買い手目線でのストックフォトサイトの比較
いつも私は素材(写真)を売る側の立場でストックフォトを利用しているのですが、今日は素材を買う側の立場でストックフォトサイトを比較してみたいと思います。具体的には「どのサイトが一番お得かつ安心にニーズに合った素材をダウンロードできるのか?」ってことですね。
お得という点では何となく答えは見えてるような気がしますが(写○○Cさん?)、とりあえず、主要6社(PIXTA、Adobe Stock、Shutterstock、iStock、Snapmart、写真AC)の購入プランをそれぞれ表にまとめた上、それぞれのサイトの特徴を書いてみました。なお、料金はすべて税込みとしています。
1. PIXTA
<特徴>
・国内サイト
・5,150万点以上の写真・イラスト・動画素材・音楽素材
・日本のサイトなので人物写真は日本人が多い
・東証マザーズ上場企業が運営
<コメント>
iStock等の海外サイトではエディトリアル使用(ニュースメディアでの使用、非商業的利用)でしか販売されない写真、例えば、新幹線、JALの旅客機、Apple製品などが、PIXTAでは通常販売となっているケースがあるので、ダウンロードした素材を商用利用する場合は注意が必要(場合によってはプロパティリリースの有無を確認したほうが良い)。
2. Adobe Stock
<特徴>
・海外サイト
・1億5000万点以上の写真、イラスト、ビデオ、3D、デザインテンプレート
・NASDAQ上場企業(PhotoshopでおなじみのAdobe)が運営
<コメント>
エディトリアル目的のみの販売となっている写真の基準がiStockよりも甘い感じがします。例えば、新幹線、生田神社や東照宮、長崎ハウステンボスの写真などが通常販売となっています。なので、商用利用の際は注意が必要です(場合によってはプロパティリリースの有無を確認したほうが良い)。
海外サイトではありますが、日本語での検索機能はShutterstockやiStockと比べて優秀で、個人的には支障はない範囲だと思います。
3. Shutterstock
<特徴>
・海外サイト
・3億枚以上の画像
・NYSE上場企業が運営
<コメント>
エディトリアル目的のみの販売となっている写真の基準はiStockよりも若干甘いです。例えば、商用利用の撮影が禁止されている生田神社や東照宮、法隆寺、長崎ハウステンボスなど写真が通常販売となっています。なので、商用利用の際は注意したほうが良いでしょう(場合によってはプロパティリリースの有無を確認したほうが良い)。
あと、海外サイトということもあってか、写真のタイトルの日本語が変、日本語でのキーワード検索機能が弱いという難点があります。
4. iStock
<特徴>
・海外サイト
・8,000万点以上の写真・イラスト・映像(現状は1億を超えている模様)
・Essentialsのみの使用だと比較的安価。
・人物写真は日本人がモデルのものは少ないかも。
<コメント>
全体の8割の画像がEssentialsで購入可能のようです。ということで、残り2割のために全画像の定額制にする必要があるかについては、お値段を考えるとちょっと「?」ですね。
また、これは素材の投稿側からの感想ですが、iStockではShutterstockやAdobe stock、PIXTAで審査に落ちた写真でもアクセプトされることが多いです。なので、これら3サイトよりも全体的に写真の品質が劣るかもしれません。
あと、海外サイトということもあり、日本語での検索機能には難ありです(海外の3サイトの中では一番ダメかも)。
一方で、通常販売とエディトリアル目的での販売の区分けが他サイトよりもしっかりしている印象があります。例えば、新幹線やJAL旅客機、神社仏閣、iPhoneなどのApple製品が写っている写真は基本的にエディトリアル目的での販売となっています。なので、商用利用の場合は他サイトよりも安心して使えるかもしれません。
5. Snapmart
<特徴>
・国内サイト
・PIXTAの子会社
・素材点数は不明
・素人ならではのナチュラルな写真素材が豊富
・SNS向けの写真素材提供がメイン?(バナー広告にはそう書いている)
・他サイトよりも定額、単品購入とも比較的安価
<コメント>
