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約30年前の石垣島の人たちは東京(東京的なもの)に対して怒っていた。


19歳の頃に僕は、8か月間ほど沖縄県の石垣島で、ヨットの乗務員のアルバイトをしていた。昼はシュノーケリングのインストラクターをしていて、ほぼ毎日海に入っていた。

とても幸せな時間だった。

とはいえ、お客さんが来るのはGWと8月で基本的に島はヒマで、グリーンシーズンでも閑古鳥が鳴いていた。そもそも当時石垣島と言っても「どこそれ?」と言われるほど、知名度も情報もなかった。

今では考えられないことだ。

地方に移住してみると、大都市で息苦しさを感じている人によく出会う。石垣島でも、都市部からの来訪者から「実は…」という話はよく聞いていた。

地方に来て驚いたことは沢山ある。例えばSNSをやられている方が多いことに驚いた。今も東京でお世話になった先輩や、仲の良い友人がたくさんいるが、SNSをやっている人は10%くらいじゃないだろうか。僕も北海道にきてから、冬眠していたSNSを動かし始めた。

そして「言葉」にも驚いた。

「まちづくり」とか「地域おこし」とか「地方創生」という言葉をまず知らなかった。そして次第に息苦しさや違和感を持つようになった。

僕は小さな町は明確に「反都市的なコミュニティ」であると認識を持った方が面白いのではないかと思っている。

「東京ふざけんじゃねえよ!」くらい言っていいと思う。

これには、19歳のときに沖縄県の石垣島に8カ月ほど滞在したときの経験が大きい。当時の石垣島には、東京への恨みのマグマのようなものがあった。もちろん歴史的なものもあるのだが、それだけではない。現状に対する不満や憤りを何とかしてやろうという強いマインドがあった。

石垣島には「内地」の人間が入ってはいけないエリアや、参加や見学してはいけない「祭」もあった。守りたいものをしっかり守り続けている、そのマインドに感銘を受けた。

写真でも撮ろうものなら、すぐさま島の人にカメラを取りあげられ壊されるという話は、当時の石垣島では有名だった。

馬産地日高で言えば、サラブレッドの写真を許可なく撮影していると、カメラ(スマホ)を取り上げられ、壊される。そんなイメージだ。

現在、中央省庁が推し進めている「地域活性化戦略」だが、僕はその内容を特に詳細には理解していません。

人口は激減するだろう。

僕は、東京が勝つのか。それとも、東京周辺の地方都市が栄えるのか。ローカルの時代がくるのか。という話をしたいわけではない。

都市部は常に成長と衰退のサイクルを繰り返す。世界的なトレンドで言えば、大都市が衰退しローカルに回帰していく。

これはもう一つの違うフェーズのサイクルだ。この人口動態の変化にうまく対応していくためには、それぞれの地域に世界中の人々が一定数いるとか、そんな世界の方が面白そうな気がしている。

営みとコミュニティそのものを再構築するためには、やっぱり刺激が必要なのかなと思う。

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