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『暑寒を制す』⑨やっと理解、地球を温めているのは太陽の「熱」ではなかった。なるほど、熱をやっつけても暑さは治まらない理由がわかった!

冒頭にも触れましたがもう一度おさらいです。

太陽の表面温度が何度か覚えていますか?

約6000℃、だそうです。

では地球の表面温度は?

平均で15℃。北半球と南半球、昼と夜、夏期と冬期で気温が一定しないから、平均値です。暑くもなく、寒くもなく、ちょっと涼しい快適な温度です。

お隣の月の温度は-170℃から110℃、だそうです。宇宙の世界からいったらほとんどくっついている地球と月。なんでこんなに温度が違うのでしょう?

ではもうひとつ、太陽と地球の間に広がる宇宙空間は何度だったでしょうか?

絶対零度です。絶対零度とは原子が動かなくなる温度だと言われています。

量子力学的には絶対零度でも動いているということらしいですが。。。それは放置します。

では、絶対零度とはどの位の温度なのでしょう?ご存じですか?

摂氏にすると、−273.15℃とされています。ここでは便宜上ー273℃と記しますが、想像もつかない温度ですよね。身近な存在で極低温といえば液体窒素でしょうか。

でも、あの液体窒素でさえ実は-196℃なのです。もう少しいうと、1気圧下での沸点が-196℃。つまり、わたしたちが住む環境では-196℃で沸騰、つまり気化するので、わたしたちが目にする液体窒素は-196℃。ということになります。

あの液体窒素よりもさらに80℃近く低いのが絶対温度、宇宙空間の温度です。

摂氏-273℃。なにかおかしくないですか?

6000℃の超高温が-273℃の超低温になってわたしたち恒温動物にとって心地よい15℃になります。

しかし、直ぐ近くの月は-170℃まで下がります。地球の最低温度は-94℃、南極の氷床の真ん中あたりの標高3800メートルの地点で観測されたそうです。日本では旭川で-41℃という記録が残っています。最高気温は56.7℃、アメリカのデスバレーで記録されています。

不思議ですよね。この違い。

15℃の快適温度を超えて太陽から遠ざかる、つまり地球の大気の影響を受けなくなるとまた絶対零度に下がるのです。

ちなみに太陽系のひとつ外をまわっている火星の平均気温はー43℃です。

こんな感じです。

6000℃→→−273℃→→15℃(−94℃〜56.7℃)→→−273℃→→−43℃・・・

もし、

太陽熱でじかに地球が温められているのなら、6000℃→→5000℃→→4000℃→→100℃→→15℃→→-43℃→→-273℃

と徐々に下がってこなければおかしいですよね?

じゃあ、太陽の熱で温められていたと思っていたわたしたちの地球はどうして暖かくなるの?

昼夜や季節、傾きによって間違いなく太陽の影響を受けているはずなのに。

実は地球の気温は奇跡に近いのだといえます。

わたしたち人類が普通に生きられるのは0℃から40℃ぐらいの間でしょうか。これでも過酷な環境と言えるのですが。そのうち、快適に過ごせるのは10℃から25℃ぐらい?個人差はあるでしょうが、宇宙の激しい環境から比べたらたった15℃の範囲なんてないに等しいですよね。

こんな環境がつくられる地球はまさに奇跡としかいいようがないと思うのです。

たとえば、もう少し太陽から遠かったら、とか近かったらとか考えるだけで背筋がぞっとします。夏期の位置関係と冬期の位置関係、この距離感だけで地球上の気温や環境は激減するんです。

こんなの宇宙では差がないも同然。これがちょっとだけ太陽に近づいたらどうなるのでしょう?地球上の気温はどれだけ上昇するのでしょう?

結局のところ、この太陽と地球の絶妙な距離が生物の多様性を生み、わたしたち人類も繁栄させてもらっているのです。

地球はどうして暖かくなるのか、という答えに近づいてきました。太陽熱が直接地球を温めているのではない!ということがよくわかりました。

次回は「太陽の恵み」とはいったい何なのかを検証してみましょう。

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