コンセプトが「スマホなどで撮った写真素材をユーザーから直接購入できるサービス」なので、クオリティが高いプロ仕様の写真を求める人には向かないかもしれません。あと、PIXTAと同様に、海外サイトだとエディトリアル使用に限定されている写真が通常販売されています。しかも、その頻度は高い印象があります(写真の投稿時に審査が無いこともあってか、著作権や肖像権などを考えずに投稿してしまう出品者が多いのかもしれません;規約にはそういった作品はアップロードしないように書いてあるのだけれど)。例えば、新幹線やJALの旅客機、神社仏閣、Apple製品に加え、ディズニーランドのシンデレラ城やディズニーリゾートライン、USJのジョーズの写真なども掲載されています(ディズニーは著作権に厳しいので要注意)。ただ、そもそも、「SNS向け…」と宣伝文句にあるくらいなので、主に個人利用を想定してるのかもしれませんね。ということで、商用利用にはあまり向かないかも…。
6. 写真AC
<特徴>
・制約はあるものの基本的に無料
・プレミアムでも圧倒的に他サイトよりも安い
・プレミアム会員の場合、写真ACの他にイラストAC、シルエットACの作品もダウンロード無制限となる
・素材点数は不明
<コメント>
本来ならエディトリアル目的のみの販売とすべき写真に関する基準が同じ国内サイトのPIXTAやSnapmartよりも厳しいです。例えば、JALのマークが入った飛行機の写真は掲載されていないですし、生田神社、東照宮他いくつかの観光名所の写真は投稿不可となっています。ただし、新幹線の写真は普通にあります。あと、他のブログなどを見ると、PIXTAやAdobe stockに落ちた作品を写真ACに投稿するといったコメントが見られるので、クオリティはPIXTAや海外3サイトよりも劣るかもしれません。
結論:どのサイトが一番お得かつ安心にニーズに合った素材をダウンロードできるのか?
こうやって見てみると、まず、「お得さ」、つまり値段勝負だと写真ACに勝るサイトはありませんね(無料だし)。仮にプレミアム会員になったとしても、料金はかなり安いので、その評価は変わりそうもありません。
次に「安心さ」という点については、「商用利用可能な写真」と「商用利用不可能な写真(エディトリアル目的のみの販売)」がしっかりと区別されているか?ということになるかと思います。というのも、ストックフォトの利用者の多くの方が、購入した写真の商用利用(企業のHP、Web広告やアフィリエイトブログへの利用など)を想定してるのでは?と思うからです。
ということで、この視点に立った場合ですが、おそらくiStockがNo. 1かと思います。理由は上でも書いたようにエディトリアルの範囲が他サイトよりも厳しいということですね。それ以外だと写真AC、Adobe stock、Shutterstockといったところでしょうか…。
ただ、購入素材を商用利用しても問題ないかどうかについては、どのサイトを利用するにしても購入者側でしっかりと確認する必要があると思います。
そして、3つめの「ニーズに合った」ですが、これは掲載されている写真の質の良さと豊富さ、さらにその中から自身の欲しい作品をいかに簡単に探せるかがポイントになるかと思います。
まず、品質という点ではPIXTA、Adobe stock、Shutterstockの3社が候補になりますが、豊富さを加味するとAdobe stockとShutterstockの2択となり、さらに検索機能の良さを考えるとAdobe stockが残る…ことになるでしょうか。
ということで、「どのサイトが一番お得かつ安心にニーズに合った素材をダウンロードできるのか?」という視点で各サイトを見てきましたが、3つの視点での結果をまとめると…
「お得さ」:写真AC
「安心さ」:iStock
「ニーズに合った」:Adobe stock
となって、それぞれバラバラになってしまいました。う〜ん、悩ましい。でも、結論を出さなければならないとしたら…
やはり「写真AC」が一番オススメだと思います。なんせ、無料なので。まずはここに登録して利用してみて、それでも物足らなければ、iStockとAdobe stockを検討…でよいのではないでしょうか?(個人的にはこの2社ならAdobe stockかな)
最後に…
いろいろと書きましたが、各サイトの運営の方が読むと気分を害される内容があるかもしれません。いつも売り手側でお世話になっているのに…。本当に申し訳ないです。
また、この記事は、あくまで単なる素人が調べた結果に基づいたものです。内容には誤りがあるかもしれないことをご了承いただければと思います。
ということで、あくまで参考程度にして下さい。
なお、今回の比較でオススメとなった写真ACへの登録はこちらからできます(アクセス後、画面上部の「ダウンロード会員登録」をクリック下さい)。
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