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記事一覧

<散文>湿度

夕日も帰った夏の部屋 扇風機の音が鳴り響いてる 床に寝転ぶのが好き 今日は何もしない したくない 明日になれば  きっと何かしたくなる したくなるだろう とりあえず あなたのことでも考えて 簡単な幸せと そのまま眠ってしまいたい 眠ってしまおうか 天井に車のライトが流れて まるで映画のスクリーン どんな日常を映そう? 今日は何もしない しなかった 明日晴れたら 散歩ぐらいはしておこう 散歩ぐらいはね 今夜はもう あなたのことだけ考えて 簡単な幸せと そのまま眠ってし

<散文>トーキョー

ちょっと行けば君に逢えるのに 行けないし逢えないんだなあ 明日世界が終わるってニュースが流れたら 一番最初に駆けつけるのに 地図に指を滑らせて繋いでみる 君の街 結構好きだよ 日当たりの良い この部屋も悪くないかな ベランダからウサギみたいなビルが見える 君との事 天井に頭ついてる感じ もう一つ突き抜けたくて 閃いた身勝手な作戦やってみた 後先なんてどうでもいい お風呂で大声で歌ったりする日々 君の街 嫌いじゃないかな 狭っ苦しさ感じたら 布団の上 大の字になって

<散文>触れる声

あなたを独り占めできたとして 初めのうちは どうしたらいいか 分からなくなりそう ただの熱い塊に成り果てた私を あなたから触れて欲しい 「ねえ、どうして私のこと知ってるの?」 だんまりはもうダメだよ ゆっくりでいいから教えてね 話さなくても わかってることでも  声に出したら 楽しい答え合せの時間 くすぐったい心 隠し切れていない その赤い耳を いたずらに触れてしまいたい 「ねえ、もう触ってもいいんだよね?」 こんな問いかけも すぐに消えて ゆるい空気とあなたの声

<散文>今夜のおばけ

狭い部屋にオレンジの電灯 空気清浄機の振動で 遠い想いがポタリ いつまでもそっくりで正反対 言葉が欲しい私と 気持ちが欲しい君 どっちも間違いじゃない 切なさのオバケみたいだ 今夜をぐるぐる彷徨ってる 何度切れても くっついてしまう 未知の生物みたいだ 君との繋がり 月も行方を気にしている いつでも思考が見え隠れ 気持ちを伝えたい私と 言葉を伝えたい君 どちらも大切な願い 不器用な二匹のオバケは 今夜もぐるぐる彷徨ってる 青い空気の中ずっとぐるぐる 寒い所はもう飽

<散文>知らない

どうしてこの街に来たの?と聞かれても 毎回笑って嘘をついてる 私とあなたしか知らない答え ただ側にいてくれたらいいのと 穏やかな気持ちで大体過ごしている 今日はハイビスカスが2つも咲いたし 風も気持ちいい あなたは今日何してるんだろう 私はあなたを何も知らない その人から返事はあるの?と聞かれても うん、ないよと言うしかない 私は嘘はついてはいない 本当はあなたとしたいこと沢山 近頃のニュースよりいいかげんな私 ご飯の盛り付けはちょっと雑だけど 味はそんなに悪くない

<散文>大宮神社

そろそろ運動しないとなあ 今日は神社まで走っていこう 人通りもまばらな時間 イヤホンから流れる曲にあなたが重なる 好きな気持ちがエンジン 子供の頃より軽い身体 緑の風に乗っかって どこまでも行けそう 鳥居を潜ったらゆっくり歩いて深呼吸 上京してからずっと私を 知っている木々たち 葉の隙間から透ける光に 私は私を取り戻す 誰もいない境内に響く砂利の音 願うことはいつも同じ 「ふたりの未来が 明るいものでありますように」 鼻をかすめた甘い香り 家に帰ったら何しようかなと

<散文>無敵関係

私たちの出逢い方は ちょっとイレギュラーだったかもしれないけれど 逢えるようになったら 普通に恋愛しよ? 楽しいことは2乗 辛いことは半分こ 君は一番の恋人で 誰よりも家族で 何でも話せる大親友 こんな関係になりたい つまり最強のふたりってこと 今まで色々あり過ぎて 何から話せばいいのか分からないけれど 焦らずに行こう 時間はたっぷりあるからね 支え合ったり 励まし合ったり 君は一番の恋人で 誰よりも家族で 何でも話せる大親友 こんな関係になろうよ つまり無敵のふた

