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鈍才は長生きする

わたしは鈍才である。
名前は、もうある。

ぶらいおんと言って、あと5日で91歳になる、お爺さんとも言える、鈍才である。

鈍才は当然天才に劣ると思っていて、疑うこと無くこれまで生きて来た。

あながちそれは誤りではなかろう。

同じ程度の事柄なら、天才の方は、さっさと済ませてしまって、どこかで涼しい顔をしていることだろう。

この気狂いじみた異常気象のさなかで、熱中症アラート発令の下「高齢者は特に気をつけてください」と脅されながらも、若者も居ない核家族の一人暮らしであれば、用足しに外出しなければ、何の用も足りない。

無論、このネット時代に一々外出しなくったってオンラインで出来ることが沢山あることくらいは、こういうお爺さんの鈍才だって重々心得ているし、憚りながら、その程度のことは所有しているスマホ、iPad、パソコンを駆使して、長年培った仕事の経験による技で軽々と乗り越えているから、経験の浅く、ろくな道具も持たない若者より遥かに巧みにやり過ごしていることもまた事実なのだが、、、。

そうは言っても、高齢者になって色々と受けるようになった行政サービス関連の支払いなども少なくない。
そしてそれを実施してくれた業者への支払いが発生するワケだが、得てして零細な企業も多く、特に地方にあってはDX環境は望むべくもなく、集金日ともなれば、実際に財布に紙幣を準備するしか無い。

こういう業者のみの話では無い。現に私が住んでいる県庁所在地である当市のおおかたの医療機関や薬剤店でもキャッシュレスで支払い可能な場所はほとんど存在しない。

印刷された紙幣はATMか、銀行の窓口へ出向かぬ限り手にすることは出来ない。

こんな状況は天才だったら、到底我慢出来まい😣
さっさと自分のやりたいことが実現出来る環境を探し出し、思いっきり素晴らしい研究を完成させて、やりたいことをやり尽くし、あとはこんな鬱陶しい浮世に永らえることは望まない‼️って宣言して、どこか別の世界に転移してしまうのだろう。

だからこそ、彼らは天才と呼ばれ、注目されるのであろう。
必然的に長生きはあり得ない。

そこへ行くと、鈍才は決断も鈍いし、優柔不断だし、欲張りだし、あれこれ出来るか?どうか?分かりもしなことにこだわるし、気分にムラはあるし、そうこうしているうちに老化して身体は動きにくくなるし、舌もスムーズに回らなくなるし、、、。

忘れたことを思い出すのにも時間がかかるようになったり、結局自分のことを書いているワケだが。

兎に角そういう生き方しか出来ないから、私、ぶらいおんのような男は長生きしてしまうことになる。

鈍才ほど長生きすることになる‼️ワケだ。

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