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『暑寒を制す』⑩地球は太陽熱で温められていたのではない、とすると「太陽の恵み」っていったい何だったんだろう?

実は太陽から届いているのは熱ではないことが、前の記事でなんとなくおわかりいただけたと思います。

輻射熱の存在は、そもそも熱がそんなに遠くまで届くのか?という疑問を一気に解決してくれます。

約1億5000万kmですよ。太陽からすれば四方八方に熱をそのまま届けるとなると、とても現実的ではないだろう、というのが最初に抱いた疑問でした。

熱をそのまま伝えるためには空間も暖めなければなりませんから。地球上では空間=空気が暖められて、それが連鎖的に伝わっていくことで空気が暖められるのですが、宇宙空間には空気もないし、熱を伝える物質も熱を保持する物質も存在しないので、宇宙空間は絶対零度なんですね。

そんな風に考えると太陽からは熱ではなく、輻射熱が届いているんだ、ということも分かりやすいのではないでしょうか。太陽からの輻射熱は電磁波という形で放出されています。ものすごいスピードで。そして地球上までとどいた電磁波は、あらゆるものに当たっては熱を発生させたり、反射して別のものに向かったりとやりたい放題です。

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電磁波って携帯電話から出ているあれ?

そうです、あれです。

そう考えると、私たちは電子レンジの中にいるようなもの。電子レンジは特定の周波数しか出しませんが、宇宙空間には太陽以外からもあらゆる電磁波が飛び交っています。太陽などの熱を持つ天体から直接やってくる電磁波もあれば、あちこちにぶつかって地球に向かってくる電磁波もあります。

電磁波は特定のものにぶつかったら反射する特性も持っていますので、それこそあちこちに頭をぶつけながらまっすぐ飛び続けるのです。

なので地球にはたくさんの強力な電磁波がぶつかってきます。もちろん、その中には人体に有害な放射線、X線やγ線なども含まれていますが、地球はたくさんの層でくるまれていますので、その層で吸収されるか反射するかで、実際日常に降り注ぐのはかなり少なくなっているそうです。

なのに、これだけのパワーを持つのですから凄いですよね。

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電磁波とは一体なに?

電磁波については次の章で詳しく説明します。

ここからは余談です。

これ、やってみたことがないので想像なんですが、宇宙空間で宇宙服を脱ぐとどうなるのか?3つのことが考えられます。

ひとつめは凍死する。なにせ超低温ですから、宇宙空間は。

ふたつめ。バラバラになる。真空状態なので物体としての体はどうかなる。

みっつめ。チン!電磁波の嵐にさらされる生身の人間が無事でいられるとは思えません。

実際にどうなるかはわかりませんが、いずれにしても高温で丸焼きになることはなさそうです。

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