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「カレーライス脚本解釈術」の感想をお願いして書いてもらいました その1/2

 一つ、脚本解釈についてまとめてを書いてみましたが、垂れ流しにせず、でも、必要とする人にたくさん読んでもほしいという相反する状況で、できる事をしてみました。私という人間を直接知っているその筋の人、二人に読んで貰って感想をもらう事にしました。ずいぶん面倒な事を頼んでしまいましたが、読めば何か本人に役に立つ事がきっとあるはず、と無謀にも信じちゃえる人にお願いしました。
 本の内容に沿った自己紹介と短いこんなアンケートのお願いとともに。

役者歴  年
主役以外(エキストラでない) 〇本くらい。
主役 〇本くらい。

①どこかで見た事がある内容でしたか。
②役者の為の本はこれまで何冊くらい読みましたか。
その中でどのような位置になりますか。
③価格906円高いですか。

 ③の答えは、聞いておいてしんどい事聞いたな、と反省しましたが、二人とも書いてくれたので一応載せておきます。ああ、誤字について二人ともに指摘されました。すみません。折を見て直します。
 感想なんて、ちょっとしたとこに載ってるような5行も書いてもらえたらいいなと考えてました。〇字以上なんて一言も言ってなかったのだけど、noteで紹介させてもらいたい、と言ったからか、たくさん書いてもらいました。ありがとう。それではもらった順番に。一つ目から。
そして次回、二つ目を紹介をさせてもらいます。

役者歴約12年
主役約10本
主役以外約50本

①どこかで見た事がある内容でしたか
 どこかで見たことがある内容が、より詳しく俳優に寄り添ったかたちで丁寧に解説されているのと、ブンザイさん独自の提案もいくつかありました。単なる演技書の解説書ではないです
②役者の為の本はこれまで何冊くらい読みましたか。
その中でどのような位置になりますか。

 5冊程 実践的で監督と話す時にも役立ちそう
③価格906円高いですか。
 高いとは思わない

 読みました。二回読みました。読みにくい箇所もありましたが、俳優にとってはいい本だと思いました。俳優たちへの激励ですね。脚本解釈と範囲を限定したことがよかったですね。カレーライスの例はあまり効果的ではないなと思いましたが(マーケティング的な要素だとしてもカレーライスはあまり)、自らの脚本『僕はおとうさん』の警察官1を使った解説は、一見の価値ある資料でした。
 自分自身、主役と脇役では脇役で出る方が遥かに難しいと感じます。情報量が少ない分、監督や共演者と解釈の齟齬が生まれやすいからです。この本に書かれているように、主人公をしっかり読み解けば、その齟齬はおのずと少なくなっていくのかもしれません。脇役を英語だと”sub character”ではなく”supporting role”と言いますもんね。恥ずかしながら、自分もそう思えたのはごく最近。そりゃ売れませんわ。
 いい解説だと思った、お伽話「かさじぞう」についての章。
『おじいさんがお地蔵様に自分の頭の手ぬぐい含めた全てをお地蔵様に差し出した時「おばあさんもこうした事を喜んでくれるだろう」と思ってると感じました。これは一つ発見です。この考え方は「おじぞうさまを雪から守りたい」を書き出している時には思いつきませんでした。』
こういう発見ができるかどうかで、演技はまるで違うものになります。俳優は大変な仕事です。
 どういう人がこの本に辿り着くかは分かりませんけど、この本を読んだ俳優が現場に出れば、大きなショックを受ける事になるでしょう。残念ながら多くの現場では、演技ではなく見た目を求められます。顔がいい悪いではなく、外見的な個性、表面的なセリフ回し等のことです。ここで頑張り方を間違えてしまう俳優がいかに多いことか。自分を見出してくれる人が現れるまで、ゴールすら見えない暗い暗い道を歩み続けるしないのです。ブンザイさんのような理想高き人がいまだにデビューできていない理由も分かることでしょう。
 でも、自分がいい俳優だなと思える人は、顔がいいわけでもなく、滑らかな台詞回しをする人でもなく、トリッキーな動きをする人でもなく、ホンが読める人たちであるのは間違いないです。それはもう、立ち方で分かります。そういう俳優たちは制作者の見方になることが出来る。そして、信頼を勝ち取り、仕事も勝ち取っています。もちろん全てそうではありませんが。みんなで頑張りましょう。と言いたくなってしまった感想でした。

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