団になりたい🥰
皆様は演劇をご覧になられる機会はありますでしょうか?おそらく殆どの方があまりないとお答えになられるのではないでしょうか。今、演劇は社会の中ではマイノリティーであるように思えます。
それはエンターテイメントとしての演劇が映像や色んな動画コンテンツに代わり、最早、劇場に足を運んでまで・・・となってしまったようにも思えます。
確かにそういう時代の流れはあるかもしれませんが、演劇が世の中においてマイノリティになってしまったのには、もっと他に大きな理由があると思っていて、今回の話はここからお話しさせていただきます。
では、その理由とは・・・・
それは、演劇人にとっては少々受け入れがたいお話かもしれませんが、「演劇が世の中にとって、どれほど大切なものか」という熱い想いを抱いていない演劇人が増えたのではないかというところに原因があると感じております。勿論、まだまだそうでない方もたくさんおられるとは思いますが、その観は否めません。(こんなことを申し上げるとお叱りを受けそうですが、私個人の主張としてお許し願います。)
今、世の中で必要なのは演劇なのだという気持ちで私たち演劇人が創作活動出来れば、もっと社会に受け入れられたものとなるのではと考えている次第でして、私たちは公演活動だけではなく、演技術が社会にお役立ていただけるのでしたらと積極的に飛び込んでみようという劇団方針でもって、法人様向けの社員研修にチャレンジしました。
演劇が世の中にどれほど大切なものか
この志でもってお芝居を作るためには、まず何が必要か?
それはとても簡単なことで、私たち演劇を作る創作活動者が社会に目を向けるということだと思います。
世の中には「良い製品を作っても、売れるかどうかはまた別問題」と言われることもありますが、それは、良い製品であっても必要でなければ、購買は期待できないというのがやはり一番の理由ではないでしょうか。これと同じことで、演劇も面白いから観に来てと言っても、その必要性を感じなければ、劇場に足を運んでもらうことはなかなか叶わないのだと思います。
ですから、ご覧いただける未来のお客様へ、まず、ご関心を寄せてもらえるような、または応援をいただけるような活動をしていけば、少しずつ状況は変化していくものではないかと思います。
そのために重要なのは、私たちが社会に目を向けることで、演劇に関心を寄せていただける方々を、お一人お一人を探すということなのではないでしょうか。このような考えで世の中を見ると、演劇って色々なところで役立つのではということが見えてくるようになるのだと思います。
演劇には人の心を動かせる表現技術があります。この表現技術が欲しい方は世の中にどれくらいおられますでしょうか?
その答えは皆様それぞれどのようにお考えになられるかはあると思いますが、私はこの技術はとても素晴らしい技術で、最も今の社会に必要な技術の一つだと思っております。
昨今のコミュニケーション法は、「伝える技術」が多く見受けられます。こういう風に話すと相手はこうなりやすいというようなものでしょうか。
しかし俳優の演技術というのは『伝わる技術』で、コミュニケーションをお教えしている学校の教える内容とはおそらく違うものだと思われます。
というのも俳優の演技術というのは、外側に使う技術ではなく、内側に向かって使う技術だからです。
俳優の演技術は『伝わる』表現
皆様の演技についての印象は、果たしていかがでしょう?