<散文>おもいで話

あの日あなたのもとへ行ったのは 実は2回目でした まさか出逢えるなんて思ってなくて 追いかけて 逃げて  追いかけた 許されない事とわかっていても ただ側にいて欲しかったんだ 白い吐息は言葉に嘘をつかせて 確かに触れている指先 私嬉しかった あなたのこと色々知ってるようで 何も知らなかったな あの時は私も私を全然知らなくて 追いかけて 逃げて 立ち尽くして 許されない事とわかっていても ただ肩を抱いて欲しかったんだ 言葉の嘘は 通りゆく人々をすり抜け 都会の風に消え

<散文>シャイなふたり

むっちゃ好き むちゃくちゃ好き 意味わかんないくらい 君が好き 一緒にいられたら 気分は天国 頬くっつけて スリスリしたい 部屋の中でも 後ろついて歩きたい 気持ちの大きさ 君とおんなじ むっちゃ好き むちゃくちゃ好き 引かれるくらい 君が好き 同じもの飲んで 微笑み合うの 鼻くっつけて ツンツンしたい もういっそ 君の一部になりたい シャイなところ 君とおんなじ いつかふたりになれた時 きっとふたり オロオロするよ きっとふたり 言葉にできないから むちゃくちゃ甘え

<散文>都会に鳴く

神様はなんども試してくるよ 姿を変えて 私たちのもとに 今ならありがとうを言えるけど あの時は 余裕がなかったな 叫び声は 傷ついた鳥で あなたを手放し 私は飛んだ 都会の狭い空を ぎこちない動きで あなたの陽炎を 片目で見ながら 夏の始まりに 少し力のない声 私は飛び立ち あなたは地下室 光と息は マスクで詰まった あなたに逢って 私は着地する 神様は時々与えてくれるよ 今のあなたを 私の目の前に あの時は本当にごめんねって あの日に戻って言いたいな 202007~

<散文>初恋

あなたを見つけて何年が経ったかな? 少女と間違われることも すっかりなくなって 本当に欲しいもの いらないもの 迷わなくなったけれど あなたへ向ける視線は 落ち着くことを知らないの いつまでたっても あなたは私の初恋 花じゃなくて人間でよかった 90になるおばあちゃん 好きな人を思い出す時 頬に手を当て遠くを見つめて 少女の横顔 運命の赤い糸は 何度も何度も 結び直されて 引き寄せられた二人の ハートは時を超えるの いつまでたっても あなたは私の初恋 花じゃなくて人

<散文>虹のハシゴ

この塀の向こう 背伸びをすれば あなたが見えそうな気がする 私は庭づくり始めたばかり 少しずつ彩りを増やしているところ 綺麗に咲いてくれますように 突然嵐がやってきても 育ててきたもの守っていこう 逢えない今も特別な時間 いっそ楽しんじゃお 私は嬉しくて切ない 何だか涙が出ちゃうよ 二人の出逢い神秘的すぎたの 人間くさくなること許そう あなたが時々くれるお裾分けは 初めての味 試しに種を植えてみる 知らない世界が私に広がる 突然の気持ちの揺らぎも 一緒に乗り越えて

<散文>夢のランデブー

夢の中のあなたは 近づいたり遠いたり 夢の中のあなたを ぐるぐる追いかける あなたの背中 好きだけど見飽きたな 夢の中 だいたい雨が降ってる しとしと切ない 春の雨のよう 夜が明けた部屋には 白い余韻が充満してる 夢の中のあなたは 私を見つめている 夢の中で私は あなたの胸に身を寄せる あなたの腕の中 暖かくて大好きな場所 夢の中 2人だけの待ち合わせ しとしと優しい 春の雨のよう 時間が許すまで ベッドの中 あなたの熱を思い出してる 夢で逢えるのは 素敵なことだとは

<散文>なつやすみ

麦わら帽子が 急かすように揺れて あなたへ逢いに 石畳の坂道を登る 急いでなぞるあなたの歴史は 知らないことだらけで嬉しい お茶目なところ可愛いね 幼い頃から変わらない純粋さ あなたと同じ空間にいると 私は本当の私を見つけられる この部屋に響く クーラーの音より 大きな胸の高鳴り ばれてしまいそう 素が好きだと言ったあなたの 少し上ずる声が愛おしいな 首筋から 汗が流れてる 今も昔も変わらない真っ直ぐさ あなたと同じ空間にいると 私は本当の私を取り戻す 子供の頃に