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【今日コレ受けvol.075】ロビタと友達に

朝7時に更新、24時間で消えてしまうショートエッセイ「CORECOLOR編集長 さとゆみの今日もコレカラ」。これを読んで、「朝ドラ受け」のようにそれぞれが自由に書くマガジン【今日コレ受け】に参加しています。


私のなかのロボットの原体験は、手塚治虫さんの『火の鳥』に出てくる「ロビタ」だ。ロビタは、元々はある男性の精神とアンドロイドが融合したロボット。だが後に大量コピーされ、各家庭でお手伝いさんやナニーのような存在になる。

料理や掃除を手伝ってくれるのはもちろん、人間だった頃の記憶から、ちゃんばらごっこを教えてくれたりもする。だから、子供にとっては親友のような存在になっていた。
ときには失敗やドジをするのだが、その人間臭さこそかわいくて、幼い私は「うちにもロビタが来てほしい」と切実に願った。


そんな思い出があるからなのか、「AIに仕事を奪われる」という危機感は私にはない。ロビタのように、助けてくれる存在なのではと思っている。

AIにできることはぜひおまかせして、空いた時間を有効活用したい。その時間は、テクノロジーからのギフトではないだろうか。
高度経済成長期、掃除機やガスコンロなどの家電が普及したことで家事時間が減り、外で働く主婦が増えたように。

いつか、AIと友達になれる未来が来るといいなとも思う。召使いではなく友達に。

AIの能力が人を凌駕することも心配されているけれど、人間だって、進化の大元をたどればアメーバのような単細胞生物だったのだ。AIが人間を超えるなら、それもまた進化の過程のひとつではないだろうか。


『火の鳥 復活篇』では、農場で働くロビタが主人に「人を殺した」と嫌疑をかけられ、そこで働くロビタ同士がかばいあう。結果、その農場にいるロビタ全員が溶解処分になってしまった。
これに反発した多くのロビタが自殺を選び、地球上に一体しか残らないという悲しい結末になった。

そんな結末を招くかどうかは、人間の振るまいにかかっている気がする。そうならないために気をつけるべきことはなんだろう。

AIの力を借りながらも頼りすぎず、意見を聞いて、尊重すること…?

ジャストアイデアだが、思いついたことはすべて、人間同士が友達になるために大切なこととなんら変わらない。明るい未来が訪れるかどうかは、人間側のコミュニケーション力にかかっているのかもしれない。


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