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「bitFlyer FXでレバ20倍の髭をとる取引で1,500万円の利益を得る」botter・mican氏 1/3

DeFi botterのmican氏に、最初の取引や2018年前後の取引について伺いました。

mican氏 プロフィール

2017年から暗号資産の取引を開始。2020年のDeFiバブルを迎えて独自のBot開発を通じ、Web3やSolidityの深い知識を習得。暗号資産コミュニティ「KudasaiJP」のコアメンバー。

取材実施日

2024年4月24日

bitFlyer FXでレバ20倍の髭をとる取引で1,500万円の利益を得る

ーーまずはご経歴について教えてください。

2016年、大学生の時に株式の取引を始めたのが最初です。

負けながら一年ほど続けていたところ、トレード仲間からモナコインについて教えてもらい、暗号資産について知りました。

興味本位で価格も確認しましたが、そのときはまだ危険な印象が強くて、特に取引もしませんでした。

その後、$MONAが最初に知った時の価格から10倍ほど上昇、株なんてやってられないと思い、暗号資産のトレードを始めました。

ーー具体的にどのように始めたのでしょうか。

bitFlyer FXから取引を始めて、一日中、授業や食事の時間のときも常にトレードに張り付くようになりました。

当時のbitFlyerは利用者数が多く動作も重かったため、チャートは髭だらけで、今思うとエッジの塊でしたね。

それで最初は負けていましたが、髭を取ることでアービトラージに近い取引ができることに気づき、次第に確実に勝てる瞬間も分かるようになりました。

最大20倍のレバレッジをかけて取引し、一年間でおおよそ1,500万円のリターンを出すことができましたね。

その後、大学を卒業し会社員となりましたが、当時始めたDeFiのトレードと会社員としての仕事の両立が難しくなり、一年余りで退職。

起業もしましたが、数年後に事業売却し、現在は専業トレーダーとして活動しています。

清算の売り圧力やシステムのフリーズにより長く出た髭を指値でコツコツと拾って鞘をとった

ーー最初に始めた株式の取引は一年間取り組んで負けていたとのことですが、具体的にはどのような取引を行っていたのでしょうか。

当時は大学生で資金が20万円ほどしかなく、小型株をメインに株式のデイトレを行っていました。

ほとんど知識もなくて、チャートや板を眺めて、5分や10分の時間軸で保有していました。

利益が出たときもありましたが、損切りで失敗することも多く、トータルでは負けていましたね。

ーーその後、bitFlyer FXの取引を始めたとのことですが、取引の詳細について教えてください。

当時はハイレバロングのトレーダーが多く、少しでも価格が下落すると清算が出ることが多かったんです。

その清算の売り圧力で価格がさらに下がるのですが、当時のシステムはフリーズすることが多く、そうなると買い注文が入らなくなってしまい、トレーダーの清算が終わり切るまで価格が下落し続けていたんですね。

その結果、かなり長い髭が頻出したのですが、それを指値でコツコツと拾って鞘をとっていました。

株式のデイトレでも板取引を参考にしていたため、bitFlyer FXでもチャートより板を見て取引していました。

bitFlyer FXの特有の癖を学ぶために一日10時間、20時間はチャートに張り付いて傾向を探った

ーー2017年ごろは10%の下落というのは今よりも多く、珍しくなかったですね。

10%どころか一日で50%下落したこともありましたね。

当時は日本の取引所よりも海外の取引所の価格が先に動く傾向があり、BitfinexとbitFlyerのチャートを同時に見て、Bitfinexで価格が上昇したらbitFlyerで購入し、bitFlyerでの価格がBitfinexの価格に収斂したら売る、という取引もやっていました。

単純ですがこれで結構利益が出ました。

ーー髭キャッチや海外取引所とのアービトラージなど、何をヒントに行っていましたか。

全て独学と実践です。

当時はbitFlyer FXの特有の癖を学ぼうと一日10時間、20時間はチャートに張り付いて傾向を探っていました。

一応、負けてはいたものの株式のデイトレの経験もあって基礎的な知識は既にあったので、それがbitFlyer FXの取引でも役に立ったというのはあると思います。

基礎的な知識ではあるものの、当時はそのような知識すらない初心者のトレーダーが多く、経験がある分、優位に取引できていたと思います。

その市場で勝っているプレイヤーがどういったプレイヤーか、自分は誰と戦っているか

ーー株式の取引では負けていたのに暗号資産の取引では勝てるようになったというのは興味深いエピソードです。

株式の世界は100億円、200億円を運用しているプレイヤーも決して少なくはありませんが、当時のbitFlyer FXでそのようなプレイヤーはいなくて、私のように少ない資金でも十分戦えました。

そういう意味では、その市場で勝っているプレイヤーがどういったプレイヤーか、自分は誰と戦っているかを知るということはとても大事だと思います。

当時のbitFlyerではログインボーナスで数百円がもらえたのですが、それを資金に1億円まで稼いだ人も知っています。

当時は少ない資金でも戦えた相場でしたね。

ーー2017年に1,500万円のリターンを得たとのことですが、2018年以降はいかがでしょうか。

しっかりベア相場に巻き込まれて資金を減らしました。

納税分の資金だけ回収していたのが不幸中の幸いですが、それ以外の資産はほぼ失いましたね。

2017年に得た利益を守るために2018年はFX取引をやめ、現物取引やアルトコインのトレードを始めて、マイニング代行のICOに数百万円を投資したのですが、お金が返って来ず、ほぼ全損になりました。

