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【今日コレ受けvol.042】不足を満たす望み

朝7時に更新、24時間で消えてしまうショートエッセイ「CORECOLOR編集長 さとゆみの今日もコレカラ」。これを読んで、「朝ドラ受け」のようにそれぞれが自由に書くマガジン【今日コレ受け】に参加しています。

毎朝5時半に起きて書いていると、ストイックですねと言われることがある。違う。逆だ。ストイックなのではなく、強欲なのだ。毎朝書くことで得る何かを得たくて書いている。

ストイックという強欲【さとゆみの今日もコレカラ/047】|CORECOLOR


あれ? 「欲望」ってどんな意味だったっけ? 
と思って改めて、国語辞典を引いた。

「不足を感じてこれを満たそうと強く望むこと。また、その心。」とある。

「不足を満たす」望み。なるほど。
思ったよりもずっとポジティブな意味じゃないか。

欲望と聞くと、なんとなくよこしまなイメージを持ちがちだった。だが意味を知れば、欲望という言葉自体には、ポジティブもネガティブもないのだ。

問題なのは、その前後にどんな文脈がつくか。
もっと言えば、「どんな不足を満たそうとしているのか」にあるのだろう。

思い込みは怖い。そして、やっぱり言葉の世界は奥深いな…としみじみ思っていたら、晩ごはん後になにやら隣でネット記事を読んでいた息子(10歳)が、「この記事はダメだなあ」と呟いた。

え!? 今なんて!? つうかなんでダメ???

唐突に発せられた言葉の意味を問うと、
「解説的な文章すぎる。もっと読者を楽しませる工夫がないと、最後まで読めないよ」
とおっしゃる。

へ、編集サンデスカ? アナタドコカノ編集者サンデシタッケ?

突然ガツンとやられて二の句が出てこなかったけれど、「いい記事」「そうでもない記事」の違いについて、10歳の子供にも判断基準があるのだ。


いやはや、怖い。
がんばって鍛錬して、いつか母の文章を「面白い」と言って欲しい。というかせめて、「この記事はダメだな」と言われたくない。

またひとつ自分のなかに、「不足を満たす」望みが生まれた。

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