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ある年の誕生日、帰宅して冷蔵庫を開けると、
白い箱で埋め尽くされていた。
中を見ると、全部桃のケーキだった。

父が買ってきたらしい。

桃は私が一番好きな果物だ。一瞬でゴキゲンになった。

後にも先にも、あんな誕生日はない。

父はそもそもケーキを買ってくることもほとんどないし、
買ってきたとしても、桃のケーキではない。

振り返ってみれば、あの年は父が節目を迎えた年。

父なりに私に何かを伝えたかったのかもしれない。

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