ヘッジのために取引していたつもりがむしろ損をする結果となってしまって、簡単にアルトコインに資金を入れてはいけないと学びました。

bitFlyer FXのノウハウが通用せず、草コインのトレードで負ける

ーー当時のアルトコインのトレードについて詳しく教えてください。

ある草取引所のとあるコインの価格が1万倍まで上がった話を聞き、誘惑に駆られてアルトコインのトレードを始めたのが最初です。

BinanceやCoinExchangeでトレードしていたのですが、bitFlyer FXで使えていた手法がまったく使えなくて、かなり負けました。

板やチャートなどの指標が全く参考にならず、価格が下落するときは反発せず一気に下落して、資産を減らしました。

ーー当時のmicanさんとしては、ベア相場に入ったという認識はあったのでしょうか。

当時はベア相場に入った認識はなく、「一時的に下落してはいるものの、またすぐに史上最高値を更新して資産は増えていくはず」と考えていました。

どうしても希望を捨てきれず、ずっとアルトコインをロングしていましたね。

マイニングに興味を持ち、詐欺のICOプロジェクトに投資

ーーマイニングプロジェクトのICOからお金が返ってこなかったとのことですが、単に失敗したプロジェクトだったのでしょうか。もしくはそもそも詐欺だったのでしょうか。

「参加者が購入したマイニングマシンを海外のある拠点に集めてマイニングを実施、年利100%の配当が永続的にもらえる」という、完全な詐欺でしたね。

普通に考えれば年利100%は詐欺とわかりますが、自分でもマイニングを行って実際に掘れてもいたので、妙に信憑性を感じてしまい、500万円ほどを投資してしまいました。

最終的には、投資した半分のビットコインが返ってきましたが、そのときにはビットコインの価格も大幅に下落しており、円建てでは投資した金額の8割を失いました。

ナイスハッシュを用いた草コインのマイニングを始める

ーーその後の2018年後半、2019年の取引について教えてください。

2017年に得たリターンの1,500万円は、2018年の後半には100万円ほどになっていました。

また、2018年にはbitFlyer FXにSFDが導入され、2017年ほど簡単に儲けられる相場ではなくなってしまい、2017年の勝ちパターンも失いました。

他の勝てる取引を模索してBinanceでアルトコインも取引しましたがうまくいかず、ずっとギャンブルを続けているような状態でしたね。

それでしばらくうまくいかなかったのですが、ある時からないナイスハッシュを使った草コインのマイニングを行い、これがうまくハマって安定してリターンを出せるようになりました。

botを使い始めたのもこの時で、ある意味転機とも言える取引でしたね。

ーー詳細を教えてください。

もともとエンジニアでマイニング自体に興味があったこともあり、裁量トレードもうまくいかなかったので暗号資産のマイニングを始めました。

ビットコインやイーサリアムは競争が激しく、日本の電気代では戦えないので、競争が弱い草コインのマイニングを行っていました。

最初は自分で見つけたコインを自分で掘っていたのですが、ある時、ナイスハッシュを使うことで自らGPUを用意せずともお金を払うことでレバレッジを掛けてマイニングできることに気づき、それからナイスハッシュを使ったマイニングを行うようになりました。

ナイスハッシュを用いた草コインのマイニングの仕組み

ーーナイスハッシュとはどのようなサービスなのでしょうか。

ナイスハッシュはハッシュパワーのマッチングサービスで、ユーザーから買い取ったハッシュパワーをマイナーに売るサービスです。

マイナーはBTCやLTC建てでハッシュパワーを購入し、購入したハッシュパワーでマイニングを行います。

ハッシュパワーの提供者は提供したハッシュパワーの分だけ、BTCやLTCで売上を得ます。

それで、購入したハッシュパワーの2、3倍のリターンが出せるコインを探してマイニングを行い、結果的に3から5倍のリターンが出せるようになりました。

リターンが出せるコインを見つけるのは難しいのですが、見つけられたら継続してリターンを出し続けられるんですよね。これでしばらく利益を出せました。

ーーこのスキームはどのようにして見つけたのでしょうか。

当時はICOの盛り上がりも相まって独自チェーンの流行があり草コインがたくさん生まれていたのですが、そのほとんどはPoWのコインでした。

それで自分でマイニングをやってみて利益も出せていたのですが、電気代が高く効率が悪く、そんな時にナイスハッシュを知って、自宅よりも安く電気代を仕入れられることを知って利用を始めたというのが経緯です。

Bitcoin Talkで新規コインを全てチェック

ーーおっしゃるとおり、草コインは競争が弱く電気代に対してリターンを得やすいとは思いますが、それと同時に価格が暴落して無価値になるリスクも高いです。マイニングするコインはどのようにして探したのでしょうか。

Bitcoin Talkというフォーラムに「新規コイン」のスレッドがあり、そのスレッドが更新される毎にメールを受け取れるよう通知設定をし、毎日、10から100通のメール全てに目を通していました。

新規コインの多くはどの取引所でも扱ってくれない本当の草コインなのですが、中にはCoinExchangeやCryptopiaで上場できるコインもあり、そういったコインからさらにマイニングでリターンが出せないか調査していました。

当時は資金が100万円ほどまで減っていたので一日1万円でも利益が出たら嬉しくて必死でやっていましたね。

2018年か2019年頃の話です。

ーーその後について教えてください。

「ディフィカルティを監視して掘りやすい瞬間に掘って売る」という一連の作業が労働集約的で大変だったので、この一連の作業全てを自動化したのですが、これがその後botterになるにあたっての大きなきっかけとなりました。

このマイニングの取り組みは利益が出たといっても絶対額としては少なかったのですが、botterになるきっかけを与えてくれたという意味ではとても意義のある経験でしたね。

ーーマイニングではどれくらいリターンが出たのでしょうか。

200、300万円ですね。

一日あたり1、2万円、多くて10万円利益が出る日もありました。

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全三回のmican氏のインタビュー、2記事目に続きます

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