「演技=嘘」というイメージの方が多いのかもしれませんね。ただ、これは演劇人から申し上げると本当は少し違ってまして、フィクションの世界の中に演技という技術を使ってリアルに生きるということであって、嘘ではないのです。もう少し嚙み砕いて言うと演技という技術を使ってリアルな感情を湧き上がらせているのです。
このように言いますと嘘ではないというのがお分かりになりますでしょう。ただ、「演技=嘘」という定義をしておられる方の意見が間違っているとは思っていません。寧ろ、今の私たち俳優への鋭いご指摘だと思います。
本来の「演技」が出来ていたならばと考えると、そもそも「演技=嘘」という概念をお持ちになる方は少ないのではないかと思えるからです。ですから、そのような印象を払拭するためにも、私たちは「演技=嘘」ではなく「本来の演技」を身につけなければいけないと思う訳であります。
この俳優の技法が『伝わる』表現となるのです。
この原理を簡単に申し上げますと、例えば、会話の場合、聞き手は話し手の話す内容よりも、その話し手の動機に対して重きを置き物事を総合的に判断するのですが、その聞き手はどのように話し手の動機を受け取るかというと、実は無意識に受けとっているということなのです。本能的に受けとっている部分なのかもしれません。感じ入っているといった方が分かりやすいかも知れませんね。
どちらにしても、相手の話を聞いて感覚的に受け入れられるものなのかどうかを判断しているのです。
言ってることは正しいけど、胡散臭い人はいます。それは話している動機が不純なものだったりするからということなのです。
さらに申し上げると、会話の中で意図的「伝える技術」を入れてしまうと聞き手のお相手は無意識に自分をコントロールしてきているなと感じる人も出てくるわけです。
ですから、ここを俳優の演技で、自分の心から動いた言葉にすれば、相手も誠意あるものだと感じることができて、より伝わることになるのです。
相手と良い関係を構築したいという思いが伝わるということです。
ビジネスでもお客様に受け入れられることは大切
さていよいよ最後に本題になりますが、先ほど申し上げた、「伝える表現技術」と『伝わる表現技術』。皆様はどちらをお選びになりますでしょうか。もし「伝える表現技術」をマスターしたいのであれば、これから先のお話はあまりためにはならないかもしれませんが、『伝わる技術』をマスターしたいのであれば、これだけは是非覚えていただきたいことがあります。それは・・・・・・
私がやったら上手くいっても、あなたがやったら上手くいくとは限らない
このことを心に留めておくことが重要なのです。何故そう言い切るかということですが、この考え方でなければ、もし出来なかったときに「同じことをしているのにどうして自分は出来ていないのだろう」と自分を否定してしまう怖れがあって、その考え方では、実は自分にとって、あまり良くない結果を招くのです。
先ほども申し上げた通り、演技術は自分の内面の感情を湧き上がらせる技術です。これは、言いかえると自分を信じる作業に他なりません。自分を信じる作業であるが故に、自分を否定してしまっては本末転倒になってしまうのです。
『伝わる表現技術』をマスターするのであれば、決められたものでなくても良いと覚悟して自分らしい話し方を追究してしていただければと思います。勿論最低限のマナーは必要ですが、それよりも真心が相手に伝わるコミュニケーションをすること方が遥かに重要なのです。
ですので、型があるようなものではありません。それよりも自分の感覚を呼び覚まし、本来の自分で向き合うことで、周りとの関係を築き上げてもらうのが真の目的であります。
私たちの演劇の技術を使って「ありのままの自分でお客様と接し、受け入れられるような人間力」をマスターしてみませんか。
最後にいくつかですが、初歩の初歩のプログラム内容を・・・
そして一番大切にしていただきたいことが、このように、「声」や、「表情」や「呼吸」などの身体を動かして「それを実際に自分がしてみてどう感じたか?」ということなのです。この時に、自分の感情が湧き上がってきていることを実感すれば、相手に共感が出来る人であり、これを習慣づけると相手にも自分にも共感を得やすい人へとなるのです。人間関係構築には共感は欠かせません。この大切なことをこの自分の心を動かせる技術によって得ていただければと思います。
「この人から物を買いたい」「この人と契約したい」そういう人になることが何よりも大切なことだと、このように思っております。
差別化を図る企業様に選択の一つとして我々の演劇の技術を取り入れて頂ければ、あらゆるシーンにおいて、素晴らしい人間関係の構築にお役立ていただけると確信しております。
社会に寄り添い、演劇の素晴らしさを感じていただけるよう、これからも精進して参ります。
最後までご覧くださいまして誠に有難うございました。
コミュニケーション研修プログラム ディレクター
さいとうつかさ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?