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『暑寒を制す』⑪地球を温めているのは放射熱。じゃあその正体の「電磁波」って実際のところ何なのだろう?電磁波が地球を温めているということか?

電磁波。簡単に説明すると、赤外線、可視光線、紫外線、X線、γ線、電波、光、すべて電磁波です。

どちらかというと概念的な言葉ですね。

わたしたち人間は、自分たちにとって都合のいい電磁波を都合のいい形で利用しているに過ぎないのです。また、自分たちに都合のいいように区切って名前をつけているに過ぎないのです。

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たとえばX線。本来は人間にとって有害な周波数の電磁波なのですが、うまく利用することで体の内部を透視する装置をつくってしまいました。レントゲン装置やCTスキャンなんかがそうですね。

紫外線は人間が生物として過酷な環境を生き抜くために、進化の過程でも上手に活用することを身につけています。それが現代では逆に人間に危険を及ぼすようになったりということも発生しているのですが。

人間がカルシウムを腸から体内に取り込み、そして骨に定着させるためにはビタミンD が必要とされていますが、そのビタミンDは紫外線に当たることで体内で生成できる、珍しいビタミンなのです。

太陽光線に含まれる紫外線は強力に浴びてしまうと、人体に大きな悪影響を与えます。なので、それをコントロールするために、人間はメラニンの仕組みを作り上げました。

しかし、太陽光線の弱い北欧に住み着いたわたしたちの祖先は、より多くの紫外線を取り入れるためにメラニンを排除し、肌を白くしています。住む環境によってしっかり進化しているのです。

このように、人類は進化の過程で得た電磁波の有効活用法と、頭で考えた有効活用法の両方を駆使して豊かな生活を享受しているのです。

これこそが『太陽の恵み』の正体なんですね。

植物も都合のいい周波数だけを有効活用して自身の成長に役立てています。光合成という技ですね。

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太陽からはあらゆる電磁波が全方位に放射されています。地球までの距離は1.5億㎞もあるので、それこそ太陽から見るとピンポイントで飛んできてるんです。

でも多くの電磁波が常に地球には降り注いでいます。全ての電磁波をブロックすることはとてもできません。電離層などで一部の電磁波は反射されますが、多くの電磁波は地表まで届いてしまうのです。

人間に限らず地球上の生物は、太陽から降り注がれる!あらゆる電磁波の中から、自分にとって都合のいい周波数帯だけを上手に活用して生き抜くことを体得してきたのでしょう。これが進化の真骨頂なのかもしれませんね。

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そして電磁波という形をとって熱を伝える輻射熱は、ほかの熱伝導と違って、光速で空間を移動できるというのが凄いのです。しかも、空間の熱を上昇させる必要はありませんので、効率がいいのです。

だから太陽の熱を1.5億㎞も離れた地球へ届けることができるのですね。

電磁波と聞くと体に有害なものという固定観念があるかもしれませんが、実はわたしたちの生活に欠かせないものでもあるのです。

次回は電磁波が何をするかについて掘り下げてみます。

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