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ゲストハウスのすゝめ

大学3年生の頃に敢行した一人旅でゲストハウスを訪れて以来、ゲストハウスの魅力に取り憑かれており、友人との旅行でも宿泊施設にゲストハウスを提案し、その魅力をプレゼンしてしまうくらいには好きなのだ。最近はなかなかゲストハウスを訪れることができていないが、自分のゲストハウスの思い出をつづめて話してみたい。


ゲストハウスのメリット・デメリット
ゲストハウスを訪問してきて、一般的なホテルや旅館とは異なる部分を多く見てきた。あくまで一個人の主観ではあるが、あらかじめまとめておく。

【メリット】
・宿泊料金が安価(2,000〜4,000円程度)。
・遅めのチェックイン(22時頃)や早めのチェックアウト(7時頃)も大抵可能。
・他の宿泊者と交流できる。逆に誰とも交流せずに籠もることも可能。
・オーナーが料理を振る舞ってくれることもある。

【デメリット】
・アメニティは不十分。
(例:バスタオル・歯ブラシ&歯磨き粉&コップは無いことが多い。)
・完全なプライベート性は担保されていないことが多い。
(例:無施錠、他人の話し声や物音)


印象に残ったゲストハウスたち
日本の各地でゲストハウスに宿泊した中で、私の印象に残り、再訪したいと思えるゲストハウスをピックアップしてみた。

Guest House Oumi(京都府京都市)
私のゲストハウス巡りの原点である。大学の授業の一環で愛知県の工場見学を終えた夜、貧乏学生の私は在来線のみを乗り継いで京都まで4時間かけて向かい、おそるおそるドアを開けた。真夜中の0時を過ぎた後でもオーナーさんが迎え入れてくれたことに驚き、人の温かみと自由が併存するゲストハウスの魅力に私は一気に取り憑かれてしまった。翌朝はオーナーさんがたくさんトーストを焼いてくれ、ゲストハウスを開くまでの経緯やおすすめのラーメン店などたくさん教えてくれた。

Lounge たき(福井県福井市)
私の中のゲストハウス観を揺さぶったとも言えるゲストハウスだ。ゲストハウスは一般的にドミトリー形式を取り、二段ベッドで寝るスタイルである。こちらは個室オンリーで、個室内にベッドや机、その他アメニティが完備されている。さらにはオーナーが朝ご飯まで作ってくれ、その量もかなりボリューミーだ。伝統的な日本家屋の雰囲気を醸し出す、和室ベースの本施設には、一般的な宿泊施設では感じづらい、いわゆる「実家感」がそこには息づいているのである。オーナーさんがもともと旅行会社の添乗員だったこともあり、ほぼノープランで一人旅していた私へ、曹洞宗大本山の永平寺を紹介してくれた。

泊まれる純喫茶 ヒトヤ堂(静岡県静岡市)
これまで訪れた中で最も印象に残ったゲストハウスと言っても過言でないと思う。喫茶店とゲストハウスが一体化した施設であり、ゲストハウスのロビーが喫茶店として使われている。喫茶店が営業を終えた後でもロビーを使用することが可能であり、ロビーの棚には文庫本たちがひしめき合っている。

本のレパートリーから、きっと私とそう遠くないタイプのお方だと思う。

深夜に誰も居ないロビーで友人たちと話し込んだ後、そのまま導かれるかのようにラーメンを食べに行ったのは良い思い出だ。ロビーでドリンクとトーストがセットになった朝食を安価に頂けるのも良い。系列店である独立系書店「本とおくりもの ヒガクレ荘」や傍のラーメン店「大人のらーめん ヒトヤドノクジラ」も併せて訪れてみたいところだ。


終わりに
ゲストハウスはいつも新たな気付きをもたらしてくれる。それが旅行の思い出になり、わざわざ写真というメディアに記録せずとも、必然的に脳内の記憶へと深く刻み込まれるのだ。こうして自分のゲストハウス訪問録を書いていると、久々にゲストハウスに行きたくなる。歳を重ねることでゲストハウスへの感覚、ひいてはその先の感性が変わっていくことに期待して、ゲストハウス訪問を続けたい